韓国の大手新聞が、面白い(曇る)着眼点の記事を載せましたので、紹介したいと思います。記事は、韓国の人口において注目すべき年として、1970年、2002年、2022年をあげています。1970年、韓国の出生数は100万人を超えました。しかし、2002年にはその半分の約50万人になりました。ソース記事の韓国日報は、この2002年生まれを「半分世代」と呼んでいます。そして、2022年、韓国の出生数は249000人でした。またその半分になったわけです。
記事は「2002年に何があったのか」について分析しながら、専門家の見解を引用、「いわゆるIMF期(1997年から)の影響」を指摘しています。記事に直接書いてあるわけではありませんが、2002年、IMFはもう昔のことのようにワールドカップに盛り上がっていたものの、IMFの真の影響は2002年生まれの半分世代が社会人になるこれから始まる・・という見方もできるかもしれません。1970年代の「午前班」「午後班」の話は、ちょうど私が経験したものでもあります。学生の数は増えたのに学校インフラはそのままなので、小学生の場合は、一部が午前に登校して授業を受け、それが終わると、残りの小学生たちが午後になって登校するシステムでした。韓国ではクラスをバン(班)と言います。ちょっと懐かしいこともあって、以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・1970年、100万6,645人の新しい命が生まれた。統計集計以来、1年の出生児が100万人を超えた初の年だった。その翌年も100万人を超えた。その結果、1970年代末と80年代、国民学校(※小学校のこと、いまは初等学校と言います)は満員だった。1クラスの学生が70人を超えるところが多かったし、校舎が不足し、午前・午後班に分かれて学校に通った。1970年生まれが大学入試を受けた1989年度の大入学力考査(※当時の大学入学試験制度)には、なんと110万人(再受験生を含む)が受験した。
その出生数が半分になった年が、2002年だ。この年に生まれた子供は49万6,911人。その2002年生まれが高3になった2021年度修学能力試験(※現在の大学入学試験制度)受験者は49万3,434人で、受能史上初めて50万人以下を記録した。だから、2002年生まれは初めて登場した「半分世代」だ。20か21歳になっているであろう彼ら半分世代、各大学はすでに学生不足が始まっており、軍は部隊の統合作業を続けている。なぜ2002年だったのか。人口専門家たちは、1980~1990年代に騰落を繰り返していた出生児数が2000年代初頭に急減したのは、国際通貨基金(IMF)救済金融の影響があったと分析する。
1997年の外国為替危機で大量失職事態が発生し、結婚と出産を遅らせる現象が普遍化したということだ。 イ・サンリム韓国保健社会研究院研究委員は、「IMF事態が出産に影響を与えたことが可視化された時点が、まさに2002年」とし「人口減少で、もう世の中は変わっていることを示した年でもある」とした。今、韓国の人口状況は1970年、2002年に続く3番目の変曲点を通っている。2017年(35万7,771人)、初めて40万人以下になった出生児数は、続々と垂直落下し、昨年24万9,000人で、25万人以下になった。2002年の半分に減少し、わずか20年で、2番目の半分世代が出現したのだ。
半分世代の彼らは、この人口減少の影響をずっと受けることになるだろう。彼らが就職し、結婚を考慮し、家族計画を立て、不動産を購入し、子どもを教育し、お金を投資し、親の面倒を見て、引退を決めるすべての生涯サイクルで、国は、100万が支えたインフラを 50万が負担するようにしなければならない。「半分ショック」現象を経験することになるだろう、ということだ(韓国日報)・・>>
この問題から自由になれる国はそうないでしょうけど、本ブログの持論の一つ、「スピードが問題」です。記事本文も指摘していますが、2002年から2022年までの「半分」が早すぎます。上がったり下がったりはするでしょうけど(多分)、韓国の場合はスピードが早すぎます。 今日の更新はこれで終になります。木曜に休んだばかりなのに、申し訳ございません。次の更新は18日(日曜)の11時頃に致します。
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