岸田総理の歴訪関連で、いまだ一部の韓国メディアは「防衛力増強で、どれぐらいの支持を得ることができるのか」という記事を出していますが・・現実は現実のままに動いています。フランス、イタリア、イギリスでも相応の成果がありましたが、特に日米安保関連で、昨日から多くの記事が出ています。朝鮮日報、グローバルエコノミックなどの記事によると、沖縄に対艦ミサイル能力を備えた部隊を配備する、自衛隊が2027年まで「常設統合司令部」を作ることに合わせて、作戦指揮権を、日本内の在日米軍にも与える(現在はハワイにあります)ことまで考えている、例のトマホークミサイル販売が確定した、などなどです。
特にグローバルエコノミックというメディアのワシントン特派員が詳しく伝えていますが、これは日米同盟の、もう一つのレベルアップになる、とのことでして。記事によると、いまのところ在日米軍司令部は事務的なこと、在日米軍地位協定の調整などを担当しているものの、日本に駐留した米軍部隊の運用・作戦指揮権はハワイにあるインド・太平洋司令部が行使することになっている、とのことです。いままで日米同盟の内容は何度かアップグレードされてきたものの、このことはさほど変わらず、日本の米軍の陸・海・空軍・海兵隊の間の連携が不十分ではないのかと指摘されてきた、とも。
ここに決定的な変化を促したのが、自衛隊の常設統合司令部計画です。この前の「反撃能力」の明記の際に、安保文書に反撃能力が明記されましたが、それとともに自衛隊の陸海空戦力の「常設統合司令部」計画も明記されています。米軍もまたそれに合わせて、作戦指揮権を在日米軍に与え、自衛隊との連携をもっと効率的に行うようにする、そんな動きになったわけです。記事は、岸田総理とバイデン大統領が今回の首脳会談で、の「日米同盟の格上げ案(原文ママです)」に関する共同立場を発表する予定だ、としています。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。
<<・・米国と日本が、在日米軍と自衛隊間の軍事協力体制を一元化しようと韓米連合司令部をモデルにした「日米連合司令部」創設を推進していると、ウォールストリートジャーナル(WSJ)が11日(現地時間)報道した(※一応直訳しましたが、韓国軍は戦時作戦統制権を持っていないので、モデルにはなってないのでは?)。AP通信は「米国と日本が、北朝鮮と中国に対応できるよう、日米共同防衛指針(ガイドライン)を改正する」と伝えた。WSJはまた、日本が有事の際に北朝鮮と中国を直接打撃できるように、米国がトマホークミサイルを日本に販売することにした、とも報じた。
ウォールストリートジャーナルは「日本が新しい戦略の一部として、米国と連合司令部を創設しようとしている」とし「(米日)両側が両国軍の新しい指揮、統制体制を構築しようとしている」と伝えた。 WSJは「日本には、韓米連合司令部のような統合指揮体系がない」と指摘した。日本の毎日新聞は先月末、米国インド・太平洋司令部が在日米軍司令部に陸・海・空軍を統合運営できる指揮権を付与する案を推進すると報道した。日本の自衛隊が2027年までに陸海空部隊運用を一元化する常設統合司令部を設置する方針を定めたことで、米国インド・太平洋司令部が在日米軍にも指揮権を付与し、平時でも日米部隊運用の連携を円滑にしようという意図だと伝えた(グローバルエコノミック)・・>>
<<・・米国と日本が、11日(現地時刻)ワシントンDCで外交・国防長官(2+2)会談を開き、北朝鮮・中国・ロシアの脅威に対抗して防衛力を強化することに合意した。就任後初めて米国を訪問する岸田文雄日本首相とバイデン米国大統領の日米首脳会談(13日)の前に、北朝鮮、中国、ロシアを意識した共同戦線を強化する形である。米・日はこの日の会談で、陸・海・功とサイバー空間、宇宙にわたるすべての領域で協力を深めることとし、宇宙空間での攻撃に対しても日米間相互防衛義務を規定した安保条約5条を適用することにした。また、米日は有事の際に日本を守るために沖縄駐留米海兵隊を「海兵沿岸連帯」に改編し、最先端の情報・偵察と対艦ミサイル発射能力を備えるようにすることに合意した。沖縄と台湾の位置(与那国から台湾まで111km)を考慮した時、中国の潜在的挑発に合わせた措置だと思われる(朝鮮日報)・・>>
「海兵沿岸連隊」とは、NHKによると、対艦ミサイル能力を備え、離島での有事の際にミサイルによる交戦が想定される域内で活躍する部隊で、小規模に分散して展開し、敵の艦艇などを防ぐのが役目で、去年3月、ハワイに初めて発足された部隊だそうです。そういえば、尹大統領が『日本の防衛力増強は仕方ないことだ』としながら、朝鮮半島内の戦術核兵器配置(尹大統領は前からこれを主張していますが、米国からこれといった返事はありませんでした)についてもまた言及しました。こういう日米の動きに合わせての発言でしょうか。それとも、「じゃ、韓国には戦術核兵器をくれ」という意味だったのでしょうか。
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