韓国政府、G7サミット閉幕の翌日に「脱中国すると言ったことありませんし、する気もありません」

韓国の企画財政部長官(副総理兼任)チュギョンホ氏が、「韓国は脱中国すると言ったことがありません。そうする気もまったくありません」と話しました。マネートゥデイなど複数のメディアが報じています。G7とかも、「中国とデカップリングするわけではない」と話したりしますが、それはサプライチェーンなどにおいて、中国・ロシアを意識した政策を発表しながら、最低限のバランス取りのつもり・・というか、テンプレ的に一緒に言っておくレベルのものでしょう。

ユン政権の場合は、そうではありません。ゲストとして拡大会議(ゲスト国は本会議には参加できません)に参加しただけで、「自由で開かれたインド太平洋」関連ではこれといって何もしていません。なのに、G7サミット閉幕の翌日に、しかも(一つ前のエントリーでお伝えした通り)マイクロン社の件もあるのに、政府レベルで「脱中国しません。する気もありません」と話したことになります。あれだけG7サミットでの成果を広報し、心理的にG8というフレーズまで盛大に使っておいて、このタイミングでこんな発言が出てくるとは、驚きです。まるで、マイクロン社の「不足分の穴埋め」関連についての、『返事』のようにも聞こえます。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・チュギョンホ副総理兼企画財政部長官が22日、「脱中国を宣言したこともなく、宣言する意図もない」と明らかにした。副総理はこの日、国会で開かれた企画財政委員会の懸案質疑で、「代案のない脱中国、政府の過度な米国への集中が、対中国輸出にどのような影響を及ぼすのか」というヤンギデ共に民主党議員の質問に、「中国は私たちの 第1交易国であり投資国である」としながら、このように述べた。それと共に「米国との関係を強化することが、中国と遠ざかることだと思ってはならない」とした。副総理は「だから私がG7(主要7カ国)財務長官会議以後、中国大使に会って、今年予定された韓中財務長官会議を早く開催するようにしてほしいと話した」とし、「今回はソウルで開かれる番だが、もし日程的に問題があるなら、私が中国に行くとまで話した」と強い意志を表わした(マネートゥデイ)・・>>

 

G7サミット中にも、似たようなことがありました。今回G7サミットで、G7は「経済的威圧に備えるための経済協議体」、すなわち中国やロシアなどが、経済を利用して他国の外交・国内政治に影響を及ぼそうとする動きから途上国を保護するための協議体を新設することにしました。THAAD事態などがあったので、韓国メディアもこの件をかなり好意的に取り上げたりしました。しかし、まだG7サミット中だというのに、大統領室は「参加しない」としました。個人的に、ずいぶんと迅速に線を引いたな・・と思いましたが、今回、副総理もまた、G7サミット閉幕翌日に、マイクロン社への制裁が発表された日に、このような発言をしたわけです。内容もそうですが、ものすごく『急に』動いているのが、また気になるところです。

 

また、輸出、特に対中輸出関連の収支は改善できずにいます。5月に(20日まで)の輸出は前年同期比16.1%減少し、15ヶ月連続貿易収支赤字がほぼ確実になりました。京郷新聞によると、「22日、関税庁が発表した「5月1~20日の輸出入現況」を見ると、輸出額は324億4300万ドルで、1年前より16.1%減った。輸出主力品目である半導体価格が下落し、半導体最大市場である中国輸出が低迷した。半導体はDRAM・NANDフラッシュなどメモリ半導体の価格が下がり、前年比35.5%減少した。半導体輸出は先月まで9カ月連続で下落傾向を続けている。 半導体の半分ほどは中国に輸出されている」、とのことでして。

記事は、コンピュータ周辺機器(-47.3%)、家電製品(-36.6%)輸出も振るわず、ロックダウンが終わってからの中国の経済再起動、いわゆる「リオープニング」も、効果はわずかだったと指摘しています。一時、政府レベルで、対中輸出の不振は、「リオープニングで改善される」と何度も言われていました。今月(1~20日)、対中輸出は前年比23.4%減少しました。今日も、次の更新はいつもより遅れます。18時前後に更新できるよう頑張ります。

 

 

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