「なんでもKを付ければいいというわけではない」という記事がありました。Kポップから、Kラーメン、K造船など、なんでもかんでもKを付けて自慢しているけど、実はもう少し広い視野で見ると、未曾有のリスクが近づいている、という内容です。あまりにも普通の指摘ですが、だからこそ本ブログ、というか韓国メディアにしては、珍しい内容でもあります。国民日報の首席論説委員が書いた記事ですが、特にタイトルの「国中が幻想の中で生きている」は、ストレート正論でもあります。
記事は、ある程度の肯定的考え方やプライドを持つことは良いことだけど、過ぎてしまうと、「私は卓越だから、成功するしかない」という考えになってしまう、もうそうなっているとしています。本ブログとしては、たまに取り上げる「なにもしなくていい」論と似ている気もします。超技術力があるから、なにもしなくても、米国も中国も私たちに強い政策を打ち出すことはできない、何もする必要はない(たとえば、どちらかに味方する必要はない)、などの主張のことです。11月の記事ですが、以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・Kポップ、Kフード、Kカルチャー、Kラーメン、K造船、K電子、K防産まで。「K」付けが流行している。大衆文化に使われていたものが、いつのまにか業種と分野を選ばず広がっている・・(※ある程度の肯定的考え方は問題ないが)・・やりすぎの雰囲気が漂う。懸念される結果はこうだ。私たちは生まれつきで優れたと、何とかなって成功するしかないという、あぶない自慢心だ・・・・この雰囲気は、現実を直視できなくしてしまう。内・外から押し寄せる挑戦が特に強い今のような時期には、特に懸念される。一部の分野や個人の成功だけで、全体に迫る体系的リスクを見ようとしなくなるのだ・・
・・我が国が現在直面している最大のリスクは、成長動力だ。ある経済の基本体力を示すのが潜在成長率だ。労働と資本の投入、そしてこれら2つの要素をどれだけ効率的に活用するかを示す総要素生産性など3つの部分で構成される。総要素生産性は、その経済の生産性レベルを示す。技術・教育水準、社会制度の効率性などがここに属する。いま、低出産から始めた労働投入の急減と生産性の不振という二つの難題が同時に現れている。現在、韓国の潜在成長率(※KDI基準)は2%だが、すでに1%台という研究者も少なくない・・
・・北朝鮮の核・ミサイルが高度化し、中国の軍事力が日々増強する現実で、韓国は国家安全保障に相当な資源を配分しなければならない。これは生存の問題だ。高齢化・低出産で急増する福祉需要に対応する必要もある。こんな中、成長動力までうしなうと、すでに噴出し始めた世代・階層・地域間の社会対立は、一層激しくなるだろう。成長率の下落が、社会の対立へ、そして議会民主主義そのもののリスクになっていく。ある社会のエトス(気風)が、肯定的なのは良いことだ。だが今、私たちの社会のエトスは「とりあえずうまくいく」という漠然とした期待、自慢に近い。巨大なリスクが迫っているにもかかわらず、政治も市民社会も危機意識が弱すぎる。これがリスクの根本的な原因ではないだろうか(国民日報)・・>>
最大の成長動力は「中国経済好調」と「家計債務」だったのでは・・な気もしますが、それはともかくして。こういうのを見ると、「ああ、これは珍しい」と思ってついエントリーしてしまうシンシアリーでした。なにせ、記事引用部分にもありますが、「約束された勝利の『件』」な話が本当に多すぎます。「国中」と言われても仕方ない位、多いです。自『陣営』(政治関連で)に不利なことを危機感をもって書く記事は結構ありますが。最近、「なんで子の気を抑えるのか」という表現および関連事案で2~3回エントリーしましたが・・ひょっとすると、同じことを考えているのでしょうか。現実をちゃんと見ましょうと言うと、「なんで国の気を抑えるのか」と、言った人がおこられたりして。
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