韓国外交部長官の訪日、延期か・・『いまは、完成度の高い会談はできない』

6月の下旬、早ければ中旬と噂され、韓国メディアではほぼ既成事実となっていた、韓国の朴振(パクジン)外交部長官の訪日が、うまく行かないでいるようです。情報筋たちの間では、延期になるとの話が広がっている、とのことでして。それはそうでしょうね。

昨日も(今朝だっけ)同じ内容を書きましたが、もともとパク長官の6月来日についての話は、NATO首脳会談に岸田総理とユンソンニョル大統領がともに招待された直後から出てきました。NATO首脳会談で、日韓首脳会談をするための、事前調整のための来日計画だったのでしょう。もともとは、訪米して(これは6月に正式に予定されていたし、いま訪米中です)、その後に直接日本に行く、またはその後にすぐ日本に行く、とされていました。

 

ですが、この流れを読んでのことかどうかまでは分かりませんが、ご存知、岸田総理がシャングリラ会合で『懸案の解決が先だお』と話しました。『先に解決し、それを信頼回復につなげ、それから首脳会談』とする日本と、『首脳会談して、それで解決のために共に努力することで、信頼回復になる』とする韓国。その異見に対して釘を刺したわけです。今朝(2つ前)のエントリーで紹介した『就任挨拶は終わった。中身のある話を持ってきてほしい』も、まったく同じ路線となります。

ここまで言われて、何も持たず、または基金とか財団とかそんな話を持って来日したところで、何かの進展は期待できません。本エントリーのソース記事では「完成度」としていますが、韓国側の記事によく出てくる言葉にすると、『成果』と同じ意味でしょう。

 

現状、挨拶する(初対面ですし)以上の成果は望めません。東京オリンピックの直前までく広げられた、文在寅大統領の訪日・首脳会談騒ぎ。あのときも、韓国側は『成果』を要求し、それで来日そのものが霧散となりました。当時、日本側は(普通に来るなら)ちゃんとオモテナシするとしていましたが。今回も、「成果が望めない」、これが最大の原因でしょう。

まだ公式発表があったわけではありませんが、パク長官の訪日は、7月以降に延期になるの、と言われています。ここからは、なにげに久しぶりにニュース1から引用してみます。余談ですが、聯合ニュースが大手すぎでパッとしませんが、ニューシースとニュース1も結構大手のニュース通信会社です。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<尹錫悦(ユンソンニョル)大統領と岸田文雄日本首相の日韓首脳会談が、早ければ、今月末頃に実現するだろうと期待する展望が出ている。両首脳ともに、29~30日、スペインマドリードで開かれるNATO(北大西洋条約機構)首脳会議に招待されたためだ。しかし最近、外交情報筋たちの間では、今月の中・下旬に予想されていたパクジン外交部長官の日本訪問が、「延期される可能性」について話が流れており、日韓首脳会談の開催いも影響を及ぼすと予想される。

朴長官は12日から4日間の日程で、就任後初めて米国訪問中だ。これに対して外交情報筋は、「朴長官は、訪米後に日本訪問を推進する予定」としながらも、「訪米と訪日の間に、大きく長く間があく可能性を排除できない」と伝えた。先月までにも、外交情報筋たちは、朴長官の6月中・下旬の訪日を前提にしていて、「その場で日韓首脳会談開催に必要な議題の調整がなされ、以後マドリード・NATO首脳会議でユン大統領と岸田首相の初めての出会いが実現する」というシナリオを取り上げていた。

 

しかし最近、韓日当局間の気流は、朴長官の訪日と韓日首脳会談の開催などを急ぐより、「少し遅れても完成度の高い出会いを模索しよう」という方に移っているという。政府消息筋は、「日韓間の懸案は、すぐに解決できる事案ではない」とし、「両側ともに、成果が導出されることを願っている。行動は慎重になるしかない」と伝えた。

情報筋は、「選挙を目前にした日本国内の状況を勘案するとき、今よりは参議院選挙後に韓日両国がもう少し余裕を持って接点を模索できるという期待がある」とし「日本側も同様の考えだと聞いている」と説明した。この場合、朴長官の訪日及び日韓外交長官会談の開催時点は、日本参議院選挙の後の7月中旬頃になる可能性がある。今月末にマドリードでユン大統領と岸田首相が初対面する席を設けたとしても、事前に議題を定めない「略式(pull-aside)会談」になる可能性が高いと予想される理由だ・・>>

 

ユンリエット「キシオ、あなたはなぜキシオなの」 キシオ「解決策を持ってきましたか?」・・といったところでしょうか。なんか、文在寅政権とあまり変わってませんね。実際、韓国側はまだ何も変わってませんし。しかし、記事の後半部は、またもや「参議院選挙さえ終われば」となっていますが・・もし『参議院選挙の後なら、解決策を用意しなくても会談できる』なら、それは、岸田総理がいままで話してきたこと、安倍総理や菅総理がずっと言ってきてことが、すべて『無かったこと』になってしまいます(もちろん、もっとも重要なのは中身でしょうけど、外見的には)。

安倍政権(2期)から今まで自民党が『動きづらい』と思うほど選挙で追い込まれたことも無かったし、選挙の前後でなんとかなる問題なら、すでになんとかなったはずでは。東京オリンピック開会式という、他にない絶好のチャンスでも首脳会談できなかったのに、参議院選挙さえ終われば~というのは、考えが安易すぎます。衆議院選挙の前にも『参議院選挙が終われば~』という記事を結構見ましたし。

 

 

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