大手メディア「事実上、日米台で『チップ3』と呼ばれている」

あくまで「他のメディアに比べて相対的に」ですが、保守とされるメディアは日米韓協力に賛成するほうです。半導体関連でも、基本的には日米と協力しようという話がほとんどで、最近はあまり聞かなくなったものの「チップ4」関連でも早く参加すべきだという記事が主流でした。ただ、朝鮮日報は前からチップ4には賛成しながらも、「チップ4で韓国が担う役割がどういうものなのか、具体的に見えない」としながら、日米台韓の協力において、韓国だけ立ち位置がズレているとする記事を載せてきました。

今年1月には本ブログでも取り上げたことがありますが、「米国が主導する半導体サプライチェーン協力体チップ4でも、我が国の役割は曖昧であるという指摘が出ている。日本と台湾は米国と具体的な技術協力を議論、実益を得ているが、私たちはチップ4参加を公式化しただけであまり進捗がない」、「日本は自国統合半導体企業ラピダスを掲げ、米国情報技術(IT)企業IBMとファウンドリー分野技術協力計画を発表した。米国はグローバルサプライチェーン協力を強調しているが、尹政権はまだ関連議論をしていないことが分かった」などの内容でした。

 

これらの記事が強調するのはいつもファウンドリー分野です。ファウンドリー市場、TSMC60%、サムスン12%の現状に、「日米連合」が入ってくると、まっさきに韓国と衝突するしかない、というのです。しかも、台湾はその日米と強く協力関係にある、と。今日も同じ趣旨の記事がありましたが、なんと『日米台で事実上のチップ3になっている』とするなど、緊張感を増やすています。今回は特に後工程部門の話が多く、後工程分野で日本はトップレベルの企業をいくつも持っていて、相対的に有利な立場にある、などです。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・30年ぶりの「半導体復興」を夢見る日本が一番最初にぶつかる対象は、我が国だ。日本は昨年11月、トヨタ、ソニー、ソフトバンクなど自国代表8大企業をまとめて「ラピダス」という半導体企業を作り、2027年2ナノ半導体生産を目標に掲げた。米国IBMは現在、40ナノレベルのラピダスの2ナノを現実化させる「技術パートナー」として合流している。台湾TSMCが圧倒的なシェア(60%)で1位を守り、サムスン電子(12%)が後を追う世界半導体ファウンドリ(委託生産)市場に、強力な後発走者である「米日連合」が飛び込んだわけだ。

日本が主力する後工程分野は、システム半導体製造で最も注目される分野だ。髪の太さ10万分の1に該当する超微細ナノ工程高度化が物理限界に達し、後工程(包装・検査)分野で突破口を見つけるしかないからだ。 現在、日本にはイビデン、新光電気工業、レゾナックなど世界トップレベルの後工程分野企業が並んでいる。韓国はウェハに微細回路を刻む2ナノ前工程と後工程の両方で、日本と競争が避けられない状況だ。

 

グローバル協力も同じだ。 いわゆる「チップ4同盟」で、日本は米国、台湾と事実上「チップ3」という言葉が出るほど活発な協力関係を続けている。比較的離れている韓国とは異なる部分だ。米国、台湾半導体企業が日本に大規模生産拠点を増やせば、生態系の中心が日本に集まり、日本素材・装備企業の協力・供給でも自国が優先順位になる可能性がある(朝鮮日報)・・>>

記事はラプダスや日米台協力が成功できない可能性もあるものの、日本、米国、台湾はそれぞれ設計、素材・装備、先端製造で世界トップレベルであるため、その協力の結果は思ったより早く出るかもしれない、という意見を出す専門家もいる、としています。ある意味、1月の記事で「私たちの役割は?」としていたのと、同じ趣旨です。

 

 

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