身長を気にする人はどこの国にもいると思います。また、あくまで一般論ではありますが、身長が必要な職業、スポーツなどもあります。ただ、そんな場合でもないのに、自分の身長を「スペック」、すなわち社会的階級のなにかだと思う人が多い・・それがまた、韓国社会の影の一つです。そういえば、夏、通り魔事件を起こした人が「背が低くて」を理由だと話したりしました。ただ、彼はそこまで背が低いほうでもない(168cmだとか)ので、ネットでは「(本当の理由はそれじゃないのに)社会的に問題とされる話を持ち出して、言い訳にしようとしているのではないか」という話もありました。
物理的に順位付けができるもの、何かの点数、cm、そういうものを気にしすぎるから、でしょうか。身長を気にする韓国社会、特に若い人たちの風潮は、特に外国に住む人たちを中心に、「やりすぎだ」とよく指摘されています。そういう風潮がよくわかるものとして、「背が伸びる薬」というのがあります。こちらは知識がありませんが、記事によると、注射剤タイプもあるそうです。ドラえもんが出すものではなく、ちゃんと医療機関で処方が必要です。一般的に背が伸びる薬と言われてはいますが、本当は、特定のホルモンが足りない人など、そういう薬の処方を必要とする人たちのための薬です。しかし、現実はそうではありません。
韓国では、2021年から2023年9月まで、全国の医療機関にこの類の薬が、約1066万個供給されました。この期間中、国内の「本当にこういう薬を必要とする人(先のホルモン関連など)」は、約7万8218人。そのうち約3万2698人に、30万7000個が処方されました。じゃ、残りはどこへいったのか。聯合ニュースの記事によると、97%にあたる1035万個は、本当はこの薬を必要としない子供、青少年たちに(保険適用無しで)処方されました。単価は、高いものは130万ウォンを超えるものもあり、年間1000万ウォンかかる場合もある、とか。記事で紹介している製品は医療機関で処方する注射剤で、自宅で週に6~7回体に直接注射する必要があります。
ですが、この薬、実は「ホルモン不足などこの薬を必要とする人たち」以外の人には、何の効果も無い可能性(効果確認無し)が提起されました。背が伸びる目的での臨床データが存在しない、とのことでして。それはそうでしょう。そもそもそんな目的の薬ではないので。野党議員が国会で発表した内容ですが、そもそもホルモンが普通の範囲の人がこの薬を使うこと自体が推薦されていない、とのことでして。昨日~今日、各メディアが大きく取り上げています。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・成長ホルモンが入っており、背が伸びるという別名「背が伸びる薬」が、効能・効果を確認する過程を一度も経ていないことが分かった。25日、国会保健福祉委員会所属のキムヨンジュ共に民主党議員が食品医薬品安全処、国民健康保険公団、健康保険審査評価院から受けとった資料によると、国内医療機関で処方されている別名「背伸び薬」、「背伸び注射」の 効能、効果はもちろん安全性及び有効性も一度も確認されたことがない。また、これらの薬は成長ホルモンが不足している患者を対象にのみ臨床試験を行った事実も明らかになった。食薬処の資料によると、国内医療機関で処方されている成長ホルモン バイオ医薬品は計24個だ・・
・・これらが、病気になっていない小児、青少年などにも効果があるのか、一度も確認されたことがないという話だ。また、保健福祉部傘下の韓国保健医療研究院で進行した「小児青少年対象身長成長目的の成長ホルモン治療」の研究でも、「許可範囲を超えた成長ホルモンの使用は科学的根拠が不足しており勧告せず、ただ臨床研究の状況でのみ適用されなければならない」 と、単純に背の低い理由での処方は勧告していない。しかし、国内の大学病院、一般病院、成長クリニックなどでは、学生を対象に「背が伸びる薬」を処方している(聯合ニュース)・・>>
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