先日、本ブログでも取り上げたことがありますが、貿易収支、特に半導体関連でまだまだ多くの記事が目立っています。これまた何度か取り上げましたが、ちょうど「日米台の半導体協力が凄い」「チップ4が始まるとして、そこで韓国の役割は何なのか」「メモリー分野では中国と技術力の差が急激に縮まっている」「これからはファウンダリーなどが主流になるだろうけど、うまくいかないでいる」などの記事が各メディアから相次ぎました。特に日台協力に注目する記事はほぼすべてのメディアが記事にしていました。
そんな中で、サムスンの半導体関連営業利益が97%減少し、SKハイニックスは赤字転落。1月(10日まで)貿易収支ではなんと半導体分野で貿易赤字(システム半導体はほぼ輸入)になったわけだから、それは、ま、話題にもなるでしょう。ビジネスウォッチというネットメディアの記事ですが、それでも減産及び設備投資の縮小はないと主張するサムスンについて、いくつかのサムスン側の発現を分析し、「自信の現れである」としながらも、「実は迂回的に減産するしかない。でも、それを言うと、現状に耐えられないと認めるようなものだから、言えないでいるだけ」とする記事を載せました。以下、<<~>>が引用部分となります。
<<・・しかし、市場では、サムスン電子が「人為的減産はしない」と言いきったものの、自然的、技術的減産はあると予想しています。サムスンの副社長も「最高の品質とライン運用最適化のために生産ラインメンテナンス強化と設備再配置などを進め、未来先端ノードへの転換を効率的に推進している」とし「この過程で短期区間な意味で、ある程度の規模のビットグロース(bit growth・ビット単位に換算したは藍の生産量の増加率)の影響は避けられないと予想される」と話しました。
サムスン電子は今年、昨年水準の施設投資を維持すると発表しました。通常、施設投資を行うと、生産設備の再配置とラインメンテナンスの強化、R&Dの生産余力拡大に入ります。製品生産ではなく、その余力を開発にまわし、自然に生産を減らす効果をもたらします。サムスン電子としては「人為的な減産はしない」という言葉を守るとともに、実質的には製品生産量を減らすことができるわけです。
イ・スンウ、ユジン投資証券研究員は、「意味のあるレベルでビットグロース影響が避けられないという言葉は、減産を減産と言えないサムスン電子としては、事実上の減産を迂回的に表現しただけ」と明らかにしました。 ファン・ミンソン、サムスン証券研究員も、「ライン運用最適化とメンテナンス強化とは、機器を一定期間停止しなければならないので、稼働率と生産が減ることになる」とし「エンジニア・ランと設備投資のR&D比重増加は、量産ラインではなくR&Dラインの生産能力が増え、それだけ生産が少なくなるという話だ」と説明しました。
市場と業界では、サムスン電子が実質的には減産に突入するけど、それを減産と言及しないことに注目しています。サムスン電子が減産を公式化することは、それすなわち現状に耐えることができないと自認するのと同じだからです。また、すぐに収益は出せるかもしれませんが(※減産すると価格が上がる)、長期的には市場シェアを失う可能性もあります。サムスン電子が減産を公式的に言わない理由です。「減産はない」というサムスン電子の自信。果たしてこの危機を突破する動力になるのでしょうか(ビジネスウォッチ)・・>>
記者さんは、まだ記者になったばかりの頃、先輩とともに企画財政部(日本の財務省のようなところ)を取材していたときのエピソードを紹介しています。なにがなんだか分からないので「昼は何にしようか」ばかり考えていたけど、そんな新入り記者にも不思議なことがありました。当時、為替レートが大きな話題だったのに、企画財政部側はブリーフィングなどで『介入は無い』と強く話していたことです。記者さんは先輩にその理由を聞いてみましたが、先輩はこう答えました。『介入するに決まっているだろう。そう言えないだけだよ』。当時のことが、『減産は無い』とどうしてもオーバーラップする、と。 今日の更新はこれだけです。次の更新は、明日(日曜)の朝11時頃になります。
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