もうすぐ、日米韓首脳会談です。日本時間だと明日の4時あたりに共同声明の発表になるのでは、と予想されています。共同軍事演習の定例化、有事の際の協議(関連記事だと「consult」)及びホットライン開設、そして台湾有事に関わる『何か』の3つはほぼ間違いないとされていますが、さて、共同声明にまで入るのは、どういう内容になるのでしょうか。『協議(相談?)』もそうですが、事前の報道内容では、特にそれ以外の2つの案件については、ユン政権は慎重な立場になっていると伝えられました。台湾の場合、どうしても在韓米軍の投入を認めることになります。共同軍事演習も、本格化すると、今までのような北朝鮮ミサイル関連だけではなくなります。どちらも、中国との関係に影響することになるからです。
そんな中、現地時間16日のことですが、米国側が今回の日米韓首脳会談のために、かなり多彩な(?)発言をしています。韓国日報はこの件で「米国側は、雰囲気作りのためにかなり努力している」としながら、「ユン大統領のお父さん(この前、亡くなりました)は日本で滞在したことがあり、日本を愛していた」「IAEA報告書を日米韓は大まかに受け入れた」「放流計画は、信じられないほど透明で科学的である」「(ラムエマニュエル大使が)来月、福島で魚料理を含めたディナーを楽しむ」などを紹介しています。どれも、かなりハイレベルな人たちの発言です。これ、ユン大統領の立場としては、ちょっと・・な内容ばかりですが。ま、そこはともかくして、<<~>>で引用してみます。
<<・・米国ホワイトハウスの外交安保・公報責任者が総出動して、18日(現地時間)キャンプデビッドで開かれる日米韓首脳会議の盛り上げに乗り出した。彼らは「安保・技術・教育」など3分野を中心に協力強化のためのイニシアチブを発表するとした。特に日韓関係の改善の重要性を強調し、ユン大統領の8月15日演説と、先親であるユン・ギジュン延世大名誉教授の日本滞在経験まで取り上げ、注目された。「ホワイトハウス外交安保・公報責任者が総出動(※見出し)」カット・キャンベル ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)インド太平洋調整官は16日、ワシントン・シンクタンク・ブルッキングズ研究所主催の対談行事で、「(日米韓首脳会議で)3国関係強化のための一連の野心的なイニシアチブを見ることになるだろう」と話した。 彼は「安全保障をはじめ、技術、教育など3つの分野で交流が深まるだろう」とし「人的交流投資も拡大し、教育イニシアチブも発表する」と強調した・・
・・首脳会議の年例化、3国国家安保補佐官及び外交長官会談定例化、3国首脳を含む政府間ホットライン構築などの協力強化方案も紹介した。フーパー局長は特に、ユン・ギジュン名誉教授について言及しながら「故人は1967年交換学生として日本を訪問して日本および日本国民を愛するようになった。根本的な次元で韓国と日本は共に行かなければならないと信じることになったのだ」と話した。このような父親の経験が、ユン大統領の世界観などに影響を与え、関係改善に乗り出すようにしたのだろうという解釈も添えられた・・・・キャンベル調整官は、日本の放流関連の質問に、「国際原子力機関(IAEA)がとても明確な調査結果を発表し、日米韓ともに概ね受け入れた」と答えた。ラムエマニュエル大使は「今月末、福島に行って魚料理を入れてディナーを楽しむ」とし「(放流計画は)信じられないほど透明で科学的基盤を備えた」との主張も広げた(韓国日報)・・>>
さて、どうでしょうか。3カ国が一つの声を出すなら別にいいですけど、早くも「どうかな」な記事も出ています。今回、いくつかの協議体を新設するという話が出ていますが、YTNによると、すでに韓国大統領室のキムテヒョン国家安保室1次長は、「3国共助は、いままでに比べ、インド太平洋まで範囲を広げることになるだろう」としながらも、「ただ、安保面においては、お互いに協議するというだけであり、お互いに守る義務を持つわけでもなく、集団同盟になるわけでもない」と話しました。そうだとしても、まだ会談もしていないのに前もってこういう発表をする理由は何でしょうか・・って、考えるまでもないでしょう。
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