韓国の複数のメディアが、為替レート関連記事を増やしています。為替レート防御関連ではなく、日本の円が安くなっているので、韓国の経済回復がおそくなっているという趣旨です。特に中央日報の場合、かなりの危機感をあらわしています。また、ドルが強くなっても(ウォンがドル基準で安くなっても)、輸出は増えなくなった、もう為替レート関連でも、米国より中国関連の影響が大きい、という記事も出ていますので、合わせて紹介します。
本エントリーでは、中央日報と韓国日報をソース記事にしています。本ブログでも何度か取り上げた単語ですが、つい1ヶ月前まで韓国政府は「上低下高」を主張していました。経済において、上半期まではあんなことがこんなことがあったけど、下半期からはエブリバディハッピーだよ、という意味です。それが、円安によってできなくなるのではないか、と。しかし、もう紅葉がどうとかの季節なのに、『高』は訪れず。見方にもよりますが、複数のメディアはその原因を円安から見つけようとし、韓国は通貨安にできないから、日本もそうしないでくれ、と言っているようにも見えます。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・円安は、日本と輸出で競合が多い韓国の自動車・鉄鋼などの輸出競争力に影響を及ぼす要因だ。韓国経済研究院によると、円・ドル為替レートが円安のほうに1%進めば、韓国の輸出量は0.2%、輸出金額は0.61%減少するという。問題はこうした流れが韓国の「上低下高(下半期には景気が回復する)」期待に冷たい水を浴びせている点だ。韓国銀行によると、今年7~9月期の韓国の経済成長を牽引したのは輸出だった。7~9月期GDP増加率は0.6で、純輸出の寄与度が0.4%ポイントで最も大きかった。高金利基調のため消費や投資は萎縮すると予想され、10~12月期の成長も、結局は輸出にかかっている。関税庁によると、10月、20日までの輸出額暫定値は338億3800万ドルで、前年同期比より4.6%増えた(中央日報)・・>>
<<・・輸出において、今後はウォン・ドル為替レートより中国元・ドル為替レートがより多くの影響を与える可能性があるという分析が出た。 韓国経済では中間財輸出の割合が大きいが、中国産業も発展したため競争関係が作られ、人民元の価値が下がれば、韓国の競争力がそれだけ下がるからだ。韓国貿易協会は24日、「最近の韓国輸出影響要因分析」報告書で、「『ドル強』現象にも、韓国輸出は減少している」とし「ウォン・ドル為替レートが輸出に与える影響は大きくなかった」と明らかにした。それよりも、中国経済が韓国の輸出に与える影響が大きかった。報告書によると、ウォン・ドル平均為替レートは今年1月1247.25ウォンから先月1329.47ウォンになった。これまでドルが強勢を見せれば韓国の輸出が増える傾向を見せたが、今年は先月まで9ヶ月連続で減少傾向を見せた。ウォン安が韓国輸出にあまり影響を与えなかったわけだ(韓国日報)・・>>
8日にもエントリーしましたが、2021年7~9月から今年4~6月期までの2年間、韓国政府は為替レート防御のため90兆ウォンを使っています(10月6日韓国経済)。ソース記事の韓国経済は、最近も為替レートが安定しているとは言えず、そこまで使って、果たして効果があったのかどうか、の趣旨です。金融不安などでウォンとドルの為替レートの揺れが大きかった2010年にも、年平均為替レート変動幅が10ウォン以上動いた日は5日だけでしたが。2022年には68日、2023年(9月まで)には52日も10ウォン以上動いた、とのことでして。これまた見方にもよりますが、「こちらは安く出来ないから、日本も安くしないように」と言っているようにも見えます。気のせいでしょうか。
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