韓国政府が「サムライ債」を発行した背景は・・経済メディアの分析

9月14日、韓国政府はサムライ債を発行しました。韓国政府がサムライ債を出すのは初めてのことです。日経新聞などによると「日韓関係の改善を背景に、金利環境が比較的安定した日本市場で起債し、資金調達先を広げる」ためである、とのことです。いろいろ理由があるでしょうけど、「ヘラルド経済」がその背景について記事を載せました。記事は、2つの理由を書いています。一つは、税収不足をなんとかするため、為替レートを防御するための「外国為替平衡基金」の金を使うしかなくなったこと。しかし、各国がウォン貨ではお金を貸そうとしない(債券を買おうとしない)こと。記事によると、今年になって韓国国債をもっとも売ったのは日本で、外国投資家など各国も似たような動きを見せている、とのことでして(記事は9月のもので、8月時点のデータです)。

本ブログでも何度か取り上げましたが、韓国では税収不足が大きなニュースになりました。政府(企画財政部)公式発表によると、59兆ウォン、約6兆円の税収不足が発生すると予想されます。今年の予算として、国税収入400兆5000億ウォンを含む総625兆7000億ウォンの収入を仮定し、今年の総支出として638兆7000億ウォンを確定しました。また、景気対策として、6月末まで、その65%を執行済みです。しかし、政府が財政支援しなくなると、物価(たとえば、政府が油類税支援をやめると、ガソリンが615ウォン値上がりします)にもかなり影響するので、総選挙にも影響するでしょう。そこで、政府は各基金の資金を使うことにしていますが、その中に外国為替平衡基金の資金も入っています。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・公的基金の資金は、決まった目的にのみ使用される。政府がその基金の資金を、不足した財政を充当するために活用するのは、違法ではない。でも、当初の公資基金の設置目的とはかなり距離がある。政府は、最終的には基金の資金規模を減らす必要がある(※だから使ってもいい)と説明している。じゃ、いままでは資金が適当に運用されたというのだろうか。とにかく、政府はすでに基金の資金を使っている。資金の余裕資金はほとんどが債券や有価証券の形で存在する。市場で売ってこそ現金になる。現金需要が多い四半期末、秋夕(チュソク)まで控えた状況で基金から現金を吸い込んだので、金利が上がるしかない。近づく年末も現金需要が多い時期だ・・

 

・・財政のために外平基金を使い、その分を埋め合わせるため、政府は去る9日初めて海外で円の外平債を発行した。税収が不足し、国内債券市場の代わりに日本資金市場でお金を借りてきたわけだ・・・・日本の今年の経済成長率は韓国より高く、経常収支黒字も大きく増えている。証券市場も大きく上昇した。日本中央銀行も緊縮的通貨政策への大転換の可能性を開けておいてある。ドルで投資する外国人の立場だと、円の為替差益を期待できる。

グローバル投資家が6日に1億ドルを148億円に両替し、3年満期の大韓民国外平債に投資したとしよう。3年後に元利金は169億円となる。もし3年後に1ドル120円に高まったら、この投資家は1億4000万ドル以上を回収することになる。為替差益のおかげだ。逆に韓国は、米国や欧州連合(EU)、英国より先に緊縮に入ったが金利水準は最も低い。貿易収支も不安だ。今年、韓国の国債を最も多く売った国が日本だ。8月には米国を除く海外投資家のほとんどが韓国の国債を純売却した。イギリスが最大で、日本が2位だった。これは、日本とグローバル投資家たちが、ウォンでは韓国にお金を貸すことをためらっているという意味になる。一方、円貨なら喜んで貸すというのは、今回の取引を彼らが有利だと判断したという意味になる。実際、今回の外平債で調達した円は為替損失リスクのため、ウォンに変えにくい。だから政府も今回調達した円は円でのみ運用する方針だという(ヘラルド経済)・・>>

 

 

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