とりあえずいくつかデータをまとめてみます。まとまり方がパッとしませんが、韓国、特に所得関連データとして参考にしてください。テストには一生出ないと思いますが。まず、韓国の経済活動参加人口は約2800万人です。賃金勤労者が約2160万人です。自営業者の数は2021年基準で約656万人です。韓国は、他の国とは異なり家計債務と自営業者債務をそれぞれ別にカウントしますので、あとで家計債務関連も別々になります。ちなみに、日本の場合はサラリーマンが多く、韓国は自営業者が多い国とされています。日本の場合は、自営業者の数は約200万人だとされています。
自営業者はものすごいスピードで増えています。2017年472万6000人でした。特に2021年には1年間で105万1000人が増え、19.1%の増加率を記録しましたが、同じ期間、勤労所得者の増加率は2.4%でした。ご存知、政府や自治体が「簡単なお仕事を作って雇用率を引き上げる」やり方をしているので、自営業者の増加は韓国の雇用統計に大きな影響を及ぼしていると言えます。ですが、彼ら約656万人の自営業者の2021年平均所得は、年1952万ウォンでした。最近円安ですが、一般的には、というか計算しやすいこともあるし、1円が約10ウォンです。どんどん減少しつつあり、2000万ウォンより下がったのは2021年統計で初めてでした。自営業者656万人の「自営業者債務」は、約1020兆ウォンです。
韓国の家計債務は1840兆ウォンですが、こちら自営業者債務は別にカウントします。ただ、この中には一部「同じ人が自営業者対象ローン以外で借りた分」も含まれているため、別に「はい、合わせて2860兆ウォンです」になるわけではありません。300兆ウォン位は重複じゃないのか、という話もあります。とりあえず「自営業者」で見ると、10人のうち約6人は、事実上、もはや追加で融資を受けるのが難しい「多重債務者」です。韓国の多重債務者の定義は、日本とは異なり、「3か所以上の金融機関からお金を借りた人」です。この分が、全体の自営業者債務の70.6%、金額で720兆3000億ウォン分、1人当たりの平均ローン額は2022年10~12月期基準で4億2000万ウォンです。
統計庁が発表した「2023年4月時点の地域別雇用調査就業者の産業及び職業別特性」によると、賃金勤労者、約2160万人の(税取り前、成果給含め)平均賃金は、100万ウォン未満が9.1%、100万ウォン〜200万ウォン未満11.9%、200万ウォン~300万ウォン未満33.7、300万ウォン〜400万ウォン未満21.3%、400万ウォン以上が24.0%でした。本エントリーはソース記事が多すぎで困りますが、ニューシースは「税引前賃金が300万ウォン未満の労働者が54.7%」に注目しています。ちなみに就業者がもっとも多い分野は、「飲食店就業」で、163万1000人。これもまた自営業者による部分が多いのではないか、と思われます。400万ウォン以上の高賃金が多いのは、専門・科学及び技術サービス業、金融及び保険業です。
同じく「一部」は自営業者も含まれると思われますが、韓国で「家計債務」の対象として集計される人、すなわち家計債務の借主は、今年4~6月期の最新データで1978万人で、規模は1845兆7000億ウォンです。ちなみに、第3金融圏(貸金業者)の一部などは、ちゃんとデータが手に入らないとも言われていますが、そこはスルーします。年収のどれくらいを返済に使っているのかを意味する「DSR(Debt service ratio)」で見ると、彼ら1978万人の平均DSRは39.9%です。すなわち、平均で年収の39.9%を債務の返済に使っています。住宅担保ローンを組んでいる人は、なんと平均DSRが60%です。買う予定の家をそのまま担保にしてローンを受ける事が多いので、これは『家計債務で家を買った人の平均DSR』と推定されています。ちなみに、年収から、税金など義務的に支払う分を考えると、DSR70%が生活においての限界です。
家計債務関連データを先の「多重債務者」にしぼってみると、448万が多重債務者でした。集計する機関によって460万人まで出ることもありますが、大まかに450万前後の数値が出てきます。今回は国会企画財政委員会所属の国会議員が分析したデータが複数のメディアで話題になっていますが、同データでは今までで最多だそうです。多重債務者が全体家計債務で占める割合は22.6%で、融資残高は572兆4000億ウォン、1人当たりの平均融資額は1億2785万ウォンでした。家計債務多重債務者の平均DSRは61.5%。繰り返しになりますが一部重複する部分はあると思われますが、先の自営業者債務とは別にカウントします。以上、オチもなにもなく、本エントリーはこれで終わりです。
本エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2023年7月29日)からですが、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。「韓国人として生まれた」より「日本人として生きる」を上位の概念にしたのはなぜか。なぜ名前を変えなかったのか。帰化した人たちがよく口にする「両国間の架け橋になりたい」などの言葉について、私はなぜ「そんなつもりはありません」としか思っていないのか。一つ一つ、自分なりの持論を綴りました。 ・準新刊は、<韓国の借金経済(扶桑社新書)>です。本書は経済専門書ではありませんが、家計債務問題の現状を現すデータとともに、「なぜ、マンションを買えば貴族になれるのか」たる社会心理を、自分なりに考察した本です。帰化を進めている私の率直な気持ちを書いた<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。・新刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。