ペロシ米下院議長が台湾を訪問したことで、大きな話題になりました。中国の空母が出港したとか、台湾の空港で◯破の予告があったとか、いろいろ。今朝になってみれば、中国は軍事演習を始めたそうですが、ペロシ氏は無事台湾に到着したそうで、なによりです。
ペロシ氏のそれからの日程は、韓国を訪問し、日本を訪問します。ですが、ちょっと「あれ?」なことがあったので、紹介したいと思います。東亜日報など各メディアの報道によると、ペロシ氏は米国で大統領、副大統領に次ぐハイレベル。2015年に訪韓したときには、当時朴槿恵(パククンへ)大統領と、尹炳世(ユンビョンセ)外交部長官(外相)と会いました。今回、訪日した際にも、岸田総理と会うのではないか、という報道も出ています。彼女の台湾訪問は、大きなイベントでしたから、その経緯と結果などを説明するという側面からも、そうなる可能性は十分あるでしょう。
ですが、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領も朴振(パクジン)外交部長官も、留守です。各メディアも、「だから、ペロシ氏とは会いません」と報じています。まだ『会わない』と決まったわけではなさそうですが、多くのメディアにこんな記事が流れているのは、そういうことにしたいという大統領室側の考えが現れているのかもしれません。尹大統領は休暇中で、パク長官はASEAN地域フォーラム(ARF)に参加するためにカンボジアに行っています。ARFには世界中から外相が参加するし(林外相も参加します)、前から決まっていた日程だろうから、仕方ないかもしれません。でも、『休暇』となりますと、微妙です。
単に「休暇中でも会え」と言いたいわけではありません。それ以前の問題です。これ、ペロシ氏が訪韓すると事前に日程の相談がなかったのでしょうか。ペロシ氏の台湾訪問は、急に決まったわけではありません。韓国大統領の休暇は、欧米に比べると短いほうです。夏に1週間だけです。日程の調整は十分できたのでは。心が曇っているせいか、私にはどうしても「わざとこういう日程にしたとも思えないが、そもそも会う『つもり』が無かったのでは」に見えます。それに、今回は『日程を変更して、家で休むことにした』と発表されています。支持率が急落などで、家で大人しく過ごすことにした、と。家にいるなら1時間ぐらいペロシ氏と会って話を聞いてもいいのでは・・な気もします。
本ブログでもお伝えしましたが、最近、尹政権では中国関連で妙な発言が相次いでいます。与党の重鎮議員が「中国が加入できないグループには韓国も加入しない」と話したり、尹大統領自ら「中国が誤解しないように積極的な外交を」と外交部に特別注文を出したり、「経済のためなら大統領はどこにでも行く(訪中?)」と話したり。パクジン外交部長官は、今月中に訪中し、中国と外相会談することが決まっています。こんな中、ペロシ氏と会っただけでも、外相会談のときに、中国からこう言われるでしょう。「公開してない部分で、何を話したのか」と。こんな中、大統領が台湾を訪問したペロシ氏と会わないという報道。この流れは、本当に偶然が重なっただけでしょうか。韓国側のメディアも、尹政権が悩んでいるようにみえる、というニュアンスを報じています。以下、東亜日報、<<~>>が引用部分となります。
<<・・ナンシー・ペロシ米下院議長が、台湾訪問直後に韓国を訪れると伝えられ、政府は米中関係など状況を注視している。政府は米国立法部の首長であり、大統領・副大統領に続く米国内権力3位のハイレベルの訪問であるだけに、「丁寧に、必要なものがあれば積極的に支援する」という方針だ。ただし、フェローシ議長の訪韓中、台湾問題などが公開的に取り上げられる可能性もあるだけに、これを懸念する声も出ている・・・・尹錫悦大統領、朴ジン外交部長官との出会いは実現しにくいとみられる。ユン大統領は休暇中で、朴長官はASEAN地域安保フォーラム(ARF)出席車カンボジアに出国したためだ。
ペロシ議長は2015年に訪韓した時は、当時朴槿恵大統領と尹炳世外交部長官、ジョンイファ国会議長などに会ったことがある(※今回はキムシンピョ国会議長とだけ会う、と報じられています)。2日、政府高位関係者は通話で、「韓米関係強化を基調に掲げたユン政権が、ペロシ議長との出会いを避けたり、消極的に出たりはしない」と話した。ただ、政府は対中関係も意識せざるを得ないため、状況を見守り、私たちのメッセージなどを最終整理すると伝えられた(東亜日報)・・>>
いや、避けないって、休暇中だから会わないという記事で溢れていますが。これは、カン・インソン大統領室スポークスマンが話した内容ですが、休暇中の尹大統領はこれといって仕事はせず、「散歩や映画などで時間を過ごしている」、とのことです。支持率なども気にして、家で休むこと、家で映画見るなどでまたもや「庶民っぽさ」を出そうとしているのかもしれません。
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