韓国経済メディア「中国とは、離れる決心をしてこそ共存できる」

いままでは、「ユン大統領は、もう米国側に完全に舵をきった」という記事が多くて「どこが」な感じでしたが、最近は「ユン大統領は、米国側に舵をきりすぎた」という記事が多くて、「だからどこが」な感じです。対中関係において、他の国はここまでしていない、ユン大統領だけが前に出すぎだという趣旨の記事が圧倒的に多いですが、個人的に、他の国に比べて韓国『だけ』がやっていること(首脳の発言も含めて)はありません。やってないこと、または遅かったことなら、いろいろありますが。別にユンたんだけの問題でもありません。最近人気の歌っぽく書くと「なにをきかれてものらりくらり」路線が長すぎたこともあるでしょう。

ただ、本ブログでも6月5日に同じ見解をエントリーしたことがありますが、一部のメディアは、「中国との貿易収支問題は、別に中韓関係によるものではなく、単に競争力の問題である」としながら、中国から離れる必要があると主張しています。今日紹介する韓国経済もその一つで、記事は、「中国という国との関係は、離れてこそ共存が可能だ」と主張しています。実はこれ、前にも何度か同じ趣旨を読んだ記憶がありますが、たとえば日本が米国と同じ路線を取った場合、もちろん中国が日本の技術を必要とする理由もありますが、それだけでなく、中国は「日本が中国側に来ることは無い」とわかっているので、日本の路線を根本的に変えることまでは期待しない、というのです。ただ、韓国の場合は、路線そのものを変えることができると思っているし、実際そうだったので、中国のやり方そのものが異なる、と。今回も似たような内容です。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・韓中修交以後の両国関係は、(※韓中関係において)史上始めて、そして唯一の、対等な国格とともに韓国が中国より経済的に優位に立つ関係であった。韓国は中国に技術・部品を提供し、中国は生産基地、市場となった。それから30年間、対中貿易黒字は6980億ドルだ。しかし、ここまでが対中関係の頂点だったようだ。しばらく前、共に民主党が企業関係者たちを集めて「中国輸出関連懇談会」を開いた。文在寅(ムン・ジェイン)政権までは良かった対中貿易が、ユン政権に入ってから、中国との外交の葛藤により、突然赤字構造に変わったというのが基本前提だ・・

 

・・この場合は貿易協会の統計だけでも反論できる。対中貿易収支は、文政権の2018年以降、右肩下がりだ。2018年556億ドルから2019年289億ドル、2021年242億ドル、2022年12億ドルに減った。半導体による錯視効果を考えると、より明確になる。半導体を除く対中貿易収支は2013年以降減少傾向になったし、すでに2021年から赤字になっていた。中国の部品自給率が高くなって、韓国の中間材輸出が減り、半導体以外の中途半端なコスパの製品が魅力を失った結果だ。中国との外交関係の衝突が貿易環境に良いとまでは言えないが、それが決して主な要因ではないという話だ。

 

正確な現実診断の上で、正しい選択肢の方向性が現れるものだ。中国にない、中国よりはるかに優れた製品とサービスがだけが解決策だ。半導体のような技術差と第2・第3の半導体を誕生させる革新だけが、対中輸出を打開できる道だ・・・・ 「アンミギョンジュン(安米経中、安保は米国、経済は中国)」ほど心地よい言葉もないだろう。軍事・安保は米国側であり、経済的利益は中国から取るというが、中国がそれをただ見ているはずがなかろう・・

・・依然として中国は巨大市場だ。無意味な摩擦は避けるべきだろうけど、それでも中国に対する認識はしっかりしておく必要がある。中国は北朝鮮の核開発の後援者であり、今も黙認している。中国の国家運営主体は共産党だ。人類普遍価値を信奉する自由陣営との両立はできない・・・・私たちが実力を身につけ、『自強(※)』することだけが唯一の生存方式だ。中国と別れる決心ができたとき、ただしく共存できる。中国だって「半導体韓国」に対してだけはまだぶら下がっているではないか(韓国経済)・・>>

 

趣旨はいいけど、その半導体もいまどうかな・・といったところだし、「自強」と言っても、対中関係だけでなく、これといってどうやって強くなるのか、どれだけ早くできるのかなどで、思い当たるところがありません。国際情勢的に、ここは「仲間と力を合わせる」になるでしょう。日米などがそうしているように。だからどっちの仲間なのかをはっきりしておく必要がある、と。全般的な趣旨はわかるけど、対中観が異なるだけで「心理的G8」と似たような結論になっている点は、残念です。

 

 

おかげさまで、新刊が発売中です!今回は、マンションを買わないと『貴族』になれないと信じられている、不思議な社会の話です。詳しくは、新刊・準新刊紹介エントリーを御覧ください。経済専門書ではありませんが、ブログに思いのままに書けなかったその不思議な「心理」も含めて、自分なりに率直に書き上げました。以下の「お知らせ」から、ぜひ御覧ください。ありがとうございます

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2023年3月1日)からですが、<韓国の借金経済(扶桑社新書)>です。本書は経済専門書ではありませんが、家計債務問題の現状を現すデータとともに、「なぜ、マンションを買えば貴族になれるのか」たる社会心理を、自分なりに考察した本です。・新刊として、文在寅政権の任期末と尹錫悦政権の政策を並べ、対日、対米、対中、対北においてどんな政策を取っているのかを考察した<尹錫悦大統領の仮面 (扶桑社新書)>、帰化を進めている私の率直な気持ちを書いた<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・ンシアリーはツイッターをやっています。ほとんどは更新告知ですが、たまに写真などを載せたりもします ・当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。