最近、日韓相互防衛など、「米国側が日韓の軍事協力を促そうとしている」趣旨のニュースが目立ちます。
尹錫悦（ユンソンニョル）政権はすでに拒否の意志を明らかにしましたが、それでも右寄りメディアからは「悪い話ではない」とする趣旨の、逆のメディアからは「やはり尹政権は日本をて助けることにしかならない」との趣旨で記事を出しています。本ブログでもエントリーしたことがありますので、未読の方は参考にしてください。シンシアリーとしても、これは「現実的ではない」と思っています。
そんな中、日本主催で、西太平洋海軍シンポジウム（WPNS）及び国際観艦式が開催されます。朝日新聞によると、「日本が国際観艦式を主催するのは20年ぶりで、海上自衛隊創設70周年に合わせて開催する。2002年には、ロシア、米国、韓国など海外11カ国から17隻の潜水艦や艦艇が集まり、小泉純一郎当時首相が観閲した」となっています。
日本メディアでは「時期は未定」と、韓国メディアは「11月予定」としていますが、準備はある程度進んでいるようで、3日前、日本が同観艦式に「ロシアを招待していたが、取り消した」というニュースが流れました。まさかウクライナ事態が本格化した後に招待したはずは無いでしょうから、すでに結構前に招待はしていた、という意味でしょう。
ですが、その国際観艦式に、韓国はまだ招待もされていないことが分かりました。京畿道、仁川地域（韓国首都圏）のローカル放送、OBS京仁放送の記事によると、「11月、海上自衛隊創設70周年国際観艦式にて、ロシア招待を取り消した日本防衛当局が、韓国軍には関連意思すらも打診していない（※招待していない）ことが分かりました・・・・日本は2019年10月、相模湾での関艦式にも、2018年12月哨戒機低空飛行（※レーダー照射問題）などを理由に、韓国海軍に招待状を送らなかった前例があります」、と。
記事は、日米韓国防部長官（防衛相）会談が予定されており、その結果がどうなるのか、それから日韓関係がどうなるのかにもかかっているだろうとしながらも、迂回的に「ロシアはそれでも招待はされていたのに、韓国には招待すら無しか」と主張しています。
でも、その原因は明らかに韓国側にあるでしょう。先の朝日新聞の記事にも書いてありますが、2000年代になってからも、日本の観艦式に韓国艦艇が、韓国の観艦式に日本の艦艇が参加することには、何の問題もありませんでした。なのに、急に韓国側が「旗がどうとか」、「GSOMIAがどうとか」、さらにはレーダー照射問題を起こしておいて、「日本側が危ない飛行をした」とする有様。こんな状況下で、招待するほうがむしろおかしいでしょう。
また、シャングリラ会合での日米韓国防部長官会談（11日）が予定されていますが、韓国は、日韓会談はせず、中国と国防部長官会談を行います。そして、そのとき、日米韓共同軍事演習のことを『強く』拒否する予定である、とのことでして。同じくOBS(の別の記事)は、「米国と日本が、日米韓3国の共同軍事訓練を要求しています」としながら、韓国側は「国民の世論を考えると、そんなことはできない」と強く反論する構えだそうです。＜＜～＞＞が引用部分となります。
＜＜・・米国と日本が、日米韓3国の共同軍事訓練を要求しています・・・・来る11日、シンガポールで予定された韓米日国防長官会談でも、この件が議題として想定される見込みです。世論を勘案すれば、戦○旗を掲げた自衛隊との軍事作戦は容易ではありません。【ムンホンシク/国防部公報課長（昨日）:「韓米日連合訓練は、国民的な共感帯がなければならないと答えたもので… それから、大して状況が変わってないと言いましょうか・・」】。
11月に開かれる海上自衛隊70周年国際観艦式も参加可否をめぐって綱引きが予想されます。だからといって、拒否ばかりするのも難しいのが実情です。8日の韓米日外交次官会議では、「梗塞された三国安保協力の進展」が合意されました。「国家としての約束を、韓国は、また破った」と、日米から批判が出る可能性もあります・・・・協力を餌にして、条件を出す日本の態度も問題です。最近は、「2018年の哨戒機事件を認めなければ、国防長官会談はしない」という立場も出しました・・＞＞
引用最後の部分をそのまま適用するなら、シャングリラ会合で日韓防衛相会談が無いのは、韓国側がまだ「認めていない」からでありましょう。このように、2つの件から「日韓相互防衛など夢のまた夢。やるとしても、実に形式的なものだけ」としか思えないわけですが・・2つの件に共通しているのは、「その原因を作ったのは韓国の方」です。もし協力が必要なら、どちらにボールがあるのか、それは明らかでしょう。 ※次の更新は、11時～正午の間になります。
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