(※輸出優待国再指定関連、追記しました) 中国税関、韓国からの輸入貨物の検査強化を指示

中国税関が、各地域の海関総署(税関担当部署)に、韓国から輸入する貨物の検査を強化するよう指示したというニュースがありました。ソウル新聞の単独報道です。THAAD事態のときにも同じ動きがあったとのことですが、いまのところ「具体的にどういう指針なのか」まではわからない(記事では『指針の内容は言及していない』となっているので、具体的指針そのものがまだ無いのかもしれません)とのことです。記事はこれがユン政権の外交関連だと見ていますが、本当にそうなのか、それとも何か別の理由によるものか、すでにやると決めたのか、それとも「こんなこともできますけど?」と示しているだけなのか(いったんユン政権の出方を見る、と)。これからの展開を見ればわかることでしょう。私見はちょっと後にして、以下、<<~>>で引用してみます。

<<・・尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の「力による両岸問題の現状変更に反対」発言を置いて、韓中外交当局間の対立が続いている中、中国海関総署(税関)が我が国からの輸入貨物検査を強化しようとする動きを見せている。27日、業界によると、中国海関総署は去る25日、「韓国から輸入される貨物に対する検査を強化せよ」という指示を、内部ネットワークを通じて地域税関に伝えた。具体的な施行方案は言及していないことが分かった・・

 

・・中国が輸入製品に対する通関検査を強化すれば、各企業は大いにこまることになる。通常3~4日かかっていた中国の通関手続きが3~4週間に遅れることになり、輸出納品に支障を来すからだ。このような通関検査の強化は、中国当局が振り回す典型的なやり方「非関税障壁」の手段だ。北京駐在韓国大使館側は「一部企業が関連内容を情報提供してくれたので、事実関係を調べている」とし「まだ具体的なトラブルを知らせてきた企業がないので、中国税関当局に問題を提起はしていない」と明らかにした。

中国は2017年3月、慶尚北道ソンジュにTHAAD(高高度ミサイル防御体系)配置を前後した時期にも、同様の手順を踏んだ。当時、中国当局は各企業に普段は要求しなかった書類を提出するようにし、通関過程を遅らせて製品の納品を遅延させた。このため、賞味期限が短い食品業界が特に大きな影響を受けた。特に、在韓米軍にTHAADの敷地を提供したロッテグループの一部の系列会社製品は、検疫が無期限延期された。今回の動きも、当時のTHAADの時と類似しているという懸念が提起される所以である・・

 

・・中国当局のこのような動きは最近、尹大統領の台湾海峡関連発言の余波である可能性が少なくない。ユン大統領は去る19日ロイター通信インタビューで「両岸問題の緊張は力で現状を変えようとする試みのために起こったことだ。私たちは力による現象変更に反対する」と話した。「力による現状の変更」は、米国など西欧世界がよく使う表現だ。ユン大統領は26日(現地時間)、米国ワシントンDCで開かれた韓米首脳会談でも「台湾海峡の平和と安定維持の重要性を再確認した。インド太平洋での現状の変更の試みに反対する」と強調した(ソウル新聞)・・>>

引用部分にもありますが、記事は主に、19日のユン大統領のロイターインタビュー発言と、米韓首脳会談で両岸問題について言及したことを理由としています。しかし、米韓首脳会談は27日でしたが、この指針とやらが出たのは25日です。また、文大統領も、米韓首脳会談のあとの共同声明に同じ内容がありました。だから、今回の「指針」が本当にTHAAD事態のときのようなものなら、米韓首脳会談共同声明そのものというよりは、ユン政権の『最近の方向性』そのものに対するものではないでしょうか。

とにかく、例の「主語」問題もそうですが、帰国したあとのユン大統領は特に・・なんというか、『とてもとても忙しくなる』かもしれません。 さて、ここからは告知ですが・・世の中は大型連休に入ろうとしています。本ブログ、今日の更新はこれだけです。明日からゴールデンウィーク中は、具体的な指針(?)は未定ですが、1日1~2回更新を続けます。次の更新は、明日のいつもの時間(11時前後)になります。

 

ここから、追記、グループA関連です。臨時更新にしようかとも思いましたが、そこまで長く書くこともないし、すでにコメント欄がこの話で盛り上がっているし、なにより、明日は明日のネタが吹く(?)、ということで、追記の形となりました。コメント欄も、このままこの話で構いません(たまには中国税関もおもいだしてあげてください)。結局、韓国のグループA(輸出優待国)再指定となりました。産経新聞によると、経済産業省は28日、韓国をグループAに再指定する方針を発表した、とのことでして。首脳会談が行われたときから、こういう流れになるだろうとは思っていましたが、せめて、もっと説明が欲しかったところです。

何かの理由で措置を取ったのなら、その何かが解消されたら、措置も解除するのがあたりまえでしょう。しかし、そもそも安保関連のことだったし、もっと「~なところを見ると、もう大丈夫だと判断しました」という発表があってもよかったのではないか、と。3月の「運用見直し」発表のときにも、両国の間で9回もの会議が集中的に行われた、という記事がありました。朝鮮日報(朝鮮BIZ)によると、今回もまた、10日から25日まで8回にわたって、集中的に会議を開いた、とのことです。そこで日本側が納得して、こういう結果になった、と。せめて、それらの会議の結果から、ある程度の発表(説明)でもあったなら、と思うわけですが・・、「戦略物資として、企業秘密として、そう詳しく公開できない」というなら、返す言葉もありません。私見です。しかし、両国ともに、「なんだったんだよ」感が半端ないですね。

 

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