IAEAの報告書が、韓国で大きな話題になっています。いままでの報告書の通り「影響は微々たるもの」というものでしたが、中国、及び韓国の野党が強く反発しています。彼らの主張に同意するつもりは蚊の後ろ足ほどもありませんが(少しもありませんが)、共に民主党など野党側が与党(国民の力)に対して「3年前には一緒に反対していたじゃないか」とするツッコミだけは、「確かにそれはそうだ(笑)」としか思えません。実際、批判決議案なども、2021年には国民の力も賛成していましたから。
政府(ユン政権)はどうしているのかといいますと、報告書を尊重するとはしながらも、「安全と健康が最優先」とするなど、ハッキリしないスタンスです(本当に科学的検証結果を尊重するなら、こんなことを付け加える必要もないでしょうに)。ヘラルド経済によると大統領室は5日、「今後IAEAと日本政府が提示した実施及び検査計画が適切に実施されているかどうか、IAEAと日本政府との緊密な協力を通じて継続的にモニタリングする」、「原子力安全分野の代表的国連傘下の国際機関であるIAEAの発表内容を尊重する」、「政府は国民の健康と安全を最優先にする」としました。いろいろ微妙です。そんな中、マネートゥデイなど複数のメディアの記事によると、訪日中のグロッシーIAEA事務局長が、どうやら何度も似たような質問をされたそうです。大丈夫ですか?大丈夫です。本当に大丈夫ですか?といったふうに。
質問する側からは、同じ趣旨の質問でも「でも、それでも」といったふうに何度も繰り返すと、グロッシー事務局長から「なにか別の解釈ができるようなそうでもないようなよくわからない発言」でも取れるのではないか、と思ったのかもしれません。しかし、事務局長のスタンスは一貫しており、トリチウムの海洋放流について、「中国、韓国、米国でも普通に行っていることです」と話した、とのことでして。ちなみに米国は国務省スポークスマンは、ニューシースの書面質疑に対し、IAEAの努力に感謝する、日本の透明性のある管理してきたと返事し、改めて支持を表明しました。以下、ニューシースとマネートゥデイの両紙、<<~>>で引用してみます。
<<・・米国国務省の広報担当者は4日(現地時間)、日本政府の放流計画及び国際原子力機関(IAEA)の支持決定に関するニューシースの書面質疑に、「日本は2011年の余波を開放的かつ透明に管理してきた」 と明らかにした。スポークスマンは「日本は計画についてIAEAと積極的に協力し、科学に基づく透明な手続きを行ってきた」とし「私たちは日本の放流計画に対するIAEAタスクフォース(TF)の継続的な努力に感謝を示す」と述べた・・・・国務省は「IAEAの安全基準はすべてのIAEA加盟国の協議のもとに開発されたもので、人と環境を保護するための高い水準の安全に関する国際的な合意を反映する」・・・・「私たちは、日本が彼らの計画に関してインド・太平洋全域のパートナー及び科学者たちと協議したと知っている」と付け加えた(ニューシース)・・>>
<<・・(※何度も「本当に大丈夫か」「周辺国が~」な趣旨の内容が続いた後に)グロッシー事務局長は周辺国の反発についても意見を明らかにした。また「韓国や中国に処理水放流に対する懸念の声があることを知っている」とし、「IAEAは懸念に対して包括的で、中立的・科学的な回答をする組織であり、報告書が十分でなければ、公表しなかっただろう」と 言った。彼は日本が放流する予定に含まれるトリチウムについては「サンプルをIAEAはもちろん、世界各地の研究所に送って検証し、全て問題ないという結果を受けた」とし「トリチウムは中国の原発はもちろん、韓国、米国など世界多くの原発で以前から放流してきたし、これといって新しいことではない」と主張した(マネートゥデイ)・・>>
さて、先も書きましたが、いまのところユン政権は「科学的なことが重要」としながらも、水産物輸入関連措置を解除するつもりは無いというユンるい(ゆるい)スタンスを取っています。IAEAの報告書により、「科学的」は十分何とかなったはずですが・・これからどういう反応をするのでしょうか。
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