「4つの不可」効果? 韓国国務総理「中国は、インド太平洋地域繁栄のための核心パートナー」

「4つの不可」効果でしょうか。それとも私の心が曇っているだけでしょうか。中国市場をあきらめてはならないという、「(安保は米国だけど)経済は中国」という論調がまた増えてきました。また、ハンドクス国務総理は済州で開かれたセミナーの演説で、中国を「インド太平洋地域の平和と繁栄のための核心パートナー」としながら、「中国と韓国の地位にふさわしい相互尊重の関係を作っていく」と話しました(ニュース1)。「相互尊重」は、ユン政権が中国に対して、かろうじて使っている反発の意味です。対等な関係でやっていこう、という意味です。ただ、中国は「え?私たちがあなたたちを尊重しなかったことなどありましたか?」としか応じないでいます。

G7サミットが閉幕した翌日、韓国の企画財政部長官(副総理兼任)チュギョンホ氏も、「韓国は脱中国すると言ったことがありません。そうする気もまったくありません」と話して、本ブログでも取り上げたことがあります。それが、何かの理由で国務総理レベルにアップグレードしたわけです。他にも、各メディアの『中国との協力』を強調する記事も、まだまだ目立っています。少なくとも『最大限の現状維持』が必要だ、というのです(ソウル経済)。現状維持といっても、中国市場でかなりの不振が続き、貿易も中国が黒字を出す構造に変わってきましたが、ひょっとして、そういう全てを「ユン政権が日米中心の外交をしているから」だと思っているのでしょうか。以下、各紙、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・ハンドクス国務総理は1日、「世界2大経済大国である中国は、インド・太平洋地域の平和と繁栄において主要協力国であり、政治・経済・文化全般における韓国の核心パートナーであり、緊密な隣人」とし「韓・中・日 首脳会談も早急に正常化し、域内繁栄と安定のための3国協力を強化していく」と明らかにした。ハンドクス首相はこの日午前、済州国際コンベンションセンターで開かれた第18回平和と繁栄のための済州フォーラム基調演説を通じて、 「国際社会内の韓国と中国の地位と役割にふさわしく、国際規範と規則に沿った相互尊重の土台の上に成熟した韓中関係を作っていく」とし、このように述べた(ニュース1)・・>>

 

<<・・半導体は韓国貿易樹脂のバロメーターだ。 総輸出で占める割合は20%に達し、半導体輸出で中国が占める割合は40%に達する。米国が対中半導体サプライチェーンに影響力を行使している中、貿易収支の改善は難しい。国際通貨基金(IMF)が昨年10月、韓国の成長率を2.0%と見込んで、今年1月に1.7%、4月に1.5%に下方修正したのは、中国の影響力を反映したためだ・・

・・このように中国の貿易と通貨のパワーが力を発揮する状況で、重要なのは、韓国政府と企業の対応だ。名分にこだわりすぎで中国との関係を考えず、米国サプライチェーンに完全編入しなければならないという二分法的アプローチには、慎重にならなければならない。中国とは最大限「現状維持(Status quo)」戦略を維持する中で、突発的な変数が出てくるときは事案ごとに弾力的に対応する必要がある。 対中経済政策の方向性とロードマップを大げさに用意したり公開したりして論議を呼び起こすことは、国益にならない(ソウル経済)・・>>

 

引用部分にはありませんが、ニュース1の記事は、同時に日米韓協力も重要だと強調していますが、その二つの方向性が一致するとはとても思えない今日この頃です。これはニュース1だけでなく他のほぼ全ての記事に共通することで、『米国から補助金もらって中国でも稼げばいいじゃないか』という単純な話を、難しい単語で飾った内容がほとんどです。特にマイクロン社関連で、保守側のメディアも「これは好機である」とする記事が多かったり、さすがは心理的G8といったところでしょうか。それに、もちろんそういう対外的な原因もあるでしょうけど、中国が韓国相手に貿易で黒字を出しているのは、中国が国産化に成功している、いわば『構造的な問題』だとする指摘も出ています。政府は認めていない雰囲気ですが。 次の更新は、心理的に17時~18時になると思われます。

 

 

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