安倍元総理の国葬、韓国からの弔問団は国務総理と国会副議長・・現金化解決法については『今回は用意できていない』

9月27日に予定されている安倍元総理の国葬に、韓国からも弔問団が訪日する予定です。いまのところ、ハンドクス国務総理と、ジョンジンソク国会副議長が参加する予定だとのことです。鄭鎮碩(ジョンジンソク)氏は何度も日本に来たことがあり、4月に訪日したときにも、政策協議団のリーダーとして、安倍元総理と会ったことがあります。

7月に尹錫悦(ユンソンにョル)大統領が、駐韓日本大使館で弔問したときにもそうでしたが、弔問団を派遣することそれ自体に反対主張もあります。ただ、事件当時に比べると韓国内ではそこまで大きな話題になっているわけでもなく、その分、ユン政権としては動きやすくなった側面もあります。各メディア、少なくともある程度大手のメディアもまた、主張をあまり表に出さず、迂回的に書いたり、『慎重に(具体的には書いてない)』と書いたり、なぜか『北朝鮮がユン政権の弔問団の派遣に強く反発している』と各紙が一斉に報道したり、そんなところです。ネットメディアなどは、もっと分かりやすい記事も結構出していますが。

 

そんな中、一部のメディアが、現金化問題など、懸案について何か『弔問以外のもの』を持っていくのか、そんな側面から記事を載せています。前にもお伝えしましたが、本当は19日が最高裁の判断期限でした。でも、何の判断もありませんでした。表向きには『保留判断ではなく、判断保留』ということでした。それでも各メディアは「担当の最高裁判事が9月4日で任期が終わるので、今月中には何かの結論を出すのではないか」という予想を出していましたが、それからは、また一部のメディアが「事実上の『保留』でしかなく、このまま長期化するのでは」という予想を出したりしました。そもそも、担当判事の任期に合わせて何かを決定するというのは、慣例でもない、とのことでして。

そういう報道が相次いだからか、やっと、韓国メディアからも『もうあまり時間がない』とする趣旨の記事が出るようになりました。しかし、外相会談だけで3回もあったものの、何の進展もなし。いまのところ、日本は『一貫した立場に基づいて』おり、ユン政権は明らかにとまどっています。大統領候補出馬宣言のときからずっと言っていた『グランドバーゲン(一括妥結)』なども、最近はあまり言わなくなりました。そこで、今回の弔問団が、いわゆる『弔問外交』の拡張版として、現金化に関する何かの『案』を持っていくのではないか、そんな推測が出ていたわけです。

 

弔問団の一員で、多分リーダー各になると思われますが、ハンドクス国務総理が、「今回は、弔問することと、機会があれば『未来志向』と伝えるだけ」としながら、「(案は)まだ用意できていない」と話しました。聯合ニュースなど、複数のメディアが報じています。繰り返しになりますが、最高裁の判断は19日予定でした。もし判断保留とならなかったら、この人たち、どうするつもりだったのでしょうか。これから発言を紹介しますが、かなり『のんびり』モードです。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・ハンドクス首相は25日、現金化解決法と関連し、「ベースからじっくり固めるべきだと思う」と話した。来る27日、日本で行われる安倍晋三元日本首相の国葬に出席するハンドクス総理はこの日、政府ソウル庁舎での記者団との懇談会で、「国葬には参加すると聞くが、懸案と関連した解決法を持っていくのか」という記者の質問に、「交渉を終わらせる段階ではない。今回27日、安倍元首相の葬儀に参加するが、その件を解決する段階では、おそらく、ない」としながら、このように明らかにした。

総理は、「外交部の公務員を中心に、まず内部的な立場がもっと決まらなければならず、官民合同委員会も作っただけに、当事者の理解もモニタリングしながら、政府としてできることをよく考えて、ベースから、外交部長官を通じて、そうしなければならないと思う」と話した。続いて「最後には、両国の首脳同士、最終的な、未来に向けた一つの良い決定、そんなことを、公開する役割をしなければならないだろう」とし「しかしまだそんな段階ではない」と付け加えた(聯合ニュース)・・>>

 

他にも、「もし機会があれば、ユン大統領が強調する未来志向のメッセージなどを伝えたいとおもう」と話したり、「今回は弔問以外に他の計画はないのか」という質問にあっさり「今のところ、ない」と答えたり、例えば総理と面談するとか、そんな計画は決まっていないようです。もし会えたとしても、期待できそうな内容は持っていないようですし。

最後に、ちょっと私見ですが、この記事、題などで『時が来れば、両首脳が最終決定を公開』を強調しています。聯合ニュースだけでなく、他のメディアも似たような趣旨の題が目立ちます。よくわかりませんね。『両首脳』という単語を強調して、なにかうまくできつつある、というニュアンスにしたいのでしょうか。首脳会談すればなんとかなる、を前提にしていたグランドバーゲン構想。その単語を目にする機会は減りましたが、考えていることは、あまり変わっていないようです。そもそも、『弔問』団だから、弔問すればそれでいいでしょうが。

 

 

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