尹錫悦大統領、「盧武鉉化」するのか・・元老ジャーナリスト「左派政党が3分の2(200議席)をもっていくと、それだけで大統領を弾劾できる」

実に需要がなかった案件ではありますが、江西(カンソ)区庁長補欠選挙について2~3回取り上げたことがあります。「尹錫悦(ユンソンニョル)大統領 対 李在明(イジェミョン)代表」という構図を強調しすぎたことで、区庁長の補欠選挙だったのに、『大統領選挙のようだ』とまで言われていました。しかも、野党の大勝利。それから表面化するようになった与党内の分裂が、いよいよ前代表の新党設立という形になりつつあります。早ければ今年中にも、与党の前代表である李俊錫(イジュンソク)氏が新党を立ち上げるということですが・・いまのところ無謀そていか思えず、『共に民主党が200議席(総数300)をもっていってもいいのか』という話まで聞こえてきます。

ユン大統領が候補だった頃から、与党内の分裂は深刻なレベルでした。それが、前の補欠選挙の結果で、相応の危機感、そして『なんで大統領が責任を取らないのか』とする、非尹派(尹大統領と対立する議員たち)たちの声により、さらに強くなり、表面化するようになりました。党代表を変えなかったことが、特に大きかったと言われています。前代表で、非尹派のリーダーのような立場になっている李俊錫前代表が、党内の非尹派議員、そして共に民主党の非明派(共に民主党の李在明代表と対立している議員たち)を集めて、新党を立ち上げるというのです。まだ公式発表があるわけではありませんが、一部の予想では、「早ければ今年中にあるかもしれない」とも。

 

共に民主党の非明派は、この前の国会の逮捕同意案投票問題で、最大のピンチを迎えています。次の総選挙で、公薦(政党から候補として公式推薦を受けること)がもらえる可能性は、そうありません。だから、与党と最大野党から、『非』派を集めるという意図のようですが・・右と左をあわせてそれが「中道」になるわけでもないし、李俊錫氏は「真の保守政党にする」と言っていますが、じゃ、野党から来た人たちはなんなのかという話になります。この件で、韓国言論人会主筆クウォルファン氏が、「本当に共に民主党が200議席をもっていってもいいのか」と指摘しました。寄稿文メインのネットメディア、スカイデイリー(11月9日)です。共に民主党から、「これなら200議席も可能だ(総儀席の3分の2)」という話が出ていますが、「本当にそうなってしまうかも」、というのです。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・10月11日江西区庁長選挙で与党の大敗を予言、命中させた李俊錫(イジュンソク)前代表は、最近、与党が今の状態で総選挙すれば100席以下になる(※議席数300)という予測を出した。ほぼ同じタイミングで、来年総選挙で共に民主党など進歩(※左派)陣営が200席を得ることもできるという説が出ている。共に民主党と友好勢力の議席数を合わせて200席を確保すれば、国会で「できないことなどない」という話だ。李俊錫の新党も、多分この友好勢力に入る可能性も大きい。

共に民主党200席になると、すぐに大統領弾劾が可能となり、尹大統領は「植物」になる。2004年、盧武鉉大統領弾劾案は、憲法裁判所で棄却されたが、それから総選挙で圧勝して政治力を回復できた。しかし、尹大統領の場合、次の総選挙は2028年(※任期が終わったあと)であり、そのような機会もない。 大統領の法案拒否権を無力化させ、改憲を推進できるようになることは言うまでもない。特別法で李在明代表関連の問題を簡単に解決するなど、想像以上に重大な事態が起こる可能性も高い(スカイデイリー)・・>>

 

韓国では、ダンパサウム(党派対立)という言葉が有名です。とにかく何かの派に分かれて対立するので、政治において総意が定まらず、結果的に何も決まらない、政策がでないという意味です。右と左が対立し、右はまた右1と右2で対立し、右1は右1aと右1bで・・の無限ループです。あくまで「現状において」ではありますが、本当に李俊錫氏が新党を立ち上げるなら、来年の総選挙は圧倒的に共に民主党に有利になります。いまも勝てるかどうかわからない状態ですが。個人的に、「野党の大勝利にはならないだろうけど、与党としても、過半数(ねじれ国会の終了)は難しい」という予想は変えないでいますが、本当に新党が出現するなら、結果的に共に民主党が議席数を増やすことになると見ています。さすがに、200議席までいくかどうかは様子見ですが。はたして、最強キャラ「ノムユン」誕生なるか・・

 

 

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