韓国の合計出生率、去年は0.78人になりました。すでに2000年に1.21まで下がっており、政府はこれまで約28兆円という金額を使って各種政策を施したものの、いまのところこれといって回復の兆しは見えていません。そして、最近は、小学校新入生の数が重要な指標として注目されるようになりました。今までも新入生の数が少なくなったというデータは記事になっていましたが、そろそろ、合計出生率低下の影響が本格的に表れてきたからです。そして、実際、今年、新入生が10人未満の小学校が、全体の約26%になりました。
今月になってから大手からネットメディアまで様々なメディアがこの件を記事にしていますが、なんというか、あまり話題にならないというか、そんな感じです。本エントリーは、ソンブク区都市管理公団理事長パククンジョン氏の、「毎日日報」の寄稿文をソースにしていますが、データなどは朝鮮日報などにも報じられています。その減少の勢い、スピードが早すぎで、もう驚きしかない、というのが主な趣旨です。今年小学校に入学した人数は、37万9373人。しかし、去年の新入生は42万1663人でした。今年小学校に入学した子は、2016年生まれで、2016年は新生児の数が40万人でした。しかし、2022年は24万9000人。理事長は、このままいけば、去年生まれた子供が小学校に入学する頃には、小学校の約半分は新入生が10人未満であろう、と予測しています。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・今年新入生をたった一人も受けられず、入学式もできなかった小学校が、全国で145校に達することが分かった。これは、昨年114校より31校、27.19%も増えた数値で、学齢人口減少が加速していることを示す。さらに、新入生が5人未満の学校も856校で、前年度776校に比べ10.3%、80校も増加した。10人未満に留まった小学校も、全国の小学校6,163校のうち25.75%の1,587校で、もう4分の1を超えた。これまでの合計出産率の推移で、推測はしていたものの、その数値は衝撃的だとしかいえない。
去る4月11日、国会教育委員会キムビョンウク議員が全国自治体の教育庁から「小学校新入生現況」資料を受けて分析した結果による・・・・実際に教育部推計資料によると、今年の小学校1年生の学生数は37万9,373人で、昨年に入学した(現在2年生)の42万1,663人より10.02%の4万2,290人も少ない。今年小学校に入学した児童たちは2016年生まれで、その年の出生児数は40万6,000人だった。その93.44%の37万9,373人だけ就学した。ところが、統計庁が2月22日に発表した「2022年人口動向調査出生統計(暫定)」を見ると、昨年出生児数は24万9,013人にとどまった。2021年26万600人より、4.4%の1万1500人も減少した。
心理的に最低ラインとされていた「25万人ライン」さえ、もうやぶられてしまったのだ。今後、この子たちが小学校に入る年齢になれば、全国小学校の半分は新入生10人未満であると推定できる。中学校、高校、大学も同様の過程を経験するのは、「予定された未来」の手続きであろう。学校がなくなれば、地域社会も、やがてなくなる。2005年に低出産・高齢社会委員会が発足した後に実施したすべての対策が、これといった成果が出せなかった。ソウルのど真ん中にある小学校も閉校し、地方大学は廃校に追い込まれ、小児科病院が続々と診療をやめているのが現状だ(毎日日報)・・>>
合計出生率関連記事を取り上げるのは珍しいことでもありませんが・・なんか、一つ前に書いたエントリーとも繋がっている気がします。政府の財政的な支援の実効性、各世帯の経済的な立場、そういう要素も、もちろん関連しているでしょう。しかし、難しいことを考える前に、誰もが『もう疲れたよパトラッシュ』しているのではないか。そんな気もします。なんというか、間違いなく一因にはなっているのでしょう。最後に、「つかれた」関連でちょっとだけ私見ですが・・私は、拙著などでもそうでしたが、いまでも日本のことを「楽」という字で表現しています。家族から「で、日本はどうよ」と聞かれると、かならずそう答えます。ここでいう楽とは、簡単だとかそういう意味ではなく、さきの「疲(疲れ)」の反対の意味です。合計出生率関連では何も言うな・・と言われると、返す言葉もありませんが。
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