まず、病など「慎重な反応が必要な案件」においては、逆にその数をできる限り多く紹介するデータが話題になったりします。「こんなに多いです」というのが話題になりやすいですから。実際に病院で診断を受けて「患者」としてカウントされた人たちのデータなのか、それとも、似たような症状があるとされる人を『患者』という『書き方』にして全部カウントしたのか、実際の症状の重さはどう分類されるのか、特に今回のようなうつ・不安障害の場合、どこからどこまでを問題とするのか、などなどで、その数値は大いに変動します。以下、限られた情報内での話なので、できるかぎり記事原文ママ引用します。引用ソースが2つありますが、どちらも『(医療機関を経由した)患者の数』となっています。
国会保健福祉委員会所属、「国民の力」のベクジョンホン議員が保健福祉部から受け取った関連資料を分析した結果、韓国で5年前の2019年と比べて(今年5月まで)、うつ・不安障害の患者数が5年間で23.1%も増加したことが分かりました。ヘラルド経済系列、「ヘラルド・メディカル」というメディアの記事です。ネットなどで「増えた」という話はあったけど、患者数として記事になったのは初めて見た気がします。特に30代未満で見ると50%も急増しています。ベク議員は(2019年から調べた趣旨からして)新型コロナの影響だとしています。確かにその影響は大きいでしょうけど・・個人的には、家計債務との関連性もほうが大きいのではないか、そんな気もします。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・分析した結果、うつ・不安障害により治療を受けた患者が過去5年間で906万人に達し、うつ・不安障害を同時に治療を受けた患者も55万人だったと明らかにした。昨年の診療患者数は175万人で、新型コロナ前の2019年と比べて23.1%増加したことが分かった。 特に、30代未満で50%増加したことが分かった。ペクジョンホン議員は「この結果は、新型コロナ9による社会的不安が若い層を中心に広がっており、過熱した入試と就職競争ストレス、そして社会両極化の深化など、よく言われるNポ世代(※結婚、マイホームなどをあきらめたとする世代)で代表される今の時代像を反映するかのように 、不安な社会の中に不安感を持って生きていく私たちの姿を見せている」と指摘した・・
・・うつ病とは、意欲の低下と憂鬱感を主な症状として様々な認知や精神身体的症状を引き起こし、日常機能の低下をもたらす疾患をいう。不安障害は、重度の恐怖、不安、およびそれに関連する行動的側面を有する様々な疾患を含み、長期間持続するという点で、ストレスによって誘発される一時的な恐怖と不安とも異なる。一次的判断は、文化的、状況的要因を考慮して医師が出す。他の疾患でよく説明されない場合にのみ診断することができる。うつ病と不安障害を同時に治療する患者も過去5年間で55万に達することが示され、もっと関心と支援が必要だという指摘が出ている(ヘラルドメディカル)・・>>
2023年も5月までは集計されていますが、記事は年間データとして2019年から2022年までの年齢別増加率を載せています。その中でもっとも増えたのは20代で、51%も急増しました。30代も44.4%増えました・・が、10代が46.9%、10代以下も48.3%増えたとなっています。議員が話した「入試」関連でしょうか。私教育(幼い頃から塾などに通うのが一般的)の形での。30代未満でみると50%も増加しています。数で見ると60歳以上が334万人で最も多く、性別では女性が全体の64%でした。男性(36%)に比べて格段に高いのが特徴です。
うつだけだと、こちらは共に民主党の議員が分析したものですが、同じく患者数で2022年、初めて100万人を超えたそうです。2018年に比べて23.9%増加しました。20代が18万5,942人(18.6%)、30代が16万1,08人(16%)、40代14万2,086人(14.2%)などでした。こちらも女性が67%で、特に「女性」「20代」を範囲にすると12万1,534人で、2018年と比べて約110%も急増しました。この件、「医療機関が増えたからデータが増えただけ」という主張と、「需要があるから医療機関も増えただけ」という主張が出ています。
繰り返しになりますが、普通に診療を受けて治療のために頑張っているなら何の問題もありません。ただ、最近、事件関連ニュースを見ていると、どうもそうは見えないのも事実です。とはいえ、この件について専門領域でもないし(実は、これは意外なほど歯・歯周組織の健康にもかかわる案件ですけど)、この件について深く考察してみたことも無いので、いまは記事の引用だけにしたいと思います。ただ、最近書いてきた多くの案件を総合して考えると、「やはり、数字で現れているのか」な気はします。
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