5日間ですでに100億円の元本割れ・・韓国個人投資家たち、ELSにより上半期だけで5000億円以上の損失か

去年11月27日にお伝えしたことがありますが、韓国個人投資家たちの間では『国民的人気』とまで言われているELS(Equity Linked Security)というものがあります。「商品による」を前提にして簡単に説明いたしますと、たとえば、香港ハンセン株価指数と連携した3年満期のELS商品を買ったとします。その3年の間には、決まった時点に、たとえば6ヶ月に1回といったふうに、チェックポイントがあります。そのチェック時点で香港ハンセン株価指数が一定水準『上』がっていると、その分、収益が発生して、満期まで持たずにそこで終了です。

ただ、3年が経ってすべてのチェックポイントが過ぎでも、その時点で指数が一定水準まで『下』がっていると、損をすることになります。いわゆる「Kock-in状態」です。一般的にはハイリスク・ハイリターンとされますが・・「だからこそ」でしょうか。韓国の個人投資家たちの間では本当に大人気です。「決まった時点」で収益が発生すると満期まで待たずに早期終了することも、人気の理由だと言われています。そう、実に多くの金融機関がこのELSを積極的に販売しており、また、多くの人たちが購入しています。ですが、元ネタがちょっと古いですが「ELSを買うモノたち」に、問題が発生しました。

 

香港ハンセン指数が大幅に下がり、その指数と連携するELSを購入した人たちが大きな元本割れが予想されたからです。ニュースになったのは、去年11月あたりからです。中央日報によると、去年11月時点で香港ハンセン指数連携ELSの販売残額は19兆3000億ウォン。そのうち15兆4000億ウォンが、今年満期になります。特に、10兆2000億ウォンは上半期中に満期になります。今年になってから(5日間)、5大銀行(大手銀行)の該当ELS元本割れだけですでに1000億ウォンを超えており、もしこのままのペースで行くなら、元本割れ金額は5兆ウォンを超えるのではないか、とのことでして。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・ハンセン中国企業指数(香港ハンセン指数)を基礎とした株価連携証券(ELS)の大規模損失可能性が、現実となってきた。香港ハンセン指数が依然として不振の中、今月から関連ELS商品の満期が本格的に到来し、すでに1000億ウォン台元本割れが確定したためだ。14日、5大市中銀行(KB国民・新韓・ハナ・ウリ・NH農協)によると、これらの銀行が販売した香港ハンセン指数ベースのELS商品は、今月8日から12日までの5日間だけで1067億ウォンの元金損失を確定した。香港ハンセン指数が、加入当時より少なくとも65~70%を超えていなければ元金損失になるが、現在は2021年比で半分にもならない状態で、損失の可能性が大きい。中国経済不振で中国証券市場の反騰が難しいし、ELS満期到来が今年上半期に集中しているという点も問題だ。

金融監督院によると昨年11月15日基準全体金融圏の香港ハンセン指数ELS総販売残高は19兆3000億ウォンだ。このうち79.6%の15兆4000億ウォンの満期が今年到来する。特に今年上半期に満期のELS商品の総販売残高は10兆2000億ウォンだ。香港H指数が現在の水準に留まると、損失率も半分水準に達すると思われる。その場合、今年上半期に確定元金損失額だけで5兆ウォンを超えることもある。大規模な損失の可能性が徐々に現実化するにつれて、金融当局は銀行側のELS商品の不完全販売の可能性を迅速にチェックする方針だ(中央日報)・・>>

 

購入者たちは、「銀行が不完全販売(元本割れの可能性などをちゃんと説明していない、など)した」としており、当局もまたその可能性が高いと見て、買った人たちではなく売った人たちの責任とし、調べています。当局は、3月までは結論を出し、結果によっては金融機関が損失分の一部を出すようにする、とのことです。結果的には「銀行側に問題がある」になるのではないでしょうか。「3月までは」ということは、「総選挙前までは」という意味でしょうから。

 

 

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