最近のものは分かりませんが、ちょっと前の韓国ドラマや映画を見ると、『親とともに暮らす世帯』『(おじいさん、お父さん、自分の)3世代で一緒に暮らす世帯』、4~5人の3世代以上の世帯構成員が一緒に食事をするシーンがよく出てきます。実際、それを見ながら、そういうのが普通だと思う時代もありましたが、いつの間にか、韓国でも1人世帯・2人世帯が普通になりました。昨日の夕方あたりからファイナンシャルニュースなど複数のメディアが報じていますが、「家口」基準で(※世帯のことですが、オチにもなるので詳しくは後述します)、1人家口が34.5%になりました。人数で750万人です。日本が30%くらいだとされているので、もう割合では日本よりも多いことになります。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・毎年増える1人家口が、750万人を超えた。3つの家口のうち1つは1人暮らしだ。1人家口の10人のうち6人は、年所得が3000万ウォン未満だった・・・・統計庁が12日に発表した「2023年統計による単身家口数」によると、昨年の単身家口数は750万2000家口で、前年より33万6000家口増加した。全世帯に占める割合も2021年の33.4%から2022年には34.5%に増加した。2005年には2割に過ぎなかった単身家口の割合は、2019年には3割を超え、昨年も過去最高を更新していた(ファイナンシャルニュース)・・>>
で、ここから早めにオチですが・・『家口』は、『世帯』とほぼ同じ意味で、日本語に訳するときに普通に「世帯」としても問題はありません。ただ、この場合、厳密にはそうでもありません。世帯は、住民登録基準です。一人で暮らすと住民登録している人でカウントしますので、個人的には、こちらのほうが正確だと思っています。家口は、住民登録ではなく、単に同じ家に住んでいるなら『1家口の構成員数』にカウントされます。中央日報の記事その1と その2 が、その家口ではなく『世帯(住民登録)』基準での1人暮らしの割合を報じていますが、すでに1人「世帯」の割合は40%を超えています。
<<・・昨日(1月15日)発表された行政安全部の住民登録上の人口統計によると、1人・2人世帯が65%を突破した。1人世帯が41%、2人世帯は24.2%だった。伝統的な家族モデルである4人世帯は17.8%、3人世帯は16.9%に過ぎなかった。世帯とは、家口より包括的概念で、就職・就学などによる住民登録上の転出まで含む。一人世帯の増加は出生率にも影響を及ぼす。昨年4~6月期の合計出生率は0.75人で、世界で最も少ないレベルだが、近いうちに0.6人台に進入する可能性が高い(中央日報)・・>>
このように1人暮らしが急増していますが、家口基準で1人家口(750万2000人)の約6割は、月の所得が250万ウォン未満でした。そもそも、就業したのは455万家口(455万人)だけでした。約295万人は就業していないということになります。複数のメディアが、最近テレビ番組や動画などで、豪華なひとり暮らしをする人たちを放送することが多いけど、そういうものは、一般的には夢物語にすぎないと書いています(ファイナンシャルニュースにはこんな内容はありませんが)。でも、韓国の金賃金勤労者 約2160万人の(税取り前、成果給含め)平均賃金が、100万ウォン未満が9.1%、100万ウォン〜200万ウォン未満11.9%、200万ウォン~300万ウォン未満33.7、300万ウォン〜400万ウォン未満21.3%、400万ウォン以上が24.0%なので、そこまで驚くことかな、な気もします。
この1人暮らしというのも、韓国メディアは「日本の社会問題」扱いでした。確か、ブログを始めた頃には、「日本は家族の『情』が弱く、それが数々の社会問題に繋がる。その証拠は、1人暮らしが多いことだ(きりっ)」という分析(?)記事などを読んだ記憶があります。私は、1人暮らしを社会問題だと思っていませんが、韓国ではそういう雰囲気でした。あえて社会問題的な見方をするなら、当時の韓国メディアの指摘は、日本ではなく、未来(今)の韓国への予言だったような気もします。
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