マイクロン社・・というか半導体関連のエントリーが続いていますが、「お、おぅ・・」な記事があったので、もう1回マイクロン関連となりました。今回は、「で、韓国内の専門家からはどんな見解が出ているのか」となりますが、基本的に二つだけです。「バランスよく」と「無対応」です。前者は、両国の間でうまく(具体的には何も書いてませんが)、実にうまく何とかして、バランスを取ろう、というもの。後者の無対応は、これといって何もせず、米国側に「同盟国がダメージを受けたら、サプライチェーンが影響を受ける」ということをうまく伝えればいい、というのです。原文には同盟国となっていますが、韓国のことでしょう。
前にも同じ趣旨を書いたことがありますが・・なんかうまくいかないと、いつもなにかうまくいかないと、こういう見解が出てきます。『米中どちらからも必要とされているから大丈夫』などの理由で、『なにもしなくていい』、と。今回も似たような展開ではないでしょうか。でも、これでもまだソース記事の「時事ジャーナル」はマシかもしれません。「じゃ、どうしようか」な見解を載せるメディアそのものがほとんど無いからです。多くのメディアは、『なんで私たちだけにそんなことを言うのか』と、どちらかというと米国側に対して強く反発しているだけで、だからどういう政策が必要なのかについての見解や分析は、ほとんど載っていません。以下、一つ前のエントリーと重複する内容は省略して、『どうすべきか』に関する部分、<<~>>で引用してみます。
<<・・(※一つ前のエントリーの内容を伝えながら)このように、米国の圧迫レベルは強くなったが、韓国の最大半導体市場は依然として中国だ。産業通商資源部によると、昨年、半導体輸出で中国が占める割合は40.3%に達した。 去る第1四半期基準、サムスン電子とSKハイニックスの全体売上のうち、それぞれ18.8%と30.4%が中国で発生した。一方、米国は世界で最も高度化された半導体設計技術を保有し、協業が必要だ。 サムスン電子が米国テキサス州テイラー市にファウンドリ工場を建設中であり、SKハイニックスも先端パッケージング工場を建設する予定の中で、両社が現地で半導体法補助金を受け取る際にガードレール(安全装置)条項による不利益がないよう、当局と交渉しなければならない問題もある。国内企業は、米国と中国の間で困っている状態なのだ。
イ・ジョンファン、サンミョン大学システム半導体工学科教授は「サムスン電子とSKハイニックスがアメリカの顔色を気にしないわけにはいかないだろうし、中国で利益を見れば、また米国で問題になるだろう」とし「国内企業が困惑した状況だ。米中どちらかを選ぶなど、現実的に不可能なのに、両国からの圧迫が大きくなっている」と診断した。国内企業のダメージを防ぐためには、韓国政府の積極的な姿勢が求められる。
同盟国がダメージを受けると、既存の半導体サプライチェーンがくずれるしかないだけに、このような懸念を米国に伝える必要があるという指摘だ。イ・ギュボク半導体工学会長は、「米国が中国に措置を取れば、現地に工場を建てた企業もダメージを受けるしかない。装備搬入(※1年猶予中です)面から全面解除は難しいだろうが、若干の余地を置かなければならないと要求する必要がある」とし「政府レベルで国内企業が影響を受けないように、米国と積極的に交渉しなければならない」と話した。
戦略的無対応基調を維持しながら、実利を追求しなければならないという見方もある。サムスン電子とSKハイニックスは中国のマイクロン社関連措置などに、公式立場を出さず事態を注視している。イ教授は「政府が米・中の間で柔軟な縄引き外交政策を広げながら両国と適切な関係を維持する必要がある」とし「企業の立場としては、米・中の対立のすべての部分において慎重になるしかない。対外変数に巻き込まれず、徹底的に実利を追い求めなければならない」と話した(時事ジャーナル)・・>>
「柔軟な縄引き外交政策を広げながら両方の国と適切な関係を維持する」って、これで解決できない懸案があるのでしょうか。世界中の全ての対立に使えそうなフレーズです。それがうまくいかないから問題でして。
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