小学生たちの「階級論」、いつまで続くのか・・ネットで家の価格や広さまで調べてクラスメイトに階級付け

スプーン階級論が代表的ですが、いつからか、韓国社会では何かの階級論が、あたりまえのように受け入れられるようになりました。それは大人から子供まで同じで、本ブログ、いままで、青年層はもちろんのこと幼い世代まで、何かの理由で階級を作って『上下』を定着させようとする動きを、何度もエントリーしてきました。4月16日にも、学校に皆勤する子は、クラスメイトから「海外旅行にも行けない皆勤ゴジ (モノ◯イ)」と言われるという内容をエントリーしたことがあります。普通、海外旅行に行くと、平日にも休むはずなのに、家がまずしいから海外旅行ができず学校に皆勤する、というのが論拠です。

住んでいる家の広さなどで呼び方(階級)を決めることは1990年代からありました。私が旧ブログ(アメブロ)の頃から紹介した、同じ趣旨のエントリーでも、着ている服の値段とか、マンションに住んでいるのかどうか、などなどで、子どもの『立ち位置』が決まるという話はたくさんありました。慶尚北道のどこかだったと記憶していますが・・入学した小学生たちを整列させながら、「マンションに住んでいる子」とそうでない子を別々に列を作った、という記事もありました。皆勤ゴジのソース記事である朝鮮日報によると、専門家たちは「大人のまねをしている」と指摘しています。たしかに、大人の言動を見て、そのまままねをしているのでしょう。

 

今回は、ある小学校のお母さんたちが、同じクラスの子の登記簿謄本を調べて(できるのでしょうか、これ?)、子のランク付けをしてしまう、しかも子供はそれを全部知っている、という内容です。ソースは毎日経済です。ローンなど家計債務無しで家を勝った場合が1等級、家計債務で勝った場合は2等級、傳貰(ジョンセ、家を借りる制度)は3等級、などです。子はクラスメイトに「お前んちは3等級だから、一緒に遊んじゃダメだって」と当たり前のように言っている、とのことでして。しかも、小学生たちが、インターネット経由でクラスメイトの家の価格や広さを調べ、同じく等級分けをしている、とのことでして。さすがに社会から上下意識を完全に無くすことはできないでしょうけど、せめて小学生たちの階級論は本当になんとかならないのでしょうか。見ていて胸が苦しくなるばかりです。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・子がソウル江南区のある小学校に通っているAさんは、最近、子供が「私たちの家は傳貰なの?」と言って、びっくりした。学校の友から「お母さんが、傳貰で暮らす子とは、一緒に遊んじゃダメだと言った」という話をしながら、Aさんの子は泣き叫んだ。その姿を見て、Aさんは言葉を失った。Aさんは「お母さんたちが、クラスメイトの家の登記簿謄本を全部調べて、一緒に遊んでいいのかどうか決めている」とし「1等級は借金無しで(家を)勝った人、2等級は家計債務で買った人、3等級はジョンセだった」と嘆いた・・

・・B氏は、生活に余裕のないにもかかわらず、子を少数精鋭の学院(※塾のこと)に入れるために江南区に引っ越した。そんなある日・・・・子たちが登記簿謄本を調べ(※親の住民登録番号などを利用し、ネットで発給または閲覧要請したと思われます)、Bさんがジョンセだと確認した後、Bさんの子とは接しなくなったというのだ。B氏は「子供があまりにもストレスを受けて、仕方なく他の街に引っ越しをしなければならなかった」とし「母親が登記簿謄本を調べることを、そのまま見て、学んで、自然にそうするようになったようだ」と嘆いた。

 

一部の江南地域の母親の間では、登記簿謄本の確認は一種の通過儀礼のように見なされる。 江南マムカフェでは会員加入条件で本人が住んでいる家の登記簿謄本提出を要求する場合がほとんどだ。ある人気の江南マムカフェには、「登記簿謄本確認手続きがあり、引越し後に加入しようとしなければなりません」、「引越しして書類を送っても加入期間が延期され続け、ほぼ加入不可だったんです」との投稿が上がっている。江南(カンナム)に子どもを置いたもう一つのCさんも不動産で格付けをする世態に呆れ果てていた。

同じく子が江南の学校に通うC氏は、不動産で階級を付ける小学生たちの風潮に呆れてしまった。Cさんは、「自分の家を持っているのが最低ラインだった時代ももう終わった」、「今は、子どもがインターネットを通じてアパートの価格がどれくらいか、どれくらい広いのか、簡単に分かるから」と話した。ソ・ジンヒョン京仁女子大学経営学科教授(公正住宅フォーラム代表)は、「最近、子供たちはインターネット上で、親の住民登録番号を容易に利用するため、厳しい認証手続きが必要である」と話した(毎日経済)・・>>

 

 

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