尿素(尿素水)に関する件、続報です。中国政府が国内需要供給を理由に尿素輸出関連措置を取ったことで、韓国政府は「政治的なものではない」と発表しました。同日、本ブログもエントリーしましたが、この発表だけはずいぶん素早い対応でした。尿素の需要・供給バランスに問題が発生しているのは事実ですが、その事実事態を政治的にまたは外交的に利用しているのではないか、そんな見方もできますが、なんで企画財政部スポークスマンがこんなことを超スピードで言ったのか、ちょっと妙ではあります。
それからわずか1日後、6日。中国のシンクタンクが官営メディア環球時報に「韓国は中国との協力を見直すべきだ」「米中対立と無関係な案件ではない」と寄稿しました。ニューシースなど複数のメディアが報じています。いつものパターンですが、官営メディアに載るこういう意見は、「シンクタンクと書いて中国政府と読む」ものなので、韓国側からの輸出再開要請に対する、返事の可能性が高いでしょう。ちなみに、中国側は来年3月までは輸出を全面的に止めるとしています。韓国側は、ベトナム産の追加契約などで、在庫を約3ヶ月分は確保できたそうで、なんとかなるレベルだとは思いますが、現場では買い溜め、価格など混乱が予想されます。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・最近の尿素不足の懸念が政治的な理由で発生したわけではないものの、韓国が中国との協力に対する重要性を再考しながら解決法を模索する必要がある、という中国官営シンクタンクの見解が出た。中国外交分野の研究機関である国際問題研究院のシャンハオウィン研究員は6日、官営メディアである環球時報に寄稿した文を通じて、このように明らかにした。中国は今回の措置が政治的な理由ではなく、中国の需給状況のためだと明らかにし、韓中両国がコミュニケーションを強化し解決策を模索することに合意したにもかかわらず、韓国内では依然として中国側の意図に対する多様な推測が出ている」・・・・「中国に対する米国の措置に韓国が協力しているから、中国がなにかやるのではないかと考えているのだ」・・
・・そして、中国と対立している米国に「傾いている」韓国の態度を指摘した。シャン研究員は「尿素不足自体には政治的な意図などない」としながらも、「だが、今世界が直面した陣営対立や地政学的対立と、全く関係がないわけではない」とした。続いてサプライチェーン再編に乗り出す米国と、これに呼応した国々を挙げて、「一部同盟国も、経済安保を守るという名目で米国に沿ってグローバルサプライチェーンに問題を起こした」とし「韓中貿易投資の減少は主に景気循環と世界消費市場の低迷などの外部環境の影響を受けたが、地政学的要因とも関連がある」と批判した・・
・・特に「ユン政権が執権した後、韓国の外交政策が米国と親しく、中国とはそうではない傾向を見せ、中国関連の一部の案件で両国政治関係は思わしくない。経済協力に対する信頼にも影響が避けられない」と指摘した。シャン研究員は2年前の尿素不足事態を受けて、今回も両側が友好的な協力に乗り出せば韓国の懸念を減らすことができると見通した。彼は、「韓国の尿素に関する反応は、中国に対する『悩み』を表わしたものだ」、「根本的に、韓国が中国に対して客観的・合理的な認識を確立し、中国との協力の重要性を見直さなければならない」と促した(ニューシース)・・>>
全体的に、「そんなことあるわけないだろう。ないわけでもないけど」です。別ソースですが、地上波放送SBSも同じ寄稿文を紹介しながら、「レアメタルと同じく、いつでも『資源の武器化』に乗り出すこともできるという意味だ」としています。こんなことを言われても仕方ないでしょう。なにせ、2年前に尿素不足現象であれだけの騒ぎがあったのに、韓国が中国から輸入する尿素は71%から91%に増えましたから。
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