先月、韓国に行ったときに感じたこととそのまま一致する記事がありました。外食、特に庶民向けとされる外食の値上げが相次いで、すでに5年間で平均28.5%、品目によっては40%は上がっている、というのです。庶民向けといっても、食べるもののバラエティーさが日本ほど豊かではないので、ジャジャンミョン(ジャージャー麺)、サムギョプサル、冷麺、キムバップなど、記事は8つをあげていますが、個人的に記事に書いてあるものが「ほとんど」だと思っています。国民日報がそれら8つの平均値上げを調べてみたら、5年間で平均28.5%で、40%以上上がった品目もありました。去年同時期より6.9%上がった価格で、これは消費者物価上昇率3.3%の2倍を超えている、とも。
この前の韓国旅行、さすがにスーパーで買物をしたりしたわけではないので全般的な消費者物価上昇を体感することはありませんでしたが、家族の家を訪れるために結構な距離を移動したので、食事関連の物価なら体験できました。本ブログではキムバップのことをエントリーしたことがあります。安く済ませる食事に代名詞で、さらに個人的な感覚ですが、キムバップ1人分は「日本で言えば、コンビニおにぎり(普通の大きさのもの)を2つ食べたような感覚かな」と思っています。それは長い間1000ウォン(100円)を守っていましたが、値上げが相次ぎ、私は「もう3000ウォンにはなっているな」と感じました。記事によると、平均3200ウォンだそうです。また、ニュース1によると、ちょっと有名な店だとキムバップとラーメン(基本的にレトルト調理ですが、記事の店がどうなのかは分かりません)を食べると1万ウォン(1000円)かかる場合まであって、もはやキムバップとラーメンを一緒に食べることすら「贅沢」になりつつある、とも。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・外食物価が最近5年間で最高40%以上も上がって、庶民の悩みを増やしている。19日、韓国消費資源価格情報総合ポータルによると、消費者がよく利用する8つの外食品目の、先月ソウル地域の平均価格は、5年前の2018年に比べて平均28.4%上がった。価格上昇率が最も高い品目はキムバップで、2018年5月2192ウォンから先月3200ウォンで46%上昇した。同期間のジャージャー麺価格は4923ウォンから6915ウォンに40.5%上がり、2番目に上昇幅が大きかった。カルグクス(6731ウォンから8808ウォンに)と、キムチチゲ定食(6000ウォンから7846ウォンに)もそれぞれ30.9%、30.8%の高い価格上昇率を見せた・・
・・また冷麺(8769ウォン→1万923ウォン)24.6%、ビビンバ(8385ウォン→1万192ウォン)21.6%、サムゲタン(1万477ウォン→1万6423ウォン)16.7%、サムギョプサル(1万6489ウォン→19150ウォン、200g)16.1%の上昇率を記録した。平壌冷麺の場合、1万6000ウォンまで上がったところもある・・・・(※外食物価は)昨年5月と比べると6.9%上がっており、全体消費者物価上昇率(3.3%)を越えた。このため外食物価は全体物価上昇率を0.9%ポイント引き上げている。外食物価上昇率が全体の物価上昇率を上回る現象は2021年6月から続いている(国民日報)・・>>
<<・・14日の昼休み、ソウル永登浦区一帯のコンビニや粉食店(※簡単な食事ができる店)などが会社員たちで賑わっていた。コンビニではカップラーメンとお弁当、三角キムバップ(※おにぎり)などで昼食を済ませる人々が目立った。イ某モさん(29歳)は「昨年から昼食が気になるようになった」とし「会社で団体で弁当を注文して食べたり、コンビニで簡単に食べる場合が多い」と伝えた。汝矣島のある食堂で会ったジョン某さん(35)は「最近、キムパップとラーメンを一緒に食べるのも贅沢だと思うようになった」とし「以前はツナキンバプを注文したのに(※缶詰のツナが入っているキムバップで、普通のものより少し高い)、最近はそれまでも高価だと感じられる」と話した。
それもそのはず、ソウル基準のキムバプ1列の平均価格は3200ウォンだ。2017年2154ウォンで、初めて2000ウォン台になったキムバップの価格が、昨年8月初めて3000ウォン台を突破した後、ずっと上がっている。有名フランチャイズのキムバップ店の場合、平均価格をはるかに上回り、キムバップとラーメンを食べると1万ウォンを超えるお金を支払わなければならない状況だ(ニュース1)・・>>
素直に値上げするだけならいいですけど、これに「見えない値上げ」もあるわけでして。このまえ「津(ジン)さ」のときにも書きましたが(5月13日のエントリー)、スープの濃さを弱くして「量も数も減らしていないけど材料費は減らす」ケースもあります。グック料理が多いからこそのものですが。6日にも自営業関連を取り上げましたが、約650万人の自営業者の2021年の平均所得は、年1952万ウォン(1円を10ウォンとすると約196万円)。もうなにを削ればいいのでしょうか。ジンの次はウォッカーかラムか。
おかげさまで、新刊が発売中です!今回は、マンションを買わないと『貴族』になれないと信じられている、不思議な社会の話です。詳しくは、新刊・準新刊紹介エントリーを御覧ください。経済専門書ではありませんが、ブログに思いのままに書けなかったその不思議な「心理」も含めて、自分なりに率直に書き上げました。以下の「お知らせ」から、ぜひ御覧ください。ありがとうございます!
本エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2023年3月1日)からですが、<韓国の借金経済(扶桑社新書)>です。本書は経済専門書ではありませんが、家計債務問題の現状を現すデータとともに、「なぜ、マンションを買えば貴族になれるのか」たる社会心理を、自分なりに考察した本です。・準新刊として、文在寅政権の任期末と尹錫悦政権の政策を並べ、対日、対米、対中、対北においてどんな政策を取っているのかを考察した<尹錫悦大統領の仮面 (扶桑社新書)>、帰化を進めている私の率直な気持ちを書いた<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。・新刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・シンシアリーはツイッターをやっています。ほとんどは更新告知ですが、たまに写真などを載せたりもします ・本当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。