一部の韓国メディア、「結局は輸入再開することになるのでは」・・理由はCPTPP関連で、「科学的に安全だから」という文章は無し

20日に取り上げたことがありますが、外務省がわざわざ韓国メディアの記者たちを集めて懇談会を開き、『水産物輸入再開を公式に要請した』と話した、というニュースがありました。YTNはこの件で「安全性を説明するオンライン懇談会で、日本外務省関係者は『正式外交チャンネルを通じて韓国側に(水産物輸入再開を)要請した』と話しました。日本政府が正式に要請事実を明らかにしたのは、今月初め、国際原子力機関(IAEA)と韓国政府が処理過程が安全基準に適合すると発表してから、初めてです」と。20日にはYTNだけが報じていましたが、なぜか2~3日経ってから、ノーカットニュース(CBS)など、他の一部のメディアからも同じ内容が報じられるようになりました。

なぜ3日間のタイムラグがあったかは分かりませんが、内容はほぼ同じで、ノーカットニュースは『放流の後、結局は輸入を再開することになるのでは』という趣旨を書いています。ストレートに書いてあるわけではありません。「放流のあと、『大きなもの』が来る」としています。この記事もそうですが、他にも似たような趣旨の記事はいくつか出ていますが、揃いも揃って、その理由は「CPTPP」です。他の国々が解除したのもCPTPPのためだし、ユン政権もCPTPPのために解除するだろう、と。「科学的に安全だから」という内容は一行もありません。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・18日、日本政府は韓国の記者たちと懇談会を開き、外務省関係者は「外交ルートで正式に韓国政府に輸入再開を要請した」と明らかにした。水産物輸入再開要請は段階的に進行している。今月初め、国際原子力機関(IAEA)が処理過程が安全だと発表した後、それを待っていたかのように、日本政府は韓国政府に輸入再開を要請した事実を公式に明らかにした。5月には、野村哲郎農林水産相は国務会議の後に記者たちと会って「視察(※5月の視察団の訪日のこと)とともに、輸入解除も要請したい」と話した・・

 

・・現在、韓国政府は汚染水の放流と水産物の輸入規制は異なる問題だという立場だ。しかし・・(※55カ国が行っていた輸入関連措置は)・・経済的「連帯」によって崩れている。日本が主導している包括的・漸進的環太平洋経済同伴者協定(CPTPP)が輸入関連措置の壁を崩している状況だ。台湾政府は去年2月、5県の農産物と食品の輸入を再開した。背景にはCPTPPが作用したという分析だ。日本主導で創設されたCPTPPは、アジア・太平洋地域11カ国が参加し、包括的な自由化と市場開放と参加国間貿易障壁の解消を目指している。 最近EUを脱退したイギリスが加入して12カ国に増えた。2020年基準のCPTPP 11カ国は、全世界GDPの13%、貿易額の15%を占める巨大経済圏域として急浮上した・・

 

・・ユン政権は任期初め、CPTPP加入を国政課題とし、加入書提出を推進したが、農民団体などの反発と低い支持で実行に移すことができなかった・・・・CPTPPは日本を中心に勢力を拡大してきた。多国間貿易機構で日本の影響力が強くなり、日本政府はCPTPPを輸入再開のための手段として活用している。最近CPTPPに加入したイギリスは昨年6月、9県の23品目の輸入関連措置を解除した。 ボリス・ジョンソン当時イギリス首相は岸田文雄首相と福島産ポップコーンを一緒に食べるパフォーマンスを披露した・・

・・もし韓国政府がCPTPP加入を本格的に推進する場合、韓国政府も台湾のように輸入再開の手順を踏むだろうという分析が出ている。これに欧州連合(EU)も最近、輸入再開を決定し、日本政府の輸入再開要請の圧迫レベルが一層高まる見通しだ。先月、国会での質問で「CPTTP加入交渉過程で日本が輸入再開を条件にしたら、どうするのか」という共に民主党議員の質疑に、ハンドクス国務総理は「CPTTP加入を検討しているが、輸入再開はしない」と話した。食薬処関係者も「EUが解除したことに関連し、韓国政府の立場が変わることはない」と話した(ノーカットニュース)・・>>

 

このように、「放流は安全だ」とする意見は複数のメディアに載っていますが、どの記事にも「科学的に安全だから再開していもいいのでは」という主張はありません。ユン政権も、グロッシーIAEA事務局長の「水に問題が無いなら、水産物にも問題は無い」とした発言を、「輸入関連措置との因果関係は無い」としています。あるでしょう、普通。ちなみに、台湾やイギリスなど、多くの国が輸入を再開しましたが、それと関連して該当国家で何か騒ぎが起きた(国民が強く反対した、など)とか、支持率が下がったとか、そういう話は聞いたことがありません。というか、ユン政権としては、CPTPP加入書をまだ出していませんので・・確か、公聴会までやって、そのあとウヤムヤでした。まずは提出できるのかどうか、それがステージ1になるでしょう。

 

 

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