代位弁済、早くも難関に・・裁判所、供託4件のうち1件を「受理せず」、2件を「返却」、1件を「補正勧告」

昨日の朝(二つ前)にお伝えしたばかりの「供託」ですが、早くも大きな壁にぶつかりました。供託申請を受けた裁判所は、4件全部通さず、1件は「不受理」としました。東亜日報など複数のメディアによると、2件は返戻、1件は補正勧告でした。返戻や補正の場合、裁判所が受け入れる気があるのかどうかまだなんとも言えませんが、「受理されなかった」のは早くも結論が出てしまったことで、尹政権の『代位弁済』案としてはかなり大きな問題になります。政府は「残念だ」とし、意義を申請しました。

裁判結果が確定している件だけだと、原告は15人です。その中の11人は尹政権の「解法」を受け入れ、財団からの代位弁済を受け入れました。しかし、4人が受け入れないでおり、今回の供託の対象になったのもこの4人です。個人的に書きたいことは、昨日すでに書きました。そもそ代位弁済で根本的に解決できる案件でもないけど、政権交代になればまたやり方が変わるのは、火を見るよりも明らか。なのに、法的基盤すらもこんなに揺れているようでは、もう先が思いやられるとしか言いようがありません、と。これから似たような裁判が進行中で、供託が不受理になったというのは、市民団体に「尹政権のやり方を無効化できる方法」として昨日するでしょう。ちなみに、複数のメディアが「これからも不受理が増えるのでは」としています。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・政府が「第三者弁済」解法を受け入れなかった原告4人の分を裁判所に供託しようとしたが、裁判所がこのうち1人に対して不受理決定を下した。 外交部(※外務省)は裁判所の決定に対して強い「遺憾」を表明し、異議の手続きに着手した。4日、外交部によると、政府は前日(3日)第三者弁済解法に応じなかった原告4人に支給するために準備した判決金と遅延利子を、裁判所に供託する手続きを開始した。だが、光州地方裁判所はYさんに関する供託について「不修理」決定し、Lさんへの供託は書類が不備であるという理由で「返戻」した。光州地方裁判所関係者は「Yさんの場合は代位弁済を受け入れないという書類をすでに裁判所に提出しており、その意思を明らかにしたので、不受理決定をした」と明らかにした。

 

全州地方裁判所も、Pさんの遺族への供託について書類不備を理由に「補正勧告」決定をした。残った1人の供託も書類不備を理由に返戻したという。政府は2018年最高裁判所の確定判決を受けた原告15人に行政安全部傘下の支援財団を通じて判決金を支給するという「第三者弁済方式」を発表した。 15人のうち11人は政府の案を受け入れて金を受け取ったが、残りの4人は政府の解法に応じない、または意思が確認されていない状態だ(東亜日報)・・>>

あくまで記事本文を読んでみただけですが、裁判所は不受理の理由を、Yという人が「受け入れない」と意思を表明したからだとしています。残りの3人については、意思表明があったのかどうか分かっていない、と。ということは、3人がどういう意志を示すかで、残りの「返戻」も「不受理」になる可能性があります。こういうところが、市民団体と尹政権の水面下での戦い(?)になるでしょう。

 

東亜日報は、不受理が1件でただけでも、「原告が同意しない『第三者弁済』供託の法的有効性について、議論はこれからも続くだろう」としています。それはそうなるでしょう。こうなることを、ユン政権は本当に予想できなかったのでしょうか。普通、解法を発表する前に調べておくものではないでしょうか。発表当時から、与党側は「供託は可能だ」としていましたが、(昨日のエントリーもそうでしたが)法曹界の見方は完全に分かれています。いまのところ、裁判所も積極的に受け入れる気はまったく無いと見えます。さて、これから似たような裁判結果がある場合も考えると、「供託」が通じないなら、代位弁済という解法は無効化される可能性もあります。ユン政権、また得意の圧迫で押し通すのでしょうか。

 

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