ジャンボリー(世界スカウト大会)について、今回は引用は少なめにして、個人的に複数の記事をまとめる感覚で書いてみたいと思います。すでに韓国だけでなく米国、英国など各国のメディアが伝えている通り、ジャンボリーは「リアルすぎるサバイバル体験」になりました。報道内容も、もはや国家レベルで誰かが責任を取るべきだという話が出てくるほどでした。実際、JTBCのワシントン特派員によると、米国、英国では韓国からの、何かの政府レベルのコメント(大会運営に関する)を期待するという声が上がっている、とのことでして。
ニューヨーク・タイムズの記事が元ソースですが、ジャンボリー大会に参加した隊員のお母さんは「(※約)85万円以上のお金が必要でした。そのお金を用意するために家族がどんな思いをしたのか、息子はよく知っています」、「脱水、嘔吐などの症状でくるしんだのに、治療も受けられなかった」などと話し、政府レベルのコメントを期待している、と話しました。すでにジャンボリー会場から離脱したイギリスの隊員たちも、ソウルのホテルに止まったのに5人以上が似たような症状で病院行きになった、というニュースもあります。
5日あたり、ユン大統領が本件を強調するようになってから、一部のメディアがジャンボリー関連で報道の方向性を変えました。「楽しく遊んでいる隊員たち」「Kポップに夢中」、「現場を見ると、記事とはぜんぜん異なる光景」などの記事から、ユン大統領がジャンボリー会場を離れて観光バスなどで「文化体験プログラム」を行えと話したことで、「セマングム(会場)のジャンボリーが、韓国のジャンボリーになった」という題で、まるで喜んでいるようなニュアンスの記事もありました。急造されたプログラムで何ができるのか、そもそもそれは世界スカウト大会なのか、普通は、そこに疑問を提起すべきではないでしょうか。ちなみに、左側の代表メディアの一つではありますが、オーマイニュースが同じく「急に報道内容を変えたメディアがある」との趣旨で記事を載せたりもしました。
昨日の午前(2つ前のエントリー)、エキスポを釜山に誘致するために「どうしても大きなイベントを成功的に開催できたという実績」を、先進国とされる国々に示したいユン政権。そのための取材、インタビュー制限。そんな中、メディア自ら『規則を守らなかったのは事実です』としながら、取材が許可されている『デルタ・エリア』以外のエリアを取材したメディアがあります。ディスパッチという名のネットメディアです。このメディアは、実際に隊員たちと一緒にテントに入って『長くいられる状態ではない』と現場の状況を伝えたり、取材中、消火器が一つしか目につかなかったこと、シ◯ワー室の入り口がノレンのような薄いカーテンだけ、コンビニのボッタクリ価格を実際に取材するなど、他のメディアより具体的な記事を載せました。
メディア側によると、この報道のあと、コンビニ側は価格を普通に戻した、とのことです。しかし、このディスパッチはまた新しい記事を出し、「私たちが取材をしたことで、現場の取材制限がもっと強化されました。この事、他のメディアの方々に申し訳ありません」と話しました。ディスパッチは新しい記事で、前回の取材のまとめを簡単に載せましたが、そこにはこういう内容もあります。
<<・・(取材が許可されている)デルタエリアだけでは、分からないことだらけです。前の記事で言及した内容以外にも、記事に入れられなかった問題もたくさんあります。生活環境部分のみ優先的に取り上げました・・・・国内の一部の学校の隊員たちは、ペイバックのために(家に帰りたくても)帰ることができないと言いました。最後まで残っていないと、(※教育庁からの支援以外の分だと思われます)150万ウォンのうち100万ウォンを返してもらえないと言います。その部分はもう少し調べる必要があるでしょう。 私たちの取材で、組織委の制限がさらに強くなったと聞きました。不本意とは言え、他のメディアの方々にご迷惑をおかけして申し訳ありません(ディスパッチ)・・>>
それでも会場に残っている隊員の場合、もちろん自分または該当チームの意志で残った人もいるでしょうけど、『国によっては、大勢の人員の移動・宿泊させられる予算が無い』のを一つの理由とする指摘もあります。宿泊施設も問題でしょう。イギリスの隊員たち、4000人以上が一気に動いたそうですが、ホテルの確保が大変だったと聞きます。米国の場合は米軍駐屯地に行きました。 最後に告知ですが、おかげさまで好評の新刊の一部が、週刊SPAに掲載されました。リンクはヤフー版です。抜粋したものではありますが、よろしければ、ぜひお読みください。
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