韓国の半導体・バッテリー、ウクライナ事態などで中国依存度が急増・・「日本をベンチマークしよう」など

これもまた随分前から話題になっていた件ですが・・半導体やバッテリーなどにおいての、中国依存度問題です。韓国経済が今年1~7月のデータを調べたところ、中国からの輸入はむしろ増えており、ウクライナ事態などで一部品目は中国からの輸入が4倍に増えた、とのことでして。中国からの輸入に頼っているのは韓国だけでもありませんが、たとえばレアメタルにおいて、日本は中国依存度を2007年91.7%から、2022年には65.6%まで減らすことができました。一部からは、このような日本の動きをベンチマークすべきだ、という声も出ています。

韓国貿易協会のジャンサンシク氏によると、オーストラリアとのFTAにはお互い輸出関連措置を取らない内容も含まれています(こちらは韓国日報です)。日本のJOGMECと双日がオーストラリアのライナスとレアメタル契約を締結したことなどを含め、日本の場合は外交はもちろん官民がともに努力している、とも。しかし、韓国の場合は、「第3国に、中国企業と合作企業を作ろう」というやり方が目立っていると氏は指摘しています。これは、中国からすると米国のインフレ抑制法を回避することができ、韓国企業からすると原材料を安く手に入れることができるからです。しかし、ジャンサンシク氏は、「その第3国の会社も、いずれ米国の関連措置の対象になる」と指摘します。関連データとともに、両紙の記事を<<~>>で引用してみます。

 

<<・・韓国経済新聞が11日、関税庁品目分類体系(HS)を通じて今年1~7月の輸入現況を分析した結果、二次電池、半導体、鉄鋼、石油化学、自動車など国内5大製造業に活用される原材料の多くは中国産だった。 通常、国内企業は中国から原材料と一次加工素材を取り込んで完成品を製造する。 中国が生産する原材料が多様なうえ、距離が近く、輸送費も削減できるからだ(※画像のデータ一部・・前駆体96.6%、人造黒鉛93.7%、マグネシウムインゴット99%、ネオジウムマグネット85%など)・・半導体生産に使われるレアガスであるネオン(中国からの輸入85%)・キセノン(67%)・クリプトン(51%)の場合、主力生産国はウクライナとロシアだった。

しかし、ウクライナ事態により、国内企業の中国依存度が高くなった。二次電池用正極材の核心素材である前駆体も中国依存度が大きい。国内の二次電池主力であるNCM(ニッケル・コバルト・マンガン)系列及びNCA(ニッケル・コバルト・アルミニウム)系バッテリー基準で、前駆体の中国産輸入依存度は今年1~7月96.6%に達した。負極材原材料である人造黒鉛(93.7%)をはじめ、水酸化リチウム(80.4%)、酸化コバルト(69.5%)など他の電池原材料も高い・・

 

・・中国からの原材料の供給がないと、国内バッテリー産業が止まるというのが業界の指摘だ。自動車産業でも制動装置、ハンドル、エアバッグなど付属部品の中国輸入は60%に達する。新型コロナの影響でワイヤリングハーネス(電線束)を生産する中国工場が閉鎖し、国内自動車メーカーは部品調達できず、工場稼働を中断したこともある。専門家たちは、中国が米国との貿易対立や台湾との関係などで原材料供給を調整するようになれば、韓国がもっとも大きな打撃を受けると懸念している(韓国経済)・・>>

 

<<・・貿易協会のジャン室長は、特に、日本がレアメタルの中国産依存度を2007年91.7%から昨年65.6%まで減らした事実に注目した・・・・日本国営企業のジョグメック(JOGMEC)が総合商事双日(Sojitz)と共同でオーストラリア鉱山企業ライナスに2億5,000万ドルを投資して、自国需要の30%を調達することになった影響は大きい。公共と民間部門が共にレアメタル自立を推進し続けてきたモデルという点で、私たちにも示唆するところが大きい。

中国が、インフレ抑制法(IRA)で米国から補助金を受け取れなくなり、最近韓国と協業しようとする試みが増えているとジャン室長は伝えた。安価な原料の供給を受ける機会で、第三国で中国と合作会社を作ろうとする韓国企業が増えているということだ。ところが、このような合作会社は、米国の「海外懸念機関」に指定されれば、税額控除対象ではなくなる可能性がある。結局、バッテリー原料をはじめとする核心鉱物を安定的に確保するためには、国別にカスタマイズされた進出戦略が重要だという診断だ(韓国日報)・・>>

 

今日の更新はこれで終わりです。次の更新は、明日(14日)の11時頃になります。また、拙著にも最後の部分にちょっとだけ書きましたが、ついに伊勢神宮に参ることになりました。「ありがとうございます」ちゃんとお伝えできればと思います。日付はまだ内緒ですが、あとでまた告知いたします。

 

 

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