「ソビエト共産党出身でも、独立運動家なら軍のルーツになれるのか」議論・・まだまだ賛成が優勢

2019年頃、本ブログでも取り上げましたが、文在寅大統領が始めた「北朝鮮・ソビエトの共産主義関係者でも、1945年前に独立運動をやったなら、その人は英雄になれる」及び、「それこそが、現在の軍のルーツである」に関する議論。2018年~2019年、臨時政府が正規軍だったと主張する「光復軍」の司令官、金元鳳(キムウォンボン)を国家有功者にするところで、この件は大きな議論に展開しました。彼は戦後、北朝鮮に渡った人で、朝鮮戦争にも関わっていたとされていたためです。

そもそも、光復軍というのは事実上、中国軍の傘下にあった部隊のような立場で、それ自体を『軍』と呼べるのかが疑問ですが、そういう部分は、『いつものこと』でして・・キムウォンボンについては、その共産主義勢力との関係が明らかだったため、結局、文在寅大統領が一歩下がることになりました。ほかはともかく、朝鮮戦争に関わっていた(ソビエト側に許可を得るために訪問するなど、結構重要な役割を果たしたと言われています)ことが大きかったからです。ただ、その後、キムウォンボンよりは多少『不確か』な人たち、すなわち北朝鮮などとのつながりがはっきりしない人たちを、『英雄』に立ち上げる動きが始まりました。

 

その中の代表的な人物が、洪範図(カタカナ表記だとホンボンド、またはホンボムドになります)です。彼は、ソビエト共産党所属で、部隊を指揮していました。文大統領は、彼を積極的にアピールしました。「私たちの軍のルーツの一人である」と話したこともあります。そして、2018年、陸軍士官学校に、彼を含めて5人の胸像が設置されました。2019年の記事をいくつか見てみると、『キムウォンボン以外にも大勢の英雄がいた!』な内容が目立ちますが、そのほとんどは、私は聞いたこともない人物ばかりです。たとえば、2019年4月19日のYTNの記事を見てみると、何人か載っていますが、全員、初耳です。「ホンボンドの指揮で日本相手に何度も大勝利したことがある。遺体はまだ外国にある。もっともっと記念事業を広げるべきだ。ちなみに私(YTN出演者)はホン・ボンド記念事業会の理事長あります」、といったところです。

米韓同盟を強調したいユン大統領及び保守側にとっては、この『軍のルーツ』は気になる案件です。国防部長官候補者であるシンウォンシク氏は、「2017年8月28日国防部の業務報告の際、文在寅当時大統領は、『独立軍を軍のルーツにできるよう、教育内容を改編せよ』と指示した、とのことでして。その意図は、明らかです。そして、ロシアによるウクライナ事態などもあって・・8月31日、士官学校から、ホンボンドの胸像を移転することになりました。しかし、これはまた大きな議論になりました。そして、KBSの最新の世論調査結果によると、移転反対が63.7%でした。これは「胸像移転」という一つの案件に対するものなのでこれですべてを判断することはできないかもしれませんが、どうやら、文大統領が残した『共産主義側でも英雄は英雄で、軍のルーツもそこにある』という認識は、相応の効果を出し、いまでも支持されていると言えるでしょう。以下、<<~>>で引用してみます。また、同じ記事に処理水放流関連調査結果もあったので、一緒に引用してみます。

 

<<・・KBSは秋夕(旧暦のお盆)を迎え、各種懸案について世論調査を実施しました。国防部は、洪範島将軍の業績とは別に、ソ連共産党の履歴などを理由に、陸軍士官学校にある胸像を移転する方針です。これについて聞いてみましたが。「同意しない」が63.7%、「同意する」という回答が26.1%でした・・・・先月から始まった、日本政府の海洋放流が人体や環境に及ぼす影響についてどう思うか尋ねましたが、「人体と環境に影響を及ぼすのではないかと懸念される」という回答が71.2%、「科学的に検証された手続きを経ているため、懸念されない」という回答が27.0%でした(KBS)・・>>

 

 

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