つい昨日お伝えしたばかりですが・・韓国の代表的な庶民金融機関、『セマウル金庫』について、早くも続報がありました。セマウル金庫側も、管理機関の行政安全部も、資金の流動性には何の問題もないとしましたが、右側のネットメディア「ペンアンドマイク」の記事によると、なぜか一部の地域のセマウル金庫が、利子5%台の12ヶ月定期預金商品を複数販売した、とのことでして。最近、第2金融圏も、資金を調達するための費用増加、貸し出し金の回収リスク、上限金利(20%)の壁などなどで、5%台定期預金は異例なほど高い金利です。しかも、これは大邱という地域で目立っていますが、該当地域のセマウル金庫は、「ダイン建設」という建設会社へのプロジェクトファイナンス(PF)ローンを、回収できなくなったのではないか、と言われています。
昨日のエントリーには該当内容がありませんでしたが、実はこのセマウル金庫、プロジェクトファイナンスにおいてかなりの大手(貸すほう)でして。専門家たちは、『どうみても、PF関連で急に資金が必要になったとしか思えない』『これはこれでまたリスク追加』と指摘しています。米韓・日韓通貨スワップを持続的に主張してきたことで知られるキムデジョン セジョン大学教授は、すでに9000億ウォンの不良債権が発生したというデータもある中、セマウル金庫に何か問題が発生すると、その影響は大きいだろうとしながら、金融当局がもっと管理を強化すべきだと主張しました。現在、セマウル金庫は、金融当局ではなく行政安全部という政府機関が監督しています。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・大邱地域の一部セマウル金庫が、5%を超える定期預金特別販売を進めており、その背景に関心が集まっている。今年下半期、不動産市場に危機が来るという主張の根拠となっている「不動産PF」と関係していると分析される。不動産PF(Project Financing)とは、不動産開発プロジェクトから発生する将来のキャッシュフローを返済財源として資金を調達する金融システムをいう・・・・したがって、不動産PFは、施行会社(※プロジェクト総括会社)が不動産開発に失敗して返済できなければ、お金を貸してくれた金融機関が大きな影響を受ける。お金を貸した金融機関には、銀行はもちろん保険会社、証券会社、カード会社、貯蓄銀行などすべてが含まれている。
最近、不動産景気が沈み、金融機関は資金を回収できないリスクが大きくなっているが、そんな中、不動産融資市場の大手でもあるセマウル金庫が、建設・不動産企業に施行した融資残高は56兆ウォンを超えた。2019年末の27兆2000億ウォンより倍以上急増した。延滞金額は7000億ウォンから5兆2000億ウォンに7倍以上、延滞率は2.49%から9.23%に急騰した・・・・金融圏では、セマウル金庫の延滞率が9%台となり、資産安全性が低下するのではないかという指摘が提起されている・・
・・(※セマウル金庫中央会などから『問題ない』という説明があったという話の後に)このような中、セマウル金庫が5%台の定期預金金利で顧客資金を集めており、「もう一つのリスク」が提起されている。セマウル金庫が提示した5%の金利により、今後のリスクが高まるだけだという主張だ。満期12ヶ月基準、基本利率だけ5.3%を提供する・・(※商品名省略します)・・などが該当商品だ。0.3%優遇利率がついて、最高金利が5.5%を超える所も少なくない・・・・年5%台という異例な金利は、それだけのダメージを受けてでも急に現金を用意しなければならないほど、資金状態が急を要する、という意味だと解釈される。
年5%を超える商品を出したセマウル金庫9カ所は、ダイン建設事業場集団ローン問題で、資金を回収できなくなったとされている所だ・・・・56兆ウォンを超えたセマウル金庫の不動産PF規模は、115兆ウォンに達する第2金融圏全体の不動産PF規模の半分に相当すると推定される・・・・キムデジョン世宗大経営学科教授は「金融監督院の管理が必要だと見る」とし「9000億ウォン程度の不良ががあるという話も出ている状況で、庶民たちに最も近いとされるセマウル金庫が不実化すれば、その余波はとても大きいだろう」 と話した(ペンアンドマイク)・・>>
関連記事をいくつか読んでみて、第3金融圏(貸付業者)ならともかく、第2金融圏の話なのに、なんでこう『推定される』という話が多いのか、気になりました。PFが問題となったのは、もうずいぶん前からです。2008年リーマンショックが起きてからは、事実上、第1金融圏はあまり関わらなくなりました。それから第2金融圏が「チャンスだ」と積極的に関わるようになり、さらにリスクが高くなったと、結構騒がれたことを覚えています。にもかかわらず、まだまだ全体規模、懸念される規模、比較的安心できる規模(政府保証など)などのデータは出ていないのでしょうか。いつものことではありますが。
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