6月20日、日本がNATO首脳会談招待された4ヶ国(日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド)に首脳会談を提案し、韓国大統領室も検討しているというニュースが流れました。本ブログでも同日、お伝えしてあります(過去エントリー)。
当日は、韓国では結構大きなニュースでした。各メディアが速報を出し、特に大統領室関係者が「検討している」と話してからは確定したかのような内容の記事(まだ確定したとは誰も言っていません)が溢れ出ましたが・・
なんか、翌日は急に静かになり、今日もこれといった新しい内容の報道はありませんでした。多分、本エントリーで紹介するヘラルド経済の記事が、その原因かもしれません。そう、韓国側のメディアからも、やっと出るようになりました。あまりいい話ではない(かもしれない)、という分析が。
記事は、日韓関係改善を望んでいる米国を意識し、岸田総理がこのような(韓国としては『首脳同士で会った』以上の成果が出せそうにない)イベントを演出し、また、それで日本の存在感を強調しようとしている、と書いています。AP4(招待された4ヶ国)を日本が束ね、主導権を握ろうとしているのだ、とも。以下、<<~>>で引用してみます。
<<今月末、スペインマドリードで開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議をきっかけに、韓米日3カ国首脳会談、米国と「アジア・太平洋4カ国(AP4・韓国、日本、オーストラリア、ニュージーランド)」など5カ国首脳会談の可能性も出てきた・・・・尹錫悦(ユンソンニョル)大統領としては、岸田総理と『会った』以上の成果が出せるか注目される。
関連報道は日本メディアが先制的に出している。日本NHKとTV朝日など日本メディアは21日、岸田首相がNATO首脳会議の期間、韓米日3ヶ国首脳会談を推進していると報道した。さらにオーストラリアとニュージーランドを含め、5カ国首脳会談も検討するということだ。これに先立ち、日本読売新聞はAP4首脳会談の可能性を報道し、大統領室は日本の提案を検討していると明らかにした。
NATO非会員国であるAP4国家とNATOの核心同盟国である米国との、様々な方式の首脳会談を日本が主導している模様だ。日本メディアは、「インド・太平洋安全保障環境」、「中国の進出強化」、「北核対応」など、議題まで明示している。これまで米国を中心に関係国との両者同盟(Hub&Spoke・ハブ&スポーク)形式につながってきたAP4国家が、「小規模集団安保体制」に縛られる動きであり、初期から日本がこれを主導する意欲を示しているものだと思われる・・
・・(※またいつもの参議院選挙があるから~という話の後に)だからって、岸田総理は日韓関係おいて何もしないわけにもいかない。米国が安保と経済分野で韓米日三角協力を重視している状況で、ジョーバイデン米大統領の韓国と日本の訪問以降、外交、安保分野で韓米日共同対応の回数も増えている。韓米日三角同盟の核心は韓日関係の改善だ。ユン大統領が日本との関係改善の意志を強調する中、岸田首相も米国が気になるしかないだろう。
米国の立場では、ロシアに対抗して強力な同盟で集まったNATO首脳会議にAP4を招待したのに続き、別の会談が開催されれば、NATOには「中国牽制」、AP4には「ロシア牽制」メッセージを入れることができる。ここに、日本としては韓日の間の懸案については、他の接点を探すための多国間協議で避けて通る戦略をとりながら、インド・太平洋地域の主導権を確実につかむことができるわけだ・・>>
単に『首脳会談提案があったぞ(えっへん)』とするよりは、マシな分析かもしれません。しかし、例の懸案とやらを、物事の中心として考えるのはさすがにどうかな、としか。そこが限界かもしれません。日本にとっても米国にとっても、韓国との関係は、もっと広い関係の中に含まれているだけです。
次の更新は、明日の11時頃になります。更新回数はまだまだ臨時緊縮運営となりますが、せめて、1日1~2回はちゃんと更新したいと思っておりますし、大まかな次の更新時間はお知らせするつもりでおります。まことに申し訳ございませんが、来月中にはまたいつもの更新ペースに戻せるよう、頑張ります。
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