韓国政府、最大級の税収不足に外国為替平衡基金債権を使用・・各種支援無しで来年GDPにも大きな影響か

韓国政府の税収不足が、大きな話題になっています。先月あたりから複数のメディアが取り上げ、2回だったか3回だったか、本ブログでも取り上げたことがありますが、18日、ついに政府(企画財政部)が認めて、59兆ウォン、約6兆円の税収不足が発生しそうだと発表しました。政府側が認めたのはこれが初めてです。ユン政権は、今年の予算として、国税収入400兆5000億ウォンを含む総625兆7000億ウォンの収入を仮定し、今年の総支出として638兆7000億ウォンを確定しました。また、景気対策として、6月末まで、その65%を執行しました。言い換えれば、多めに見積もって65%も使っちゃったのに、実際にはお金が手に入らなかったわけです。

この件、実は、金利と関係があります。一つ適当にたとえてみますと、油類税といって、ガソリンなどには1リットル820ウォンの税金が付きます。これを、政府支援として615ウォンに減税措置を取っています。今も予定より長く延長しているところですが、財政が足りなくなって、この措置(こういう形の各種措置)を終了すると、物価が上がることになります。そうなると、ただでさえ上昇圧力が半端ない基準金利において、大きな負担となります。普通に考えると、中央銀行としては、金利を上げることになるでしょう。それは、家計債務やPF(プロジェクトファイナンス)など、各種民間債務で支えられている韓国経済に大きな影響を与え、不動産価格のさらなる低下にも繋がります。その場合、来年の総選挙にも影響することになるでしょう。

 

また、地方交付税交付金が劇的に減ることになります。複数のメディアによると、各自治体に送る地方交付税は約23兆ウォン。これが普通に執行できるはずはなく、「税収減少による自治体の影響は避けられない。地方交付税・交付金は計23兆ウォン(38.9%)です。単純計算で、この不足分を地方政府が負担するわけです。その分、いろんなものが消えるでしょう。たとえば、「余計な工事」とか。こういうのもGDP集計に含まれてきました、さて。また、半導体など、世界各国が競争的に支援・誘致に頑張っている案件でも、各種政策において大きな遅れを取ることになります。JTBCなど複数のメディアによると、政府はこの不足分をなんとかするために、外国為替平衡基金債権を利用するとしています。この部分については、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・こうして税収が足りない分、それではどう埋めるのか。外平基金(※外国為替平衡基金が政府保証付きで発行した外貨債権)からお金を引き出す、こう話しています・・・・外平基金は、ウォンが弱くなったらドルを売って、ウォンが強くなったらウォンを売ります。すなわち、実は外国為替を調整する基金です。現在の為替レートを見てみると、ウォン弱の可能性が大きいです。一般的にはそうです。だから、すぐには手元にあるウォンを売ってウォン価値を引き下げる可能性はないので、それなら、これを税収不足分に回そう、そんなやり方のようです・・

 

・・ただ、2007年を振り返ってみても、1996年を見てもそうですが、当時、貿易も大変で、経済もよくない時期でした。1996年はIMF期の直前で、2007年は2008年グローバル金融危機の前年です。ところで、(※普通ならウォン安になると思われていたのに)そんなときに限って、ウォンが強くなっていました。当時、ドルウォン為替レートが800ウォン台までウォン高になっていました。私たちとしては、為替レートが1400ウォン行くのも経済に問題ですが、輸出が主導する経済なので突然為替レートが1000ウォンまで動いても、実はこれも負担になります。ところが、今回外平基金を使ってしまえば、今後ウォン高の時にはどうすれば為替レートを防御することができるのか。そんなことも考えてみなければならないでしょう(JTBC)・・>>

 

 

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