韓国メディア、「ピークコリア」に大きな反応・・実は韓国で先に報じられていたのに、なぜか「日本のメディアが報じた」だけがひとり歩き

日本のネットメディア「Money1」が「ピークコリア」論、すなわち韓国の経済成長期はもう過ぎようとしているという内容を報じたことに対し、韓国の各メディア及び一部の政治家が様々な反応を示しています。「そんなことはない」というニュアンスの記事がほとんどですが、詳しく反論出来ているメディアは(私が読んだ限りでは)ありません。さらに、共に民主党のユンヨンドク院内スポークスマンが、日本ではピークコリアが一般的に広がっているとしながら、これはユン政権の問題だと批判したりしました。時期的に、どちらかというと文政権も同じだと思いますが。

本ブログでも7日にお伝えしたばかりですが、このピーク+国名は、ブラッド・グロッサーマン氏が書いた「ピークジャパン」という本のタイトルが元ネタです。2020年、「国民の力」の国会議員が、この本を党員たちに配ったりしました。よほど嬉しかったのでしょう。ただ、実際に経済専門家たちの間で話題になったのは、中国の不動産・金融関連でした。そして、中央日報が、「その本がピークの論拠として取り上げている内容が、今の日本にはあてはまらず、むしろ今の韓国にピッタリ当てはまる」としながら、ピークコリアという言葉で記事を載せるようになりました。中央日報の6月15日の記事でも確認できるので、リンクしておきます。時期によってデータは異なるものの、元ネタは韓国メディアだったわけです。マネー1など日本側の報道を問題にするのは、スーパー的外れです。なにより、内容的に何の問題もありません。

 

そんな中、11月14日、国民日報が、日本の「週刊現代」を引用し、「日本では、(共働きで)年収1000万円でも、マクドナルドで食事するのは贅沢だと思われている」という記事を載せました。他にも、似たような記事・・日本経済はいまこんなに大変ですよ、という記事が増えましたが、どれも引用ソースがパッとしません。いつもは、それでも一応「新聞」とされるメディアの引用記事が多いですが。個人的に、「例のピークコリア論が、くやしかったからこんな記事を載せたのではないかな」と思っています。心証だけですし、それぞれの記事にそう書いてあるわけではありません。ただ、私の心が曇っているためか、どうしてもそんな気がします。というか、マクドナルドが贅沢って、そんな人たちももちろんいるでしょうけど、共働きとはいえ年収1000万円の人がそんなことを言うのは、違和感しかありません。

 

・・・・で、その記事とほぼ同じタイミングで、「教会などで提供する無料食事を求める20代・30代青年が増えている。もう無料食事がどこで得られるのかの情報がネットワーク化されている」という記事がありました。東亜日報で、こちらは韓国の話です。記者がソウルのある教会を訪れたところ、20代・30代だけで17人が来ていた、とのことでして。もともとは基礎生活保障(日本で言う生活保護)を受けている人たちを対象にしていたけど、最近は青年たちも範囲に入れたら、メッチャ来てる、とのことです。これも「そういう状況の人たちもいるだろう」と思えばそれだけのことですが、記事を読んでみると、ちょっと別の側面が気になりました。

情報がネットワーク化されていて、冷凍食品を配給するところなどをまわって「◯万ウォン分もらった」とか、そんなことを言う人が普通にいる点です。無料食事といっても、それは誰かの善意で用意できた、限られた『日ごとの食物(daily bread)』です。大変なのは分かりますが、それを、ネットワーク化した情報でたくさんもらったと喜んでいいのか、と。しかも、その場所を訪れた理由は、実は家計債務ではないのか・・そんなところまで思ってしまうと、いろいろ複雑です。というか、先のマクドナルドがどうとかの記事を合わせて読んでみると、カオスさが半端ありません。

 

 

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