昨日お伝えした中国の尿素輸出関連で、韓国政府が「政治的なものではない」としました。匿名情報ではなく、ちゃんとした政府スポークスマンによる発言です。中国内部の需要供給関連が原因であり、他の理由は無いということです。「中国からの尿素輸出の通関が最近になって遅延していることに対し、韓国政府が『政治的背景はないと把握した』と4日明らかにした。中国当局が自国内の尿素需給を優先するためのものであり、対外輸出を非公式に制限したという意味だ。チェナムホ産業通商資源部スポークスマンはこの日定例ブリーフィングで、複数の経路を経て確認した結果、政治的背景はないことを確認したと話した(4日の韓国経済より)」、と。
ですが・・中央日報など一部のメディアが、反論しています。遠回しな書き方ではありますが、中国内部で尿素関連需要をコントロールする必要が提起されているのは事実で、各企業は『自律的に、輸出する分をコントロールします』としているものの、明らかに中国政府が関わっており、どう見ても自発的なもの(民間の決定によるもの)とは思えない、というのです。また、何の通知もなしに輸出を中断するのはどうみても「政治的なものではない」と言いきることができないし、韓国政府はすぐ解決できるような言い方ですが、中国ではすでに「来年、尿素輸出は割当制度になる」という話が広がっている、とも。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・先月、中国肥料関連協会が尿素輸出自制を決めた会議には、中国経済当局者が入会したことが確認された。中国窒素肥料協会が「輸出の自律制限」を決定した会議に、主要企業代表とともに中国国家発展改革委員会関係者も参加したのだ。委員会は、中国のマクロ経済を総括する省庁である・・・・輸出制限措置はその場で言及された。肥料企業は、需給安定化対策として「社会的責任を積極的に遂行し、協会の提案により輸出を自発的に中断する」とし、「業界は自律的に参加する」と明らかにした。自律的だと言ってはいるが、中国経済を総括する部署と肥料業界「大手」が参加した会議の決定であるだけに、肥料輸出は事実上、この日から中断された・・
・・ジョンジェホ駐中韓国大使は4日の定例ブリーフィングで、「先月17日中国窒素肥料協会が会員社の窒素肥料輸出を控え、中国内優先供給することを提案した文書を発表した後、尿素市場の動向を綿密に監視してきた」と明らかにした。大使は「以後、先月30日、実際の通関中止事実が確認されたことで、12月1日、中国の関連委員会と書く省庁に問題を提起し、支障のない通関を要請した」と付け加えた・・・・現在、中国肥料ネットワークには、先月19日から尿素輸出検査期間を60日に延長することとし、来年には尿素輸出割当制施行が予定されているという投稿が上がっている。これに対し韓国大使館側は、「輸出割当制施行については確認されていない」と話した・・この日、中国窒素肥料協会側は尿素輸出に関連していかなる公知もしていない。大使館によると、中国政府は、本件と関連して韓国側にいかなる事前通知もしていない(中央日報)・・>>
昨日(2つ前)のエントリーでも紹介しましたが、いわゆる「尿素大乱」から2年がすぎたのに、中国からの尿素輸入がむしろ増えたこと、これこそが本件の最大のポイントです。しかし、それだけでなく、どうも、ユン政権の対応が低姿に見えるのは、気のせいでしょうか。メディアもそうですけど。政府レベルで、ユン政権は何度も尿素(尿素水)関連の供給安定について中国側と話し合いました。今年2月にも、第1次韓中サプライチェーン協力調整協議体オンライン会議でも、企画財政部は尿素水事態の再発防止対策など、全般的なサプライチェーン協力に対する意見を交換したという内容が報じられました。
他にも外交次官・長官級の会談でも、政府レベルの発表内容には無いものの、各メディアの取材を通じて尿素関連の供給安定についても話した、と報じられています。でも、こういうことになりました。相手が中国でなかったら、何十倍は強い表現になっていたのでは。個人的に、今回の件、政治的な考えの現れというより、ユン政権があしもとを見られている現状の現れである、と思っています。広い範囲だとそれも政治の一部かもしれませんが。 今日の更新はこれだけです。次の更新は明日(6日)の11時頃になります。今日はちょっと早めに日帰り温泉にても行ってこようかと・・サボっちゃって申し訳ございません。
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