下半期から回復するだろうという展望も出ていますが、半導体分野で、サムスン電子やSKハイニックスの赤字がそれぞれ10兆ウォンになるのではないか、と言われています。この部分だけ中央日報の記事内容ですが、複数の証券会社などの分析(推定)によると、サムスン電子の半導体総括部門「DS部門」の赤字推定額は、会社によって異なりますが「今年10兆310億ウォン」から、「今年14兆7070億ウォン」まで。現在、約8兆ウォン赤字とされています(部門別の具体的なデータ公開がまだです)。ちなみに、昨年の場合は23兆8000億ウォンの黒字でした。記事は「衝撃の成績表」としています。SKハイニックスの今年の赤字推定額も、7兆7233億ウォンから最大11兆2280億ウォンまで。今年1~3月期3兆4023億ウォンの営業損失です。
本ブログでも13日に取り上げたことがありますが、そのメモリー半導体大手SKハイニックスを傘下に持つSKグループのチェテウォン会長が、『中国を代替できる市場は無い(中国市場を失うと回復できない)』と話しました。個人的に、発言内容よりも、このタイミングでSKの会長が言ったという事実そのものについて、興味深いと思いました。マイクロン社問題とか、まだまだ現在進行中のはずですが。一部のメディア、たとえばファイナンシャルニュースもこの件で、「代替できないというけれど、これ、抜け出せなくなったという話ではないのか」という記事を載せました。なにせ、中国大連にある今の工場の代金もまだ支払いができていないし、核心とされるもの以外の資産を売却してまで、大連に第2工場の建設を進めている、とのことでして。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・チェテウォンSKグループ会長が最近「中国代替不可論」を出して、SKハイニックスの中国事業に関する議論が起きている。SK会長が中国事業撤収説を一蹴したが、莫大な業績不振と投資金の準備、米中対立リスクなどで、SKハイニックスはわなにはまった形だ。16日、関連業界によると、SKハイニックスは中国事業進出以後、最大のジレンマに直面した。2020年インテルから中国「大連」市の工場を買い入れたSKハイニックスは、残りの買収代金20億ドルを2025年3月までインテルに支給しなければならない。米国の関連措置の余波で中国事業の実績が急降下するなど、しばらくは兆ウォン単位の赤字が続くと思われる状況で、資金確保にエマージェンシーがかかったのだ。昨年5月に着工した大連の第2工場投資にも莫大な金額が投入されている。最近、中国圏のメディアがSKハイニックスの実績不振を挙げて、大連工場の売却説を報じているのも、このためだ・・
・・しかし、SKハイニックスの立場としては、米中対立に伴う実績不振にも、中国事業をあらめるわけにはいかないのが現状だ。世界最大の半導体需要先である中国で、SKハイニックス全体の売上の30%ほどが発生している。SKハイニックスの今年の1~3月期、中国現地法人の合算売上1兆5461億ウォンだった。前年同期(3兆8185億ウォン)比59.5%減少した。しかし、それでも中国の売上比重は依然として高く、30.4%におよぶ。中国での生産を縮小した場合、今後のメモリー業況の回復時期にチャンスロスもありえる。
SKハイニックスは、中国に建てられたNAND工場の他、「無錫」にDRAM工場と、「重慶」に後工程(パッケージング)工場を運営している。無錫と大連工場はそれぞれ10ナノメートル中・後半台のDRAM、144段・96段NANDを主力で生産する。SKハイニックスが生産するDRAMのうち、無錫工場の割合は50%水準であり、全体NANDの30%ほどは大連工場で生産される。SKハイニックスは、核心ではない資産を売却しながら投資金確保に総力を注ぎ、中国大連2工場など予定された投資は計画通りに進行する方針だ。SKハイニックス関係者は「大連工場の売却説は事実ではない」とし「完工後、設備投資は投資基調に合わせて弾力的に進行するだろう」と話した(ファイナンシャルニュース)・・>>
引用部分にはありませんが、記事には「SKだって、脱中国することも、多分、考えているだろう」との予測も載っていますが・・会長自ら「中国は代替できない市場」と話す必要があるのでしょうか。ちなみに、この大連の工場、米中対立が本格化する前にインテルがSKに売ったものです。評価はともかく、インテルさん、本当にすごいことをやったものですね。
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