一部メディアから聞こえてくる「ピークコリア」という言葉

まだ一部のメディアの話ですが、ピークコリア、韓国の経済成長はピークを迎えた、または過ぎたという言葉が目立つようになりました。元ネタは、ブラッド・グロッサーマン氏が書いた「ピークジャパン」という本です。2020年、「国民の力」の国会議員が大喜びで党員たちにこの本を配ったと言われています。まだ主流意見とは言えないものの、いくつかのメディア・専門家によると、その本が「ピーク」の論拠として取り上げている内容が、今の日本にはあてはまらず、むしろ今の韓国にピッタリ当てはまるというのです。

日本は米国との強力な経済協力、国内問題改善などを通じてこの問題を克服しようとしているものの、韓国はこれといってできないでいる、と。同じく、ピークチャイナという話もよく聞くけど、中国ほどの経済圏が持つ力を考えると、ピークチャイナより、その中国経済依存度などを考えてピークコリアのほうを心配したほうがいいのではないか、という記事も出ています。もともとこの言葉は中央日報(6月15日8月24日)が積極的に取り上げてきましたが、昨日は「韓国経済」も同じ言葉で記事を出し、「0%台成長は時間の問題」と主張しました。以下、各紙、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・最近、日本は「ピークジャパン」ではない・・(※日本経済好調のいくつかのデータを提示しながら) ・・ハイライトは、日米経済協力の画期的強化だ。5月末、米国商務長官と日本経済産業相が会談の後に出した「米日商務・産業パートナーシップ(JUCIP)」共同声明が代表的な例だ。声明には「半導体サプライチェーンの回復弾力性を損なう生産の地理的集中を解決するために協力する」という内容が盛り込まれた。韓国(メモリ)と台湾(ファウンドリ)が引き受けてきた半導体生産を、米国と日本も直接行うことで、両国が意気投合したというのが専門家らの分析だ・・

・・『ピークジャパン』(ブラッド・グロッサーマン)は、危機を迎えても問題を直さない「変化の遅滞」「改革の不在」が日本の衰退を呼ぶと分析した。しかし、変わらず改革しないとなると、韓国のほうが数段は上だ。1990年代後半の国際通貨基金(IMF)管理体制以後、国家的次元の改革がなかった。労働改革も、年金改革も、公共部門の改革もできなかった。良質の雇用は限られており、不動産・教育費などの高コスト構造は堅固である。青年層はまったく結婚しない。政治の葛藤解決能力も無い(中央日報6月15日)・・>>

 

<<・・中国のような巨大経済が中進国まで上がった以上、成長率の下向きは避けられない。中国市場での私たちの商品の位置が揺らいでいるのは、中国経済の萎縮によるものか、それとも私たちの競争力低下によるものかを考えてみる必要がある。中国はまだ私たちの輸出の20%を占める最大の市場である。「中国の40年の好景気成長モデル」が終わったというウォールストリートジャーナル(WSJ)記事に登場した展望値の1つが、今後数年間、中国の成長率が4%未満であるという国際通貨基金(IMF)の予測だ。中国の心配をしている韓国はどうか。2020年代には2.2%、2030年以降は1%台というのが、IMFの見通しだ。この数値だけで見れば「ピークチャイナ」よりは「ピークコリア」が先に来ている。中国も心配だが、本当に心配しなければならないのは私たちのほうなのだ(中央日報8月24日)・・>>

 

<<・・ピークコリアの最も明確な兆候は、傾向的な経済成長率の低下だ。経済成長率は、為替危機を経験した1990年代にも年平均7%を超えた。しかし、2000年代に4%台、2010年代には3%台になった。最近では2%の成長も容易ではない。成長率が0%台になるのも時間の問題だという見通しまで出ている。経済規模が大きくなって成長率が下がるのは自然なことだ。だが、経済規模がはるかに大きい国と比較しても、韓国の成長率の下落傾向は深刻としか言いようがない。国際通貨基金(IMF)が見込んだ米国と日本の今年の経済成長率はそれぞれ2.1%と2.0%で、韓国(1.4%)より高い・・

・・このような傾向だと、先進国に追いつくことも難しくなる。昨年韓国の1人当たり国民所得は3万5990ドルだった。 主要7カ国(G7)のうちイタリア(3万77000ドル)とは大きな差がないが、4万ドル台の英国・フランス・日本、5万ドル台のドイツ・カナダ、7万ドル台の米国とは差が大きい。世界で最も低い出産率、最速の高齢化は、先進国への追いつきをより困難にしている。ゴールドマンサックスは昨年12月に発表した「2075年への道」レポートで、2075年に世界15大経済大国を予測した。インドネシア、ナイジェリア、パキスタン、エジプト、フィリピンは含まれているが、私たちはない(韓国経済)・・>>

 

 

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