尹錫悦(ユンソンニョル)大統領のイギリス・国連総会・カナダ訪問は終わりました。でも、例の発言について「それはバイデン大統領や米議会に対するものではない」としながら、「真相調査」に乗り出すと話すなど、まだまだ騒ぎが続いており、野党側との対立はさらに強くなると思われます。発言そのものより、その発言を米韓同盟にダメージを与えるために利用している勢力があるかもしれない、というのです。
さて、このように、国内では本件がまだまだ長く続きそうですが、外交というか、日米関連だと、もう韓悳洙(ハンドクス)国務総理と岸田文雄総理の面談、そしてカマラ・ハリス副大統領と尹大統領の会談が『主なイベント』になるでしょう。本エントリーではハリス副大統領のことがメインになりますが、両方、安倍元総理の国葬に関わります。副大統領というのは、『大統領に代わって他国を訪問するのがもっとも重要な仕事』とされています。いわゆる儀典序列2位、No.2を維持しているのも、そのためだとされています。尹大統領の就任式に副大統領が参席するとしながら、複数のメディアがそう報じていました。実際に参席したのはハリス氏の夫でしたが。
この前、No.3とされるナンシー・ペロシ下院議長と会合しなかった尹大統領としては、いろいろ挽回できるチャンスではないか、と言われています。今回、バイデン大統領との約1分間の歓談で、『インフレ抑止法や金融安定のための協力や北朝鮮問題などなどなどについて話し合った』とする謎の発表があっただけに、なおさらとも言えます。ハリス氏は安倍元総理の国葬に弔問するために来日、4泊し、帰りの日に訪韓、尹大統領と面談、そのまま日帰りで米国に出発する予定です(9月初の記事による情報です)。ハンドクス国務総理もまた、安倍元総理の国葬に弔問するために来日します。一部では岸田総理との面談が調整されているとの報道もあったし、弔問に来ただけに、挨拶ぐらいな『自然な形』でできるでしょう。でも、ニューヨークでいろいろ『不自然な形』での懇談があったので、面談が成立するのか、まだ確定ではありません。
そのハリス副大統領と尹大統領の面談(表敬訪問とも会談とも、各記事ごとに表記が異なりますが、一応こう書きます)のことですが・・早くも、ホワイトハウスと尹大統領のスタンスに温度差が感じられています。まずホワイトハウス側は今回の面談について、『台湾問題と、北朝鮮問題などについて話し合う』と話しました(24日、聯合ニュース)。尹大統領としてはインフレ抑止法(電気車補助金)などについて話すつもりのようですが、やはり米国副大統領が日本、韓国を訪れるとすると、台湾問題がメインでしょう。特に、台湾を訪問したばかりのペロシ議長が尹大統領と面談できなかったこともありますから。ちなみに、ハリス副大統領は日本でもハンドクス国務総理と会談する予定です。
最近、北朝鮮のミサイル発射が相次ぐなどタイミング的にも、そして米韓同盟的にも、北朝鮮や安保関連を強調したのも納得できます。ですが、JTBCなどの報道によると、尹大統領は、CNNとのインタビューで、『有事の際、(台湾を助けようとする)米国を支援するのか』というストレートな質問に、『私たちとしては、台湾より北朝鮮が最優先』と答えました。『それは、台湾より韓国を優先してほしいという意味ですか』というCNNの質問には、ちゃんとした返事をしませんでした。以下、各紙、<<~>>で引用してみます。
<<・・バイデン政権の高位当局者は「ハリス副大統領は、尹大統領と会動で米韓同盟の重要性を強調し、北朝鮮問題、台湾海峡の平和と安定の重要性について議論する予定」とし「両国間さらに拡大する経済・技術協力と地域・グローバル懸案についても議論する」と話した・・・・この高位当局者は、ハリス副大統領が両国政府と、特に台湾問題について話すだろうと説明した。彼は「米国が台湾問題にアプローチする方法において、パートナーと同盟との協力が重要だ」とし「日本と韓国も台湾に多くの利害関係がかかっており、私たちと同盟の立場が一致すると考えている」と言った(聯合ニュース)・・>>
ちなみにこの当局者は、今回のハリス副大統領氏の日程が日韓関係改善に役立つのかという質問には、『私たちが関わる問題ではないが、両国首脳の努力を指示する』とだけ答えた、とのことです。このように、ホワイトハウス側は明らかに台湾にフォーカスを合わせていますが・・CNNとのインタビューで尹大統領はこのように話しました。
<<・・尹大統領がCNNとのインタビューで、我が国としては台湾問題より北朝鮮核問題が優先だと述べました。訪韓予定のカマラ・ハリス米国副大統領とも、やはりこの問題を議論することになると思われます。CNNは尹大統領とのインタビューで、『中国によるが台湾の有事の際、米国を支援するかどうか』を尋ねました。尹大統領は『もしそんなことになったら、北朝鮮も動く可能性が高いため、大韓民国としては、強力な韓米同盟をもとに北朝鮮に対応することが最優先の課題になるのではないかと思います』と答えました。直接的な台湾軍事支援については言及しなかったわけで、我が国の立場としては、台湾やウクライナ問題より、北挑戦核問題が最も深刻だと言いました。
『米国が台湾より朝鮮半島を優先視すべきだという話なのか』という質問にも、即答を避けました。『私が、アメリカがどちらを優先するのか答えるのは適切ではありません。朝鮮半島と台湾の両方ともにアメリカにとって重要です。どちらも米国と同盟国とパートナー国によって守られるでしょう。どちらも非常に重要です』。去る8月、ナンシー・ペロシ下院議長の件が、中国のためなのかという質問も出ました。尹大統領は『国会議長の招待で訪韓したペロシ議長と、休暇中の大統領が面談すべきかについて、様々な意見があった」、「ペロシ議長も個人的な休暇の重要性を知っていて、電話で理解した」と話しました(JTBC)・・>>
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