イラン、送金(移転)されたばかりの韓国内凍結資金に「利子」と「為替レート差額分」も要求か・・日本の場合はどうなのか

長い間ネタ(?)にされていたイラン凍結資金が、とりあえず解決となりました。イランと米国は、韓国内に凍結されていたイランの資産約60億ドル(多くの記事にドル表記されていますが、ウォン貨資産だとされています)の解除と、イランに拘留されている米国人5人の解放に合意したからです。韓国政府は19日、カタール、スイスなどの協力のもと、資金が無事移転されたと発表しました。ですが、聯合ニュースによると、どうやらイラン政府は「利子」と、為替レートによる分まで要求する構えのようです。利子とは、韓国の銀行がこの資金を所有していたことで発生した利子のことで、それもイランのものだから、返すべきだというのです。まず<<~>>で引用してみます。

<<・・国内銀行に凍結されていたイラン石油輸出代金と関連、イラン政府が韓国側の銀行に利子まで請求する案を推進中だ。18日、複数のイラン外交情報筋によると、イラン政府は米国のイラン経済・金融関連措置により、過去4年間、韓国銀行、IBK企業銀行、ウリ銀行など銀行3ヶ所に預けられた約60億ドル(約8兆ウォン) の利子を受け取るために法的検討に着手した。イラン政府関係者は同日、聯合ニュースに「韓国内の金融機関(銀行)に凍結された石油輸出代金で、これらの金融機関が不当に利子所得を得た」とし「金の所有者に利子を返すのは当然だ」、「私たちの石油資金が凍結された時は、ドル当たり1100ウォン台だったが、今はウォン価値が下落して1300ウォン」とし「ウォンをユーロに両替して送金されるため、大きな損をした」 と主張した(聯合ニュース)・・>>

 

為替レートの変動によるものは、凍結資金総額の約10%だとされています。さて、ただでさえ税収不足により、来年度予算が「事実上のマイナス予算」になったユン政権。この件でどう対応するのか気になるところですが・・それより、日本の場合はどうなのかが気になります。日本にも同じくイランの凍結資金があり、規模は約15億ドルです。イランのイブラヒム・ライシ大統領は、韓国内の資金凍結が解除されたあとの8月29日、日本に関してもこの件を言及しました。日本側のマスコミは「イラン大統領が資金凍結を要求した」という内容だけ伝えるところが多いですが、ARABニュースによると、その後に妙なことを言っています。まず大統領は「日本は米国と独立した行動を取り、我が国の資産を凍結解除すべきだ」としましたが、それから、「明確にしておかなければならないのは、我が国の中央銀行が以前、不正に凍結された我が国の資産は韓国のみにあると述べたことだ。その他の国外資産は全てイラン中央銀行が自由に使える状態にある」。ARABニュースはこれを「先『凍結されている』と言っておいて、発言が揺れてないか」としています。

 

ただの発言ミスだった・・とも言えますが、個人的に、日本の場合は「米国が原因」としており、韓国の場合は「不正行為」としている・・そんな差があるのも気になります。そうでないならわざわざ言う必要ないでしょう。これは、ま、個人的な見方にすぎませんが、まず2014年に、米国による関連措置が緩和された隙に、日本は凍結資金を送金しています(代金ですから)。だから原因を米国とし、「米国とは別の行動」を強調したのではないでしょうか。韓国の場合、2021年2月23日朝鮮日報(朝鮮BIZ)によると、当時イラン政府は、韓国に凍結されている資金の移転・使用と関連し、韓国政府と合意したと発表しました。しかし、韓国政府は、イランと凍結資金解消のための詳細な手順に合意しただけで、米国との協議手続が残っているとし、当時、送金に応じませんでした。

 

<<・・イラン政府は現地時間22日(※2021年2月)ホームページに掲載した声明で、アブドルナーセル・ヘンマティー中央銀行総裁が、ユ・ジョンヒョン イラン駐在韓国大使に会って、韓国内の凍結資金の移転と使用方法を合意したと発表した。声明によると、双方は、前日の会談で、韓国内と凍結資産をイランが希望する場所に移転することに合意し、イランの中央銀行は、韓国側に移転資産の規模と目的地の銀行を通知することにした。国営IRNA通信は、イラン中央銀行の発表を引用して、ヘンマティー総裁がユ大使に会って、韓国内の凍結資産の使用方法に合意したと報じた。 IRNA通信は「この日の会合は、韓国の要求に応じて行われた」とし「ユ大使は韓国政府が韓国にあるイランの全ての資産を使用するために必要なすべての措置をする準備ができており、これに関連し、何の制限や制約はないと話した」と伝えた(朝鮮BIZ)・・>>

 

当時もイラン側は、「韓国のアプローチの変化を歓迎するが、韓国側の銀行が、数年間イランとの協力に応じなかったことについて、法的手続きを継続する」としていました。当時、韓国のタンカー船がイランで拿捕される事件がありましたが、この凍結資金が一つの理由だとされていました。この「合意のように見せかける」ものは、そのためのものだったかもしれません。結果的に、解除・送金はありませんでした。このような経緯があるから、先の大統領発言のように、韓国政府に対するスタンスがここまで強いのではないか・・と。個人的な推測ですが。

 

 

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