ユンソンにョル大統領自ら話し、5月再開だの、6月15日再開だのといろいろ話があった羽田金浦路線。どうやら、今月末に再開が決まったそうです。1週間に8回往復で、一時に比べるとかなり便数は少ない方ですが、これは入国できる人の数が制限されているので、いまはどこの便もこんなものでしょう。
当初の予測とは違い、なかなか再開されなくて、韓国側は「参議院選挙があるから」という記事まで出しましたが、実は1週間前に日本側から検査チームが来て、金浦空港で現地調査とかもした、とのことでして。日本としては急ぐ必要もなく(外国からの観光客数に制限もありますし)、だからといってわざわざ再開しない理由もなかった、といったところでしょうか。
韓国メディアの殆どが「関係改善の信号弾だ」とする趣旨でこの件を報じています。でも、一部、『大事なのはそこではない』という、多少は現実的な見方をする記事もあります。ちょっと意外ですが、聯合ニュースもまた、同じ記事を出しています。人的交流が増えるのはいいことだけど、関係改善において重要なのは、各懸案の解決であり、路線再開ではない、というのです。
人的交流が『増える』のは、日本側が観光客の数をどうするのかにかかっているでしょう。新型コロナ禍さえ収まれば、別に枠を拡大しない理由もありません。だから聯合ニュースのような指摘は、他のメディアよりは現実的な見方だと言えるでしょう。ただ、「じゃ、どうすればいいのか」については、やはり何も中身がありません。以下、<<~>>が引用部分となります。
<<韓日当局が、新型コロナ(コロナ19)で2年3カ月間中断されていた金浦~羽田航空路線の再開日程に合意したことで、関係改善の流れに肯定的な要因として作用するか注目される。国土交通部と外交部、文化体育観光部は、金浦羽田路線を今月29日から週8回往復運航することで日本側と合意したと、22日明らかにした。
金浦羽田路線はソウルと東京を結ぶ人的交流の核心インフラだ。この路線が再開されると、コロナ19事態と韓日関係の雰囲気などで萎縮されていた両国の人的交流が再活性化される効果があると見られる。ただし、人的交流が復元されても、両国間の政治的懸案とは別に見なければならないと指摘されている。韓日関係が本格的に解決するには、結局は、両国の間で問題になっている各懸案が解決されなければならないと見られる。
韓日は、尹政権発足直後、各外交チャンネルを素早く再稼動し、関係改善議論にスピードを出したが、最近は来月10日の日本参議院選挙を控えて、やや鈍くなっている。もっとも大きいのは、現金化問題だ。日本は現金化の可能性に強く反応しており、この件での進展を前提条件としている。今月29~30日には北大西洋条約機構(NATO)首脳会議をきっかけに韓日首脳が何らかの形で対面するものと見られるが、現在の状況では首脳間対話で突破口が開ける可能性は制限的だ・・
・・外交部は、現金化問題を議論するための民・官機構を発足するため、参加者の人選など準備を進行中だと分かった。この機構を通じて、被◯者をはじめとする各界の立場を聞き、解決の糸口になる共通分母を模索するという方針だ。民官機構などによる議論が問題解決につながるためには、最終的には国民世論の支持を得ることも重要であるとみられる。チェ・ウンミ牙山政策研究院の研究委員は「公開する部分を透明に公開し、過程を共有し、世論を収束していく過程が必要だ」とし、「焦らず推進する必要がある」と話した・・>>
他にも、「やはり、懸案の解決が必要だ」とする記事はいくつかありますが、じゃ、なにをどうすればいいのか、そんな内容はありません。それはそうでしょう。日本側が言っている『国際条約を守る』以外に手がないのに、韓国側は現状『守っていない』自体を認めていません。だから解決策など書けるわけも無く。
韓国側が『解決策』のためにいろいろ話し合うというなら、それはそれで、やればいいでしょう。ただ、重要なのは、それらはすべてが韓国の『国内問題』であることです。誰と会って、どのようなことを話し合うのか、それは韓国政府の仕事です。しかし、その結果として出てきた案について日本側の『採点』がどうなるのかは、それはまた別の問題です。それが『国家間の約束』である条約や合意において矛盾しない内容なのか。日本が判断する基準はそれだけでいいでしょう。
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