麻生太郎副総裁の訪韓関連記事・・面談は1時間、公式発表は3行だけ

昨日に引き続き、麻生太郎自民党副総裁の訪韓関連情報となります。まず、『あまり話題にならなかった』というのが第一印象です。なにせ、聯合ニュースの推定だと面談時間は約1時間(麻生副総裁が尹錫悦大統領との面談のために庁舎に入った時間から出てきた時間まで)あったのに、公式発表は3行だけで、しかも現金化関連内容は無く、『民間交流』としての側面を強調する内容でした。これだと、あまり盛り上がることもないでしょう。他に、個人的な考えではありますが、事前に報道された日韓両側の記事が、少なくとも今の時点では、連続で外れたことも、理由の一つではないでしょうか。

例えば、「特使として」「岸田総理の親書を持ってくる」などの記事があって、結構人気(?)でした。なんというか、特使とか親書とか、そういうの好きですから、韓国外交は。しかし、副総裁の訪韓の前に松野官房長官が『特使ではないし、親書も持参していない』と話し、実際、尹大統領との面談の際に親書はなかったとのことです。また、朝日新聞が副総裁訪韓のタイミングで報道した『既存の代位返済案が有力で、日韓合意により日本が出捐した資金を利用する案も動いている』という内容についても、外交部当局者は『一つの案で話している状況ではないし、出捐金を利用する案も検討していない』と話しました。ここまで次々とはずれると、さすがに多少は控えるようにもなるでしょう。

 

この流れは、10月23日に共同通信が「日韓両側が、基金案を本格的に議論中。11月に首脳会談、年内の合意を目指す」という記事を出してから、ずっと続いています。繰り返しになりますが、『あくまで今の時点』ではありますが、これもはずれました。聯合ニュースが大統領室に問い合わせた結果を、朝鮮日報が外交部の公式ブリーフィングを記事にしましたが、基本的には『何も決まったことがない。G20などをきっかけにしての首脳の会同も、全く予想しておらず、議論を始めたわけでもない』な内容でした。また、一部のメディアは、麻生副総裁はいままで強硬な発言が報じられてきたため、大統領室側としても、あまり大きく取り上げてほしくなかった、そんな理由もあるのではないかと指摘しています。それでは、以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は2日、龍山大統領室庁舎で日本自民党副総裁である麻生太郎元首相と非公開で会同し、民間交流活性化を強調した。尹大統領はこの日午後、日韓協力委員会会長の資格で訪韓した麻生太郎元首相と面談したと、大統領室の副スポークスマンが書面ブリーフィングで伝えた。韓日協力委員会のパートナーである日韓協力委員会は、1965年の国交正常化以後、民間レベルの対話窓口が必要だという認識に基づき、1969年に公式に設立された団体だ。尹大統領は、該当委員会の役割を評価し、両国関係の発展を図ることができるように、民間交流の活性化に寄与してほしいと要請した。麻生元首相は両国間で対話と協力が持続しなければならないとし、両国関係の早急な復元と発展のために努力し続けると述べた。

麻生元首相の大統領室到着・出発時間を考慮すると、面談は約1時間以上進行されたものと見られるが、実質的な内容は「尹大統領外交歩行関連書面ブリーフィング」の中で、3つの文章だけで簡単に言及された(※大統領室ホームページで確認しましたが、上記の「面談した事実(委員会の簡単な説明・評価も)」、「民間交流~」、「努力し続けると話した」でした)。書面ブリーフィングには含まれていないが、現金化関連や、多国間協議をきっかけにして開かれる可能性がある日韓首脳会談に関連して、一定の言及もあったものと思われる。日本メディアは関連報道で、現金化と北朝鮮ミサイル問題、首脳会談開催などが議論されただろうと予想した・・

 

・・共同通信は「麻生元首相が岸田首相の意向に基づいて今月首脳会談を開催する環境整備のために努力したものと見られる」と伝えた。朝日新聞と共同通信は、首脳が今月参加する予定の国際会議を契機に両国間首脳会談が開かれる可能性があると見通した。共同通信は「今月、カンボジアで開かれるアセアン(ASEAN・東南アジア国家連合)首脳会議とインドネシアで開かれる主要20カ国(G20)首脳会議に合わせて首脳会談を開催することが有力だ」と伝えた。

朝日新聞も「岸田首相とユン大統領が今月、ASEAN首脳会議、G20首脳会議、アジア太平洋経済協力体(APEC)首脳会議に参加する予定で、会談を調整していると報道した。朝日は「現金化問題は解決されなかったが、北朝鮮情勢などを考慮して両国関係をさらに改善する必要があると判断した」と説明した。朝日はただ「自民党保守派などの反発が予想され、会談の実現は依然として流動的で、首脳会談ではなく懇談や、立ち話を交わす形式になる可能性もある」と予想した。また、「ユン大統領も転倒事故の対応に追われており、調整は容易ではないと見られる」と付け加えた。日本政府のスポークスマン松野博一官房長官はこの日定例記者会見で、「現時点で首脳会談については何も決まっていない」と明らかにした(聯合ニュース)・・>>

 

あと、引用部分にはありませんが、今回の面談で例のソウル転倒事故についての弔意表明などは無かったとのことです。正式に弔問する日程(合同焼香所での献花)があったから言わなかっただけかもしれませんが、約1時間もあったのにこの内容が無かったというのはちょっと意外です。

 

 

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