麻生太郎自民党副総裁が、米国を訪れ、CSPC主催のセミナーで主に台湾問題について持論を展開しました。去年、台湾を訪問したときにも同じ言及がありましたが、台湾の有事の際、日本は中国とたたかう覚悟を示す必要があると話したことがあります。今回も同じ趣旨のものでした。日本のオーカス(AUCUS)加入などについても、言及があったとのこと。その場で、韓国のCPTPP加入と日中韓首脳会談開催に賛成する趣旨の発言があったので、聯合ニュースなど一部の韓国メディアが取り上げています。米国での講演だから、単に日米韓安保協力を強調しただけ、という見方もできますが・・なんでこの時点でCPTPPの話が出たのでしょうか。
台湾が加入を申請しているので、その繋がりかもしれませんが・・最近、経団連が同じ主張をするなど、韓国のCPTPP加入を強調する声が増えています。もちろん他の基準も重要ですが、特に、現在の水産物輸入関連措置を残したままCPTPP加入を許容するのは、ありえません。もし麻生副総裁の発言が、間接的に水産物輸入関連措置について指摘したのなら(加入のために関連措置を解除する必要があるという意味で)、それはそれでいいかもしれません。でも、もしそうでないなら、たとえば韓国内の事情(農産・水産関連団体の反対など)だけを指摘したことなら、CPTPPの話は早すぎます。できれば「関連措置への間接的言及」であってほしいところですが。ちなみに、韓国政府はいまのところ、CPTPP加入を希望していますが、加入申請はしていません。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・日本自民党副総裁である麻生太郎元首相が10日(現地時間)、米国のシンクタンクでの講演で「中国が台湾を軍事的に統一することは国際秩序を混乱させるだけで、あり、容認できない」と中国を牽制したと共同通信が11日報道した。米国を訪問中の麻生太郎元首相は前日、米国シンクタンク「大統領制と議会研究所」(CSPC)が主催したセミナーに講演者として出て、このように語った。彼はただ「対話を続けることをやめてはならない」とし、日米が協力して中国に自制を要求しなければならないと主張した。麻生太郎元首相は8日にも、台湾の有事の際、日本人避難問題に言及して「台湾が戦わなければ日本人を無事救出するのは難しい」とし「私たち(日本)は潜水艦などを使って台湾海峡でたたかうことになる。 相応の準備をしなければならない」と話した。
麻生太郎元首相は、米国が環太平洋経済同伴者協定(CPTPP)に復帰することを希望するとしながら、「韓国も参加すれば安保と経済が表裏一体となり、地域の安定と繁栄が一層強化されるだろう」と強調した。CPTPPは米国が脱退した後、日本が主導したアジア太平洋地域多国間自由貿易協定(FTA)で、日本、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、メキシコ、チリ、ペルー、マレーシア、ベトナム、シンガポール、ブルネイ12カ国が加入した。韓国政府もCPTPP加入を推進している。麻生太郎元首相は、2019年以降開催されないでいる日中韓首脳会議の早期開催も促した(聯合ニュース)・・>>
ソース記事には書いてませんが、講演後の記者たちとの質疑応答で、麻生太郎副総裁は「もし台湾で何か事が起きた場合、現地に滞在中の日本人約10万人を救出するために自衛隊などを派遣しなければならない」、「そのような事態を避けるためには対話が必要だ」、「日本政府は、台湾の有事の際には、安全保障関連法の存立をかけて判断することになるだろうと、中国はよく覚えておいたほうがいい」と話したそうです(ニュース1などいくつかのメディアの記事より)。
また、麻生太郎副総裁は、日本のAUKUS加入についても言及しました。日本のAUKUS加入については、2022年4月産経新聞に記事がありました。「AUKUS参加、米英豪が日本に打診」という題で、「米国、英国、オーストラリアの3カ国がインド太平洋地域の安全保障枠組みAUKUS(オーカス)に日本の参加を打診していることが分かった」、「日本政府内ではAUKUSAUKUS入りに積極的な意見がある一方、米英豪3カ国とは2国間の協力枠組みがあるため、参加の効果を慎重に見極める考えもある」と報じています。
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