経済メディアが分析した「ポスト・コロナ時代に韓国経済が特に脆弱な理由」

超・不安定な時代とされている、ポスト・コロナ(新型コロナ後)時代。その中で、いくつかの理由で韓国経済が特に脆弱だという分析がありました。韓国経済TVが分析したそれらの理由は、経済主体に関係なく債務が多すぎること、ファンダメンタル的に低成長時期に入ったこと、いわゆる双子の赤字問題、実物経済では世界10位圏だけど債権指数などポートフォリオ的には新興国であること、政治不安、投資環境の問題などです。個人的に、「難しいこと考えずに、とりあえず家計債務を減らして、統計を透明に」と言いたい処ではありますが・・以下、各カテゴリーをまとめてみます。<<~>>は引用です。

1・経済主体に関係なく債務が多すぎる。さらに懸念されるのは、国内金融会社がまるで流行のように海外不動産に投資する過程で急増したドル・レバレッジ債務だ。2023年10~12月期から満期が始まり、高金利も重なった。投資資産の処分が難しく、処分しても国内金融会社は中・後順位が多いので、回収することが難しい。 2・ファンダメンタルが弱く、低成長が固着する可能性が高い。 3・双子の赤字が懸念される。

 

<<・・現政権に入っても財政赤字と国家債務がなかなか減らない傾向だ。税収は、低成長と、前の政権の政策をすべて取りやめた副作用などで「パンク」状態になっている。一方、支出は下方硬直性に加え、財政準則は「巨大野党」という立法的限界にぶつかり、導入が遅れ、税収減少幅以上に削減することが難しくなっている。経常収支も黒字規模がますます減少し、近いうちに赤字に転じるのではないかという懸念まで出ている。質的な面でも、商品収支は「輸出増加」より「輸入減少」が大きい不況型黒字で、いままでとは異なる。商品外収支は「国内流入」より「海外流出」が多い共同化赤字が累積されており、国内外の環境変化による緩衝能力はさらに低下する・・>>

 

4・ポートフォリオの地位が停滞している。GDP規模、貿易額など実物経済では世界10位圏だが、世界債権指数(WGBI)、モーガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル指数(MSCI)などで把握されるポートフォリオ・ランクでは、まだまだ新興国。この2つの側面が乖離していると、対外価格の変数が不安な動きをするとき、さらに難しくなってしまう。 5・与党・野党間の政治葛藤。 6・外国人を中心に韓国証券市場の投資環境がなかなか改善されないでいる点もよく指摘される。 外国とは異なり、韓国では大手金融会社などで数千億台の問題が発生したり、テラ、ルナなど暗号資産関連で問題が起きても、ちゃんと対応が行われない。

 

適当ではありますが、パッと思いつくのは、投資・・というか投機のための家計債務をなんとかすること、通貨政策の安定、そして次の総選挙で与党が過半数取る、などですが・・クレジットカード延滞額が50%以上増加したというニュースもあったし、この状態で家計債務を減らすことは果たして可能なのか、それ自体が疑問です。自転車操業状態で家計債務を減らすようにすると、むしろ自転車そのものが解体されてしまうのではないか、と。そんな状態で金利を上げたりするのは難しいでしょうし、物価負担などで金利を下げることもできません。

引用部分にもありますが、財政政策を出しても、過半数以上を取っている野党が『とりあえず反対』というスタンスなので、うまくいきません。政策そのものがちゃんとしたものなのか、などの評価はともかくして。最後に赤字関連ですが、率直に『中国がまた韓国のものをいっぱい買うようになる』以外にこれといって手はないでしょう。いままでそういう構造でしたから。ただ、中国はすでにその構造そのものがすでに変わっているようですが。低成長問題も、素直に受け入れてその時代に合わせた政策を考えたほうがいいでしょう。

 

なんか経済関連ニュースばかり続いているし、ちょうど午後出発のツアーがあったので、また今日・明日は更新を休むことになりました。都市夜景やイルミネーションではなく、公園などに作られたイルミネーションに興味が湧いて、あしかがフラワーパーク、時之栖などを回ってみましたが、今回もう一箇所回れそうです。新年早々なのに、申し訳ございません。次の更新は10日(水曜日)の朝11時頃になります

最後にちょっと余談ですが、最近出番の多い「泰栄建設」、債権団の要求を概ね飲み込むことにしたそうで、ワークアウトは何とかなりそうな雰囲気になりました。そもそも、最初からそうすることで債権団と合意していたから、そうして当然ですけど。一部のメディアの記事によると、「もうSBS以外は売れるものも残っていない」とのことで、核心はオーナー一家の私財出捐になる、と。PF(プロジェクト・ファイナンス)によってグループそのものが解体されたとも言えるでしょう。ただ、本稿を書いている8日10時時点では、まだワークアウト(民事再生)に合意できたわけではありません。それでは、行ってきます。

 

 

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