国会で、国家情報院(安保のための情報機関)の院長が「北朝鮮は、韓国内の共助勢力、地下網(原文ママ)などに、処理水海洋放流に反対活動をするよう、持続的に指令を出している」と話しました。実は非公開会議での発言ですが、与党議員が記者たちに内容を話しました。北朝鮮に共助する勢力、および地下ネットワークというのが詳しくどこの誰のことかはわからないし、相応の資料を示したのかどうかも分かりません。それに、今までも同じ趣旨の話は何度か出ていましたが・・それでも、今回は政府組織の責任者が国会で話した内容なので、さすがに影響力が大きく、いままでより多くのメディアが取り上げています。
また、ちょうど昨日「分かりやすい構図になった」という内容をエントリーしたばかりですが、同じ場で、ロシアの国防長官が北朝鮮に中露北共同軍事演習を提案したことも明らかになりました。この前の日米韓首脳会談での動きを意識したものでしょう。また、ソース記事のKBSの報道によると、弾道ミサイルばかり話題になっていますが、北朝鮮が実際の朝鮮半島有事の際に考えているのは、既存兵器と、射程距離が短い戦術核兵器の運用であり、どうしても長期戦は避けようとするだろう、などなどの発言もありました。以下、いくつかの発言内容をまとめて、<<~>>で引用してみます。
<<・・国家情報院は、放流と関連して、北朝鮮が国内地下勢力に「反対活動指令」を下していると明らかにした。キムギュヒョン国政院長は4日、国会情報委員会の非公開会議で、「放流の件、北朝鮮の反応が中国に比べて相対的に弱いのではないか」とする共に民主党のキムイギョム議員の質問に、このような趣旨で答えたと、国民の力の情報委幹事 ・サンボム議員が伝えた。続いて、「北朝鮮は現在、国内の共助勢力や地下網に、放流反対活動をするようにする指令を持続的に出していることが把握できている」と述べた、と付け加えた(※共助勢力って何か、という質問もあったとのことですが、それについて院長は「韓国内の反政府組織」と答えました。この部分だけ、聯合ニュースなど他の記事の内容です)・・
・・国情院はまた「北朝鮮は、有事の際には、在来式兵器と戦術核兵器が結合された短期戦を考えていることが明らかだ」とした。国情院は最近、北朝鮮の金正恩国務委員長が韓国の忠清南道ゲリョン大学付近をターゲットにして作戦指示をしたことなどと関連して、「外部的に見ると、米韓連合軍事演習である「UFS訓練」に対するものと見えるが、金委員長の歩みと北朝鮮の戦力を見ると、北朝鮮は有事の際に長期戦はできず、短期戦に持っていこうとする意志を表しているもの」と情報委に報告した。それとともに「最近の短距離巡航ミサイルを北朝鮮が2発発射したが、北朝鮮は全部成功したと言ったが、国防部は1発は成功し、1発は失敗したとし、国政院の判断も国防部と同じだ」と分析した(KBS)・・>>
こちらも別ソース、SBSの記事からですが、「北朝鮮は海軍力が足りず、現在400~800mの間、あるいは1500m上空で持続的実験がある。これは戦術核の力を実験するためのもの」がその論拠のようです。確かに、朝鮮半島内なら戦術核兵器だけで十分すぎる気もします。前は在韓米軍も持っていましたが、いまはありません。ユン大統領が大統領候補だった頃から戦術核再配備を主張しましたが、いまのところ、何の進展もありません。また、国情院長によると、7月に訪朝したセルゲイ・ショイグ ロシア国防長官が、金正恩国務委員長との面談で、北朝鮮・中国・ロシアの連合訓練を公式に提案した、とのことです。
朝鮮戦争停戦協定締結70周年を迎え、7月25~27日に訪朝して金正恩委員長と会ったことがあります。その際に、そんな提案があった、と。院長によると、すでに「大まかな軍事協力案には合意済みだと判断される」、とも。さて、もっとも気になるのは、やはり指令のことですが・・非公開会議での発言なので(与党議員が伝えたとのことですが、これ公開していいのでしょうか)、詳しい根拠は分かりません。しかし、心が曇っているからか、私はすぐに「あるある。多分、本当だろうな」と思ってしまいました。これが国内だけだろうか、とも。
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