これもまた、起承までは結構良い記事ですが、転でワケがわからなくなり、結にいたっては、あるのかどうかすら分からなくなります。文化日報の記事で、ここ、これでも結構右側のメディアだったりします。
記事の要は、「今回のバイデン氏の日韓訪問は、どうみても日本のほうがメインだった」「日本と協力が必要だ」「尹錫悦(ユンソンニョル)政権の日韓関係改善推進はとても良いことだ」「でも改善を急ぐとまた日韓合意みたいになるかもしれない」「じゃ、韓国は、 『何度も国家間合意を破棄する国だ』と思われてしまうだろう」「用意周到に、ゆっくり急げ」です。なんか、破棄することを前提にしていますね。
このメディア、文政権を批判するときには鋭い指摘も結構ありましたが・・やはり、日本関連となると一気にレベルダウンしてしまうものですね。レベルが「『文』化」してしまう、と言うかなんというか(やめろ)。ちなみに、「ゆっくり急げ」とは、確かギリシャの格言がラテン語で広がったものだと聞いています。これって、私は「焦らず、一つずつしっかりやっていく、でも決して手を休めるな」ぐらいの意味だと思っていましたが、違うのでしょうか。本ブログもいつものパターンどおり、まず<<~>>で引用して、あとでツッコむことにします。
<<(※多分、起)尹錫悦大統領は韓米首脳会談を成功的に行ったが、去る20~24日、ジョーバイデン米国大統領のアジア歴訪のハイライトは、断然日本だった。バイデン大統領は先に訪韓したが、日本でインド太平洋経済フレームワーク(IPEF)発足宣言、クワッド首脳会談など、注目度の高い行事を次々と開催した。日本はバイデン政権の大アジア戦略であるインド太平洋戦略(FOIP)だけでなく、今回のIPEF発足にも、事実上の共同提案国としての役割を果たしたことが分かった。日本の「コーナーストーン」としての役割がさらに大きくなっているのだ・・
・・(※多分、承)アジアでこのよう「現状の変化」が行われている状況だが、尹政権のアジア政策は全般的に曖昧すぎる。特に、韓米関係の支えと言うしかない韓日関係に対して、具体的な内容が見えない。3日、大統領職引受委員会が発表した「尹政権110大国政課題」には、「シャトル外交復元による信頼回復」「金大中・小渕宣言精神の発展的継承」など、マニュアルな話だけが含まれていた。
去る21日に発表された韓米首脳共同声明にも、米国が求める韓日関係改善と関連して「北朝鮮の挑戦に対応し、共同の価値を支持し、規範に基づく国際秩序を強化するための韓米日3国協力の重要性を強調した」と簡単に書いてあるが、これは1年前の文在寅政権の韓米首脳共同宣言文句と大差がない・・
・・(※多分、転)尹政権の韓日関係改善意志は非常に肯定的だが、2015年日韓合意及び破棄の教訓を絶対忘れてはならない。同じ事態が再現されると、国際的には、「韓国は国家間の合意を何度も破棄する国家だ」という汚名が定着するだろう。国内的にもデモの激化などで政権が揺れる可能性がある・・>>
で、結(と思われるもの)ですが、まとめると、こうなります。「(日本関連のデモなど)国内世論を乗り越えることは深い哲学であり守るべき原則だ」「被◯者たちと積極的にコミュニケーションを取り支援せよ」「日本との合意には裏合意が多いので、すべてを透明に処理し、両国国民の心を掴め」「必要なのはスピードではなく用意周到さである。ゆっくり急げ」。
はい、無理。というか、つい先まで「曖昧さ」を批判していたのに、哲学や心ってどういうことですか、これ。また同じ趣旨を書くことになりますが、要は、『韓国が約束(合意)を守ることで、どんな得ができるかを考えよう』という考えにとらわれているのが問題です。右も左もこの点だけは何も変わりません。自分で破った約束を自分で復元することで得を追求するなんて、ありえません。喩えるなら、長い間返却しないでいたレンタルDVDをやっと返却したなら、それで褒賞がもらえるなんてありえません。逆に、延滞料金を支払うべきでしょう。
用意周到も何も、いまユン政権がやるべきことは『国家間の約束を守る』ことです。すでに交わした約束を守ることなのに、それが用意周到に考えてから守るようなものでしょうか。現金化、単任制度(任期5年)など、タイムリミットもあります。本当に「ゆっくり急げ」でなんとかなるのでしょうか。「ユン くso 急げ」なら分かりますが。
最後に余談ですが、ギリシャ格言には心惹かれるものが多く、『汝自らを知れ』も、もともとはアポロンの神殿の入り口に書いてある格言です。神託(予言)を聞くために集まる人が多い神殿で、神の声を聞く前に自分を省みろ、という意味でそんな格言が広がったのではないか、と私は勝手に思っています。神社の『鏡』からも、同じ趣旨を見つけることができるのではないか、そうも思っています。
※おかげさまで新刊『日本人たらしめているものはなにか』を追記しました。帰化を前にして、いろいろと考えてみて、その自分なりの結論を記録した本です。固定エントリー『新刊・準新刊のご紹介』に簡単な内容を綴りました※
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・皆様のおかげで、こうして新刊・準新刊のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2022年6月1日発売)からですが、<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>です。帰化を前にして考えたことを記録した本です。アマゾンページに書いてある、「私はただ、日本が好きだから、日本人として生きたいと思っています」と、「『お前は韓国人として生まれた』が、『私は日本人として死ぬ』に上書きされた時に見えてきた、日本人になるということの意味」が、本書の全てを表していると言えるでしょう。そんな本です。 ・準新刊<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >は、日本滞在4年目に感じた「日常」と、ラムザイヤー教授論文騒ぎにまつわる、日韓の対応の差などをまとめました。2021年発売版に、相応の追記を致した新書版でございます。 ・韓国に蔓延する対日観、『卑日』について考察した<卑日(扶桑社新書)>も発売中です。なぜ今の韓国に、日本に対する『卑』が必要なのか。それを自分なりに考察、率直に書きました。 ・既刊として、文政権の失敗を振り返った <文在寅政権最後の暴走>と、自分なりの『日本語』本<日本語の行間~韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書)>も発売中です。・新刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。旧「インフォメーション」もこちらに統合してあります。本当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。 ・それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。