「新しい資本主義のグランドデザイン全体構想および実行計画」と「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」が閣議決定されました。初めて台湾関連の記述も入っているし、防衛費の増強など、時代を感じさせる部分もあります。読売新聞など様々なメディアに内容が載っていますが、本ブログとしてはやはり、防衛費関連についての韓国側の反応を紹介したいと思います。
・・といっても、意外なほど、日本側の記事を元にして普通に報じるメディアがほとんどです。日本の防衛費関連はバイデン大統領も賛成した直後なので、左寄りのメディア以外は、ちょっと言いにくいのでしょうか。雰囲気的に。ただ、中央日報など一部のメディアは、「日本は『国』の負債が1000兆円なのに大丈夫か!」という記事を載せています(笑)。防衛費のお金を使っていいのか、という趣旨です。
この『国』の負債という表現、韓国側でも「政府の負債ではあるが、『日本』の負債だとは言えない」とする書き方が増えてきました。もちろん、「~という主張もある」といった書き方ではありますが。なのに、大手全国紙中央日報がこれをまだまだ「国」の負債とする書き方をしているのは、意図的なものではないのか、そんな気もします。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。
<<・・日本の国債発行残高は昨年1000兆円を超えた。 これは、国が返済すべき借金が1000兆円も積み重ねられているという意味だ。 日本のGDPに対する国家負債比率は256%に達する。財務省官僚をはじめとする多くの経済学者は、財政健全化の必要性を主張し、日本の国家負債問題を深刻に受け止めている。しかし安倍元首相をはじめとする積極財政派は、国債をより多く発行しても大きな問題はないと主張している・・(中央日報)>>、と。中央日報は最近、「安倍は上王」「現総理は安倍の言いなりにすぎない」「防衛費2%も安倍の主張」など、韓国紙の中でもダントツのアベガ率を誇っています。何があったのでしょうか。
韓国政府のスタンスは、すでに先月、明らかになっています。日米首脳会談でバイデン大統領が日本の防衛費増強を強く支持したからです。5月24日のMBCですが、常任理事国関連発言と同じく、趣旨は分かるけど言い方を(韓国政府にしては)ものすごく控えているような、そんな感じです。ただ、「平和憲法」だけはハッキリ言っています。同じく、引用してみます。
<<外交部は、米国が日米首脳会談で日本の防衛費増額を支持したことに対して「日本の防衛安全保障政策は、平和憲法の精神を堅持しつつ、地域の平和と安定に寄与する方向に透明に行われなければならない」という立場を明らかにしました。チェ・ヨンサム外交部スポークスマンは、今日の定例ブリーフィングで「政府はこのような立場を一貫して堅持してきており、これに対して同盟の米国も明確に理解している、と知っている」と話しました。
チェ広報担当者は、米国が日本防衛費増額を支持することと関連し、(※日本で相応の発言をする前に)韓国に事前説明をしたかについては、「全体的な地域情勢などについて幅広い意見交換があった」とだけ回答しました。昨日、日本の東京で開かれた日米首脳会談で、岸田文雄首相は日本の防衛力を強化し、これを裏付けるために防衛費を大幅に増額するという意志を表明し、バイデン大統領はこれを強く支持しました。米国は中国牽制などのために、日本の地域内の役割の拡大を支持しており、日本の防衛力の強化にも力を与えています・・>>
事前説明が無かったら『米国はいつも一方的すぎる』ということになっただろうし、したというなら『何も反論しなかったのか』ということになったでしょう。スポークスマンなりに、うまい返事をしたと言えるかもしれません。というか、なんでこんなことを、「米国大統領が韓国に事前説明すべき案件」と認識しているのでしょうか。この質問自体が、韓国が日本をどういう目で見ているのか、そのまま物語っているとも言えるでしょう。
※皆様のおかげで、新刊『日本人を日本人たらしめているものはなにか』が、発売中です。帰化を前にして、いろいろと考えてみて、の自分なりの結論を記録した本です。固定エントリー『新刊・準新刊のご紹介』に簡単な内容を綴りました※
本エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。
・皆様のおかげで、こうして新刊・準新刊のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2022年6月1日発売)からですが、<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>です。帰化を前にして考えたことを記録した本です。アマゾンページに書いてある、「私はただ、日本が好きだから、日本人として生きたいと思っています」と、「『お前は韓国人として生まれた』が、『私は日本人として死ぬ』に上書きされた時に見えてきた、日本人になるということの意味」が、本書の全てを表していると言えるでしょう。そんな本です。 ・準新刊<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >は、日本滞在4年目に感じた「日常」と、ラムザイヤー教授論文騒ぎにまつわる、日韓の対応の差などをまとめました。2021年発売版に、相応の追記を致した新書版でございます。 ・韓国に蔓延する対日観、『卑日』について考察した<卑日(扶桑社新書)>も発売中です。なぜ今の韓国に、日本に対する『卑』が必要なのか。それを自分なりに考察、率直に書きました。 ・既刊として、文政権の失敗を振り返った <文在寅政権最後の暴走>と、自分なりの『日本語』本<日本語の行間~韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書)>も発売中です。・新刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。旧「インフォメーション」もこちらに統合してあります。本当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。 ・それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。