日本、NATO首脳会談で「日・韓・豪・ニュージラント」の4ヶ国会談を提案か・・日韓首脳会談は見送り

日本が、韓国(多分、韓国含め3ヶ国)に「日・韓・豪・NZ」共同首脳会談を提案した、というニュースがありました。ちょうど日本の読売新聞が、「NATO首脳会談のゲスト参加国(日韓豪ニュージラント)共同首脳会談を調整している」、「日韓首脳会談は、韓国側が解決策を用意しないので、難しい」と報道した数時間後の記事です。まずは読売新聞の記事から、引用してみます。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。

<<岸田首相は、今月末にスペインで開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議への出席に合わせて、現地で、日韓豪とニュージーランドによる4か国首脳会談を開催する検討に入った。いずれもNATOの「アジア太平洋パートナー」である4か国の首脳が連携を確認し、対中国を念頭に「自由で開かれたインド太平洋」を推進する狙いがある・・>>

 

また、『正式』日韓首脳会談は見送る方向で調整しているとも報じ、その理由は、旧朝鮮半島出身労働者問題の解決に向けた韓国側の対応がハッキリしないからだ、とのことです。それから数時間後、ニューシースなど複数のメディアが、「日本から4ヶ国首脳会談の提案があり、韓国大統領室が検討している」と報道しました。以下、続けて引用してみます。

<<大統領室は日本政府が韓国、日本、オーストラリア、ニュージーランド首脳会議を提案し、韓国政府もこれを検討中だと20日明らかにした。大統領室関係者はこの日、ソウル龍山(ヨンサン)大統領室で取材陣に会い、日本の読売新聞が「日本政府が北大西洋条約機構(NATO)首脳会議をきっかけに韓国・日本・オーストラリア・ニュージーランド4カ国首脳会談開催を検討している」 と報道したことは事実だと確認した。

 

同関係者は、「日本側で(4カ国首脳会談)提案を受け、大統領室安保室で検討中だ」と話した。これに先立ち、読売は岸田文雄日本首相が29~30日、スペインマドリードで行われるNATO首脳会議に合わせて4カ国首脳会議の開催案を検討していると報じた・・・・正式韓日首脳会談は見送る方向に調整している、とも伝えた>>

日韓首脳会談は難しいという報道が出たあとなので、一部の韓国紙が「韓国とは会談せず、対中政策だけアピールするために4ヶ国首脳会談を計画しているのだ」と批判しています。ソウル新聞などがそうで、記事本文はそうでもありませんが、題で「韓国のせいだとしながら首脳会談しない日本、韓国・オーストラリア・ニュージーランドと会って中国を牽制しようと言う」と、不満を顕にしています。

 

さて、本件、率直に言うと「日韓首脳が顔を合わせる必要があるのかな」と思いますが・・どうでしょうか。それ以外で真っ先に思ったのは、『意味のあることだとは思うけど、これ、提案があったと情報流していいのだろうか』です。NATOに招待された4カ国が会談をして、自由で開かれたインド太平洋関連で共同声明を出すのは、とても意味があると思います。4ヶ国共同で、テーマも決まっているなら、韓国としても余計な話はできないでしょうし(それでもやるなら、それはそれで話題になりそうですが)。

4ヶ国首脳会談について日本政府は『まだ何も決まっていない』としているし(すなわち、本件そのものが事実でない可能性もあります)、本当に会談が開かれるのかどうかも分かりません。なのに、これを事前に『提案を受けて検討中』と話していいのか、と。いくら匿名情報とはいえ、SBSなど地上波を含めて多くのメディアが同じ内容のニュースを出しています。これ、もし4ヶ国首脳会談が開かれなかったら、『韓国が同意しなかった』という流れになるのでは。

 

ひょっとして、『日本側から提案があった(えっへん)』したくて、何も考えず情報流してしまった・・とか、そんなオチではないでしょうか・・まさかとは思いますが。尹政権は、『米国と親しくなりたい』とアピールしてはいますが、同時に『中国と離れたくない』と思っていることも、バレバレですから。私なら『ああ、尹大統領が同意しなかったか』と思うはずです。私の心が曇っているだけかもしれませんが・・

日本としては、韓国と首脳会談を見送るのは当然のことです。しかし、米国など、他の国々から見ると、どうなのか・・という問題もあります。こんなふうに場を用意して、これで『日韓首脳も顔を合わせて、自由で開かれたインド太平洋問題で異見一致した』というマニュアル的な名分を狙っているのかもしれません。気持ちだけだと「今の状況で、韓国入れて4カ国でやる必要があるのだろうか」とは思いますが、そこまで反対するほどのことでもないでしょう。NATO首脳会談全体においても、意味のあるイベントになるでしょうし。多分。

 

 

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